No Room For Squares !

レンズ越しに見えるもの または 見えざるもの

黒石つゆ焼きそばを食す

2024-03-29 | 街:青森




もう何年前のことかは覚えていない。でも初めて「黒石つゆ焼きそば」を食べた時のファーストインパクトは衝撃的だった。どういう食べ物かは事前にリサーチ済みではあった。いくらリサーチしていても、いざ実物が目の前に置かれると動揺を抑えることはできなかった。それまで培ってきた「食の概念」のタブー(禁忌 )を犯しているような背徳感に困惑し、また同時にワクワクもした。目の前の焼きそばからは、「多分こういう感じだろうな」と想像する通りの香りが漂っていた。そして実際に食べても想像通りの味がした(笑)。スープだけは若干想像より甘めだった。その初体験以降、幾つかの店で、都合7~8回は食べたと思う。時折無性に食べたくなる中毒性がある焼きそばだ。

今回久しぶりに、その「黒石つゆ焼きそば」を食べた。店は黒石駅前の「すごう食堂」を選んだ。初めて食べた時も同じ「すごう食堂」だった。つまり僕にとって基本というか、基準となる味なのである。すごう食堂は基本的にオバちゃんが一人で切り盛りしている。以前に都会から来た観光客が5~6人で、それぞれバラバラの注文をしていたことがある。当然時間は掛かる。更に後から来た客が注文をまくし立てて、「早くして!」と威圧的な態度を取っていた。ここは都会のファミレスではない。津軽的な時間が流れる空間なのだ。一定の配慮をすれば、気持ち良い時間を過ごせるはずだ。今回も、「いいいから、いいから!」というオバちゃんの声を無視して、食べ終わった食器を厨房のカウンターまで持っていった。「いいから!」と言いつつオバちゃんは嬉しそうだった。後から来ていた家族連れも同じようにしてくれたことを願う。

GRⅢ




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