テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

スウィート・ノベンバー

2007-10-30 | ラブ・ロマンス
(2001/パット・オコナー監督/キアヌ・リーヴス、シャーリーズ・セロン、ジェイソン・アイザックス、グレッグ・ジャーマン ヴィンス、リーアム・エイケン、ローレン・グレアム/120分)


 ネタバレあります。

 数年前にシャーリーズ目当てにレンタル店の中古ビデオを買ったものの、11月に観ようというタイミングが合わず放置していました。“秋にお薦め”の一作にも入っていましたので、やっとこさ観ることとなりました。

 売れっ子コピーライターのネルソン(リーブス)は、免許更新の試験会場で奇妙な美女サラ(セロン)と逢う。『あなたは愛情のない不幸な生活をしている。助けてあげるから、ひと月私と一緒に暮らしなさい。』というサラを、頭の変な女だと相手にしないが、ガールフレンドに去られ、大口の取引先との商談をぶち壊したために会社もクビになり、一日だけ彼女に付き合うことにする。
 一日のつもりが、まるで天使のように近所の人に優しく接するサラを見るうちに数日になり、仕事一筋だったネルソンの気持ちも変わっていく。新しい就職先も決まりかけるが、仕事だけではない生き方に馴染んできたネルソンは、サラの仕事を手伝い一緒に暮らすことを考えはじめる。
 『結婚しよう。』
 そうプロポーズするネルソンに、サラは『あなたは“11月”だけの恋人。これでお別れよ。』と断るのだった・・・。

 冒頭のサラの雰囲気から彼女は天使か何かで、ワーカホリックの男性が人間性を取り戻すのがテーマのファンタジーだと思っていました。そして天使と人間が恋に落ち、やがて切ない別れがやってくる、そんな話だと。
 ところが、途中から彼女は生身の人間で、不治の病に罹っていることが分かる。彼女は人生の最後を自分なりに意義あるものにしようとしているわけで、観てる方は、最初は男性の変化を見ようと思っていたら、途中からヒロインの行く末の方が気になってしまい、男の方はどうでも良くなってしまいました。(笑)
 サラが最後に消えてしまうのは、やはりネルソンが軸の話だからなんでしょうが、どうにもしっくりこない幕切れに感じました。

 「allcinema-ONLINE」によると、プロデューサーのエリオット・カストナーが、68年にロバート・エリス・ミラー監督で作った「今宵かぎりの恋」のリメイクとのこと。その時の脚本を書いたのは、「おもいでの夏(1970)」のハーマン・ローチャーでした。

 ほとんど話をしていないのに、ネルソンのマンションをサラが簡単に見つけたり、サラのアパートに時々やってくる男が、ネルソンのライバル会社のコピーライターだったりなど、不思議な感じで描かれていたので、てっきりサラは超自然的な存在で、「シティ・オブ・エンジェル」や「天使のくれた時間」のようなファンタジーだと思ったのに・・・。

 主題歌がエンヤというのも、ファンタジーっぽいかなぁ。

 尚、2001年のラジー賞(ゴールデン・ラズベリー賞)で、ワースト主演女優賞、ワースト・リメイク・続編賞にノミネートされたそうです。(キアヌは外れたんだ! )

・お薦め度【★★=悪くはないけどネ】 テアトル十瑠

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2 コメント

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特に恋愛映画っていうのは (anupam)
2007-10-31 23:03:14
見るタイミングによって、感銘の受け方や共感の度合いが違うような気がします。
この映画を見た瞬間は、こうしたテーマが自分にとってしっくりいっていた・・ってことなのかもな~だって泣いちゃったもの、anupamは。

あ~それなのに、それなのに、本作は1回しか見ていないこともあり、今思い出そうにもあまり鮮明に思い出せなかったりして・・

若年性アルツなのかもしれません

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ネタバレコメントです (十瑠)
2007-11-01 18:00:15
チラチラと2回目見てるんだけど、割と早めに、サラがネルソンに「ご両親にいつ会わせてくれるのかな?」なんて言ってるんですよ。
最後には消えるつもりなのに、どないな気持ちやったんやろ?

でも、でも・・・キアヌがうらやますぃ~っ!
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