テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ワーキング・ガール

2007-04-21 | コメディ
(1988/マイク・ニコルズ監督/メラニー・グリフィス、シガーニー・ウィーヴァー、ハリソン・フォード、アレック・ボールドウィン、ジョーン・キューザック、ケヴィン・スペイシー/113分)


 NHK-BS放送に頼っていたら、記事にする映画が1960年前後の作品ばかりになってしまって・・・。万遍なく色々な年代の映画について書きたいので、今回は80年代の思い出の映画をレンタルしてきました。

 「卒業」の柔軟な演出スタイルが気に入ったニコルズ監督。その後、「キャッチ22(1970)」「愛の狩人(1971)」「イルカの日(1973)」と肩すかしをくい続け、好きな監督の範疇からも外れてしまったけれど、「エイリアン(1979)」のシガーニー・ウィーヴァーが出ているというので観に行ったら、世間的にも個人的にも大ヒットとなったのがこの作品です。(1988年アカデミー賞で、作品賞・監督賞他にノミネート)

 ニューヨークの証券会社に勤めるOLが主人公。夜学にも通ってキャリア・アップを願っているが、専門学校しか出ていないという学歴がネックとなって、会社の上級職育成プログラムに乗せてもらえない。同じ年の女性重役の秘書に配置転換され、彼女に触発されてM&Aのアイディアを披露するが、信じていたその上司が自分のアイディアを盗んだのを発見。バカンス中のスキー事故で脚を骨折した上司に成り代わり、社外のM&Aスペシャリストとアイディアを実行するも、あと一歩で成功という所で上司にバレて・・・という話。
 しかも、社外のM&Aスペシャリストが上司の彼氏だったことも発覚。主人公は会社の上役の仕事と恋人を横取りしたようになってしまう。

 吹き替え版もTVで見たし、今となっては見え見えのストーリーですが、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされた脚本(ケヴィン・ウェイド)は人物構成、展開ともすこぶる面白い。その後のアメリカ女性映画、日本のTVドラマにおけるOLのサクセス・ス・トーリーのハシリではないかと思うのですが、大人の雰囲気、風刺の面白さ、どんでん返しのラストの気持ち良さ等、この映画を越える作品には出会いません。

 主人公のOLテス役がメラニー・グリフィス。テスと同じ30歳の頃の出演で、ヌードも披露。若い頃の放蕩の名残りか、ちょっぴり弛んだお腹が残念でしたが、アカデミー賞の主演女優賞にノミネート。ゴールデン・グローブ賞では見事に主演女優賞を獲ったようです。

 テスの上司キャサリン・パーカー役は珍しく悪役に扮したシガーニー・ウィーヴァー。映画の中ではテスと同じ30歳の役どころでしたが、実際は40前。頭が切れるのに下着姿でハリソン・フォードに迫ったり、終盤でテスがセッティングした会議に乗り込んだ時には松葉杖を放り投げたりと、実に楽しそうに演じていました。彼女も助演女優賞でアカデミー賞にノミネートされ、そしてGG賞を受賞。
 又、彼女は同じ年に「愛は霧のかなたに」で主演女優賞にもノミネートされたそうです。

 キャサリンの彼氏、ジャック・トレーナー役が「スター・ウォーズ(1977)」のハン・ソロから11年目のハリソン・フォード。キャサリンはバカンス中にジャックからプロポーズされると思っていたが、実はジャックはキャサリンと別れたがっていたという設定。キャサリンがヨーロッパで入院中にテスと知り合い、恋に落ちる。
 クレジットでは最初に出てきた彼ですが、役柄としては助演的。ビジネスマンには見えにくいけど、戦略的なM&Aスペシャリストというのが彼らしかった。

 アレック・ボールドウィンはテスの同棲中の彼。共通の知人の女性とのベッドインをテスに見られ、振られる。上司に裏切られ、彼氏に裏切られ、テスは一か八かの賭けに出る。
 ジョーン・キューザック(アカデミー助演女優賞ノミネート)はテスの友人役。
 ケヴィン・スペイシーは、テスの会社のエロ幹部の役でした。

 そういえば、フォードとボールドウィンは、マイケル・クライトン原作の映画でCIAのアナリスト、ジャック・ライアン役を演じた俳優同士でしたなぁ。

 日本で云えば丁度バブルのまっただ中での公開で、オープニングとラストシーンに出てくるWTCのツインビルが誇らしげなのが印象的でした。

 同じくオープニングとラストシーンに流れるカーリー・サイモン作詞・作曲の「♪Let the River Run」はアカデミー主題歌賞を受賞したとのこと。
 カーリー・サイモンといえば「♪うつろな愛(You're So Vain)」が懐かしい! これは1972年に全米№1の大ヒットとなったそうですが、同じ年にジェームス・テイラーと結婚し、2児をもうけた後83年に離婚したそうです。

 見終わってふと思いましたが、この時代でも携帯電話は無かったんですなぁ・・。

・お薦め度【★★★★=友達にも薦めて】 テアトル十瑠

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは (芸能ニュース)
2007-04-21 11:32:38
はじめまして^^

私の芸能サイトで
こちらの記事を紹介させて頂きましたので
ご連絡させて頂きました。

紹介記事は
http://blog.livedoor.jp/idleworld/archives/53817692.html
です。

これからもよろしくお願いいたします^^
返信する
芸能ニュースさん (十瑠)
2007-04-26 15:19:00
ご紹介、ありがとうございました♪
返信する

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