No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

黒石つゆ焼きそばを食す

2024-03-29 | 街:青森




もう何年前のことかは覚えていない。でも初めて「黒石つゆ焼きそば」を食べた時のファーストインパクトは衝撃的だった。どういう食べ物かは事前にリサーチ済みではあった。いくらリサーチしていても、いざ実物が目の前に置かれると動揺を抑えることはできなかった。それまで培ってきた「食の概念」のタブー(禁忌 )を犯しているような背徳感に困惑し、また同時にワクワクもした。目の前の焼きそばからは、「多分こういう感じだろうな」と想像する通りの香りが漂っていた。そして実際に食べても想像通りの味がした(笑)。スープだけは若干想像より甘めだった。その初体験以降、幾つかの店で、都合7~8回は食べたと思う。時折無性に食べたくなる中毒性がある焼きそばだ。

今回久しぶりに、その「黒石つゆ焼きそば」を食べた。店は黒石駅前の「すごう食堂」を選んだ。初めて食べた時も同じ「すごう食堂」だった。つまり僕にとって基本というか、基準となる味なのである。すごう食堂は基本的にオバちゃんが一人で切り盛りしている。以前に都会から来た観光客が5~6人で、それぞれバラバラの注文をしていたことがある。当然時間は掛かる。更に後から来た客が注文をまくし立てて、「早くして!」と威圧的な態度を取っていた。ここは都会のファミレスではない。津軽的な時間が流れる空間なのだ。一定の配慮をすれば、気持ち良い時間を過ごせるはずだ。今回も、「いいいから、いいから!」というオバちゃんの声を無視して、食べ終わった食器を厨房のカウンターまで持っていった。「いいから!」と言いつつオバちゃんは嬉しそうだった。後から来ていた家族連れも同じようにしてくれたことを願う。

GRⅢ




コメント (20)

みちのく「温湯温泉」を歩く

2024-03-24 | 街:青森










11月以来、四か月振りにブログを再開している。今のところ掲載した記事は、休載期間の状況報告のようなものばかりである。当ブログは僕の日記(備忘録)代わりでもあるので、あまり時系列にずれが生じると実用的に困ったりもする。今日からの記事は、基本的に準リアルタイムのものとしたい。

さて、ワタクシ、久しぶりに温泉宿泊をして参りました。行った先は青森県の酸ヶ湯温泉。あまりに寛いだせいか、写真が足りず記事にするかどうかは分からない。だから帰路に立ち寄った「温湯(ぬくゆ)温泉」の町並みを掲載する。もうね、素晴らしい町並みなんですよ。元々、温湯温泉は中心に大きな共同浴場があり、その周りに客舎と呼ばれる宿泊施設があった。つまり人々は共同浴場で温泉に入り、寝泊まりと飲食は客舎で行う。多分、それぞれの客が贔屓にしている客舎があり、期間や予算に応じて利用したのだろう。自炊する客もいれば、賄を頼んだり、仕出しを頼んだり。長期逗留する客も多かっただろう。ジワジワ来るシステムだ。今でも客舎は残っているが、多くは通常の旅館に形態を変化させた。各旅館には内湯も作られた。それでもこの温泉場には、古き良き「みちのくの湯」の名残が色濃く残っている。東京の人が箱根とか熱海の温泉に行くこととは、根本的に成り立ちが違う。

温湯(ぬくゆ)温泉は過去にも数回歩いている。一度泊まったこともある。今回ここを歩いたのは、時間にして30分足らず。またいつの日か、泊まりに来たいと思う。


X-PRO3 / XF23mm F2R WR




コメント (6)

さらばJBL、38センチから20センチの世界へ

2024-03-21 | オーディオ
オーディオネタなので、興味のない方はスルーして下さい。物への執着を断ち切ることは、オーディオ分野でも同様だ。思い切ってシステムの簡素化、小型化を断行した。これまでは「38センチユニット」を使ったJBL4333AWX、これをマッキントッシュを中心とした2ウェイマルチアンプ駆動で鳴らしていた。大型スピーカーを大きな音量で鳴らすのは田舎暮らしの特権であり、もはや家庭内ジャズ喫茶状態で聴いていた。僕はJBLのスタジオモニターが好きで、機種を変えつつ30年以上愛用してきた。その愛しのJBL38センチウーハーも経年劣化でボロボロになってしまった。ウーハーエッジは消耗品みたいなものなので、当然ながら修理が可能である。マッキントッシュに至っては、そもそも故障すらしていない。でもこれは一つのチャンスでもあると捉え、思い切ってシステム変更に踏み切った。というのもスピーカーは一本70kg近く、パワーアンプは40kg近くというヘビー級であり、一人で扱うことに限界を感じていた。挙動が怪しいトーレンスのプレーヤーも併せて処分した。

