テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

「レ・ミゼラブル」を観る

2013-07-07 | つぶやきメモ
 高校生の息子がDVDを借りてきたので観る。
 監督のトム・フーパーという名前に覚えがあったが、「英国王のスピーチ」でオスカーを獲った人じゃないか。あの映画は観たいと思っていたのに、なんだか期待が一気に萎んじゃったなぁ。
 ハンディ・カメラを使った揺れ動く映像。唄っている人をパンパンと切り替えてアップで追う落ち着きの無い編集。CGも使ってるし、まるで今時のミュージック・ビデオの寄せ集めみたいだ。

 小学校の頃に「あぁ、無情」というタイトルで読んだ小説。やがてそれが「レ・ミゼラブル」と変わった、ビクトル・ユーゴーの大河小説。
 映画も2時間半と長尺だが、それでも筋を端折って、猛スピードで進んで、やはりこの本はTVの連続ドラマくらいの尺じゃないと、そのまんまでは描けないと実感した。

 ダイジェスト小説を子供の頃に一度しか読んでないが、ジャン・バルジャン、コゼットという名前、主人公が終盤で青年を抱えてその命を助けるシーンは記憶にある。流石に、終盤の再会と別れのシーンには涙腺が緩んだ。

 アン・ハサウェイはあまり出演シーンは多くないし、殆ど汚れた格好ばかりだった。
 そういえば、90%は薄汚れたシーンばかりだったな。
 フランス人の90%も薄汚れた人間ばかりに感じた。

 <日本を含む世界中で愛され続ける空前の大ヒット・ミュージカル>だそうだ。
 ハンディ・カメラとCGでダイナミックな映像を作り、舞台劇臭を一掃したかったんだろうが、舞台劇臭は無くなっても、映画としての空間が作れてなければ意味は無い。

 お茶の間で時々CMで中断しながら見る分には★★★。しかし、映画館のシートでじっくり観るには★。

 2012年のオスカーレースでは8部門にノミネート。3部門で受賞。作品賞にも上がっていたとは驚き。
 僕の感覚がおかしいのかなぁ。

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8 コメント

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<映画としての (vivajiji)
2013-07-07 14:38:09
空間が作れてなければ意味は無い>
まさしく、それなんですよ~
さすが十瑠さん、わかってらっしゃる。
私、映画館で観たですよ~これ。
なまじ、映画を観続けてきた自分、
うらみましたね~
何でこんなもん、持て囃される。(- -)
原作、もち読みましたよ。
大傑作ですよね~
個人的に、T・フーパー、前作
持ち上げ過ぎたかしら。
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トム・フーヴァーって (十瑠)
2013-07-07 21:26:48
ホラー専門の監督もいましたが。(笑)

ウィキを読むと、特徴として<・登場人物をスクリーンの中央にではなく端に置くことが多い。・ゆがんだ広角レンズのシーンを多用する>と列挙してありました。
この映画も、「スピーチ」も同じダニー・コーエンというカメラマンですから、ウィキの特徴が監督の個性なのか、コーエンの特徴なのか気になりますね。
返信する
「映画ベース」のご案内 (紀平 光太)
2013-07-10 13:46:49
テアトル十瑠 管理人様

はじめまして。紀平と申します。

私は現在「映画ベース」という映画のサイトを開発しており、
是非、映画に関心のある方からの映画のレビューや、
サイトをご利用頂いてのご意見やご感想などを頂きたいと思っております。

「映画ベース」
http://kota.lolipop.jp/eigabase/


まだまだ未熟なサイトではありますが、
面白い映画を見つけられる、そして面白い映画を面白いと言えるサイトに
何としてもしていきたいですので、
どうか「映画ベース」にご登録頂き、
ご覧になった映画の評価やレビューを投稿して頂けないでしょうか?

突然の勝手なお願いではありますが、
一度サイトにお越し頂き、ご利用をご検討頂けますと幸いです。

どうぞよろしくお願い致します。

//----------
// 映画ベース
// http://kota.lolipop.jp/eigabase/
//
// 紀平 光太
// kihira@kota.lolipop.jp
//----------
返信する
紀平 光太様 (十瑠)
2013-07-11 21:18:08
「映画ベース」、拝見しましたが、各作品のレビューはログインしなければ読めないみたいで、しかし、覗いてもそれ程目新しい内容があるように見えないし・・・。
ということで、いまだ登録はしていません。

ログイン無しでも最新レビューの幾つかが見れるようにしたら、ひょっとして登録して他のレビューを見てみようかなと思うかもです。
返信する
こちらでは、はじめまして。 (千葉の齋藤)
2013-07-12 09:44:11
こんにちは。vivajijiさんのサイトから参りました。

ご覧になったのですね。
「ああ無情」、司教がバルジャンの罪を赦す場面は子供のころ感動したものです。
ミュージカルファンの私は、よくぞこの映画を制作してくれたと思いましたが、いわゆる元祖的「ミュージカル映画」を期待して観覧された方はだいぶ違和感をもたれたかもしれませんね。

さてこの映画版レミゼは、DVDやブルーレイの同じものがいくつものバージョンで発売されていて、上のバージョンには特典が多数。
私はいちばん安いDVDバージョンを買いました。
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千葉の斎藤様 (十瑠)
2013-07-13 06:55:03
いらっしゃいませ。

映画館で最初に観たミュージカルは確か、「略奪された七人の花嫁」。リバイバルですけどね。
同じくリバイバルで観た「ウエストサイド」にも感激しました。
こういうのが斎藤さん言われる“元祖的ミュージカル映画”なんでしょうか。
「キャバレー」とか「シカゴ」とか、ボブ・フォッシーが絡むとその元祖的とちょっと違ったミュージカルになりますね。

今観たいのはアラン・レネが作った「恋するシャンソン(1997)」です。
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弊記事までTB&コメント有難うございました。 (オカピー)
2013-12-29 21:06:01
☆三つ(6点)を付けたものの、余り面白くなかったです。

>ミュージック・ビデオ
人物はアップが多く、ロングショットはCGですから、余り映画的な映像とは言えなかったですね。
大いに不満でした。
個人的に大問題を抱えている最中につき、印象論だけに留め、詳細は避けましたが、実は相当気になっていた部分です。

才能不足の日本では一般俳優だけでここまでできないのは確かですけどね^^
返信する
オカピーさん (十瑠)
2013-12-30 07:45:00
お薦め度はほぼ同じですね。
感激された方は、映画に感動したのではなく、歌に酔われている様に思いました。

>個人的に大問題を抱えている最中につき・・・

僕には元手が無いのでそういう問題は発生しないと思いますが、何はともあれ、回収が上手くいきますようにお祈りいたします。
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