テアトル十瑠

1920年代のサイレント映画から21世紀の最新映像まで、僕の映画備忘録。そして日々の雑感も。

ビッグ・フィッシュ

2013-08-09 | ファンタジー
(2003/ティム・バートン監督/ユアン・マクレガー、アルバート・フィニー、ビリー・クラダップ、ジェシカ・ラング、ヘレナ・ボナム=カーター、ダニー・デヴィート、アリソン・ローマン、ロバート・ギローム、マリオン・コティヤール、マシュー・マッグローリー、ミッシー・パイル、スティーヴ・ブシェミ、ダニエル・ウォレス/125分)


 波乱万丈な人生を送ったらしい父親は、更に奇想天外な脚色を加えて息子に自分の昔話をし、小さい頃から聞かされてきた息子は、いつしかありえない話を信用しなくなり、どこかで自分は父親のことを何も知らないのではないかと思うようになる。話し好きな父親は、息子の結婚式でも同じような話をして息子を怒らせてしまい、以来父子は口をきかなくなった。間を取り持つのは母親だけ。結婚式から3年。父親が重い病気に罹り、息子は身重の妻を伴って実家を訪れるのだが・・・という話。

 息子、ウィル・ブルームに扮したのは「スリーパーズ (1996)」や「あの頃ペニー・レインと (2000)」にも出ていたというビリー・クラダップ。どっちも観たけど覚えてないなぁ。
 彼が観客に向かって父親の話をするという格好で物語りは進み、そこに現在の様子も折り込まれ、終盤が父親との別れのシーンになります。

 息子はフランスでジャーナリストをしており、父親は息子は筆が立つが、お喋りは自分の方が上手いと言い放つ。
 そんな父親エドワード・ブルームに扮するのはアルバート・フィニー。そして、エドワードの若い頃を演じるのがユアン・マクレガーであります。
 母親役はジェシカ・ラング。

 子供の頃に近くに魔女が住んでいて、片方のガラス玉の眼球で将来の自分の死ぬ所を見せて貰ったとか、4~5メートルはあろうかと思われる大男を村から追い出す為に友達になったとか、将来の奥さんとなる少女の情報を得る為に入ったサーカス団では団長が狼の化身だったとか、親父の話はホラ話にしか聞こえないんだが、ティム・バートンがお得意の華麗なカラー映像で再現してくれる。初めて見たので、例えば森の中で迷い込んだ村人が誰も靴を履いていない村でのエピソードは不気味さも感じたりもした。

 終盤の父親の葬式で、それまで語られた不思議な人物たちが参列するので、あぁ父親の話はまんざら嘘でもなかったんだなと思うが、それでもあまりに過去エピソードが荒唐無稽過ぎて、どこまでが真実でどこら辺が脚色なのかは観客にも分からないまま。エドワードの人物像もまだぼんやりだなぁ。
 今回は一度しか観てないので、過去エピソードが語る人生の真実のようなものも(そんなものが語られたのかどうかも含めて)良く分からなかったので、お薦め度は未定です。とりあえずは★二つ~二つ半といった所か。

 ダニエル・ウォレスという作家の『ビッグフィッシュ 父と息子のものがたり』という原作があるそうです。

 人生は杓子定規に考えるよりは楽しくやったもん勝ち、とそんな落としどころがある映画なのかなと思うけど・・・。


 2003年のアカデミー賞で、作曲賞(ダニー・エルフマン)にノミネート。
 ゴールデン・グローブでは、作品賞(コメディ/ミュージカル)、助演男優賞(フィニー)、音楽賞、歌曲賞(エディ・ヴェダー=“Man Of the Hour”作詞&作曲)にノミネートされたそうです。







[08.11(Sun) 追記]
 エドワードの故郷は少年期のエピソードに出てくる川の関連でアラバマ州だというのがわかりました。川の名前は忘れましたが・・。

テアトル十瑠

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« グラン・ブルー/完全版 | トップ | ♪We Both Reached For the Gu... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (宵乃)
2013-08-10 10:23:37
こんにちは!
わたしも父親の気持ちがよくわからなかったんですよ。子供があそこまで真実を知りたがっているのに、何故茶化すのか?
この世で大切なのは真実ではなく、信じる心だと伝えたかったのでしょうか?

>村人が誰も靴を履いていない村でのエピソードは不気味さも感じたりもした。

ですよね~、あそこはちょっとホラーでした。どこまで本当だったのやら…。

お伽話のような世界の映像は本当に素晴らしかったし、父子の愛情に感動したので好きな作品です。
いつか再見したい!
返信する
いらっしゃいませ♪ (十瑠)
2013-08-10 10:40:09
夜、家族で観始めて、後半は少し眠気を催しながらの鑑賞だったので、もう一度みたい映画です。

>この世で大切なのは真実ではなく、信じる心だと伝えたかったのでしょうか?
>父子の愛情に感動したので好きな作品です。

成る程、そういうところもあるのかも。
ラストに、親子の情愛が溢れでる感じはありましたよね。
まるで、あのオヤジが魚の化身だったような・・・ネ。
返信する

コメントを投稿

ファンタジー」カテゴリの最新記事