新システムは断然シンプルになった。まだ試行中なので暫定的に可動できるラックに入れている。トライオードの真空管プリメインアンプ、20cm同軸ユニット(409-8E)を使った自作バックロードホーンのスピーカー。これは中古で2万8千円で買った。ラックスマンのフォノイコライザーはムック本付属のもの(19800円)であり、ムック本の情報に基づき、内部基盤のオペアンプを高品質なものに付け替えたので相当いけていている。レコードプレーヤーはサブ機のデノンDP3000が昇格、カートリッジはDL103を現役復帰させた。リンのCD,ネットワークオーディオプレーヤーに変更はない。うん、これで十分であり、むしろこの方が良い状況も多い。でも正直38センチスピーカーの圧倒的なリアリティには遠く及ばない。あれと同じものを求めることは不可能だ。それでも20センチユニットでも音象は想像以上に大きく、特にボーカルなどはむしろ前システムよりも良く聴こえたりもする。ロック系もこちらの方が良い。反対にソースによってはAMラジオみたいな音で、ガッカリすることもある。まだまだセッティング中、これから煮詰めていきたい。そして必要以上にオーディオに拘ることはなく、今まで以上に純粋に音楽を聴いていきたい。

追伸:スピーカーユニットは409-8Eで、アルテックが長らく販売していたものだ。僕が入手したのは「エレクトロボイス」がライセンス生産で復刻したものである。まあJBLの従弟みたいなものだ。現代用途のハイファイ設計ではないけど、人の声の表現などは素晴らしい。これをバックロードホーンの箱に入れてある。バックロードホーンの箱の詳細や効果はまだ分からない(バックロードホーンを利かすには箱が小さい気もしている)。キャビネットは単なる合板なので、恥ずかしながら素人ペイントで仕上げた。いまは鳴らし込みの時期で、インシュレーターの設置などを試行錯誤しており、段々と馴染んできた。個人的な備忘録として機器を表記しておく。

<Before>


〇スピーカー JBL4333AWX

下段、左から
〇マランツパワーアンプ SM6100 SA ver.2 =売却
〇マランツ DACヘッドホンアンプ HD-DAC1=温存
〇メジャグランフォノイコライザー a22N=保存
〇JBLチャンネルデバイダー 5234
〇Linn Majik DS (ネットワークオーディオプレーヤー)=温存
〇Linn Majik CD(CDプレーヤー)=温存
〇マッキントッシュC32(プリアンプ)=売却
〇マッキントッシュMC7270(パワーアンプ)=売却
(写真外)
〇トーレンスTD521+SME3012R (レコードプレーヤー)=売却
〇DENON DP3000+FR54 (レコードプレーヤー)=温存
〇DENON  DP1200(レコードプレーヤー)=売却
その他、カートリッジ、昇圧トランス等は省略


<After>



〇スピーカー 自作バックロードホーン(EV409-8E)

下段、左から
〇DENON DP3000+FR54 (レコードプレーヤー)=温存
〇Nobsound プリアンプ(増設機器使用時のみ使う)=新規
〇DENON MC昇圧トランス=温存
〇マランツ DACヘッドホンアンプ HD-DAC1=温存
〇ラックスマンフォノイコライザー LXV-OT10 =新規
〇トライオード プリメインアンプTRV-88SE=新規
〇Linn Majik DS (ネットワークオーディオプレーヤー)=温存
〇Linn Majik CD(CDプレーヤー)=温存


コメント (12)

理由なき外出②〜さらばライカ

2024-03-18 | 街:山形








今回の写真は2月初旬に撮ったものだ。山形県鶴岡市の湯田川温泉である。温泉に日帰り入浴したくて出かけた時のものだ。写真自体は、いつも通りの被写体をトレースしているだけで、あまり意味はない。実はワタクシ、ライカをすべて手放しました。もっといえばX-PRO3も一度手放しました。フィルムカメラを除けば、富士のX-H2とGRⅢだけを手元に残すつもりだった。でもX-H2は描写はピカイチだけど、僕の用途には合わなかった。結局売却してX-PRO3を買い戻した(何やってんだか)。X-PRO3は、元々のDRブラックからDRシルバーに変わった(笑)。

秋田県での生活も18年を超え、色々なものが積み重なり、身重になってきた。断捨離という言葉は使いたくないが、モノへの執着を一旦断ち切り、身軽になりたい。カメラについては、最悪GRさえあれば、あとは何とかなるんじゃないかとも思っている。最終的にはそこまで達観できず、中途半端な断ち切りにはなった。それでも一歩前進である。さよならライカとの日々。唯一無比のモノクロカメラと一緒に町を歩いた日々を忘れまい。カメラは手元から失くなったけど、撮影した映像と思い出は残っている。

GRⅢ








コメント (12)

理由なき街歩き①〜雪の大館を歩く

2024-03-14 | 街:秋田







以前は「ほぼ日更新」を行っていた当ブログ。丸四ヶ月のブランクを経て復活した。といっても当面は不定期更新がやっとのところだと思う。昨年11月にブログを休止し、同時に写真撮影などの活動も辞めていた。それが年明けからは短時間であっても月に1〜2回、どこかで写真を撮るようになった。撮影する場所は任意で、そこには理由もなければ、テーマもない。とにかく写真を撮っただけだ。今になっても、当時どういう心境で、どんな写真を撮っていたのかは記憶にない。

今回の写真は1月前半の大館市で撮ったものである。異様に雪の少ない今シーズンとはいえ、流石に積雪の跡が残っている。町を歩いて写真を撮る。その行為に気分が高揚したことだけは微かに覚えている。でもそれは一瞬だけだった。食堂でラーメン(+カレーライス)を食べると撮影の時間は終わった。ブランクが撮影にどのような影響を与えたのかは分からない。いつもと変わらないような気もするし、全く手応えがなかったようにも感じる。まあそれでも良い。町に戻ろうとする気持ちだけあれば良い。

X-PRO3 / XF23mm F2R WR

コメント (16)

十一月の富士山は遠くになりにけり

2024-03-07 | 街:静岡
古い話で恐縮だけど、昨年の11月末に故郷の西伊豆に行ってきた。短い滞在中は小雨が降ったり曇ったり、あまり天候には恵まれなかった。本家を継ぐ叔父が墓仕舞いをして、僕の父を含む我が家の先祖は、すべて永代供養塔に入った。永代供養塔は、今回の写真の場所のすぐ近くにあり、同じように富士山が見える。永代供養塔に手を合わせに行く時間だけ、なぜか空は綺麗に晴れ上がった。僕を待っていてくれたのだと思う。僕はこんなにも綺麗な町で育ったのだと改めて思うと、感慨深い。あれから三か月以上経った。嗚呼、富士山が恋しい。


X-PRO3/  XF16-80mmF4 R OIS WR




コメント (19)

Long time no see〜四ヶ月振りの更新

2024-03-03 | 
最後のブログ更新から、ほぼ四ヶ月が経過した。その間、様々な変化があった。大きな変化もあれば、小さな変化もある。もう終わったこともあれば、これから起こるであろうこともある。それを一から十まで語るつもりはない。一つ言えるのは、なかなかしんどい四ヶ月だったということだ。

でも「しんどい」と言いながら、この四ヶ月、僕は仕事をし、ご飯を食べて、普通に生活してきたのも事実である。だからブログだって更新しても良いのかもしれない。やっとそう思い始めた。たったそれだけ思うのに四ヶ月も掛かった。まだ毎日更新できる状況にはないし、写真を撮りに出かける機会も極めて少ない。それでもブログを再開したいと思う。そして以前のように、それを生活のベースに据えることを目標にしよう。当面はスポット的にしか更新できないし、再び長期停止するかもしれない。とにかくできる範囲で一歩を踏み出すのである。

更新が止まっている間に訪問頂いたり、コメント頂いた皆様に感謝しています。皆様のブログ訪問(というか自分のブログだった)もままならなかったけど、徐々にお邪魔していくつもりです。今後ともまたよろしくお願いします。

追伸:猫(銀次郎)からの伝言「久しぶりだニャ!!」

X-PRO3 / XF23mm F2R WR



コメント (41)