67camper's Blog

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ゾウの雄叫び,ドルフィのバスクラ

2006-11-08 00:40:35 | jazz & vocal
Outward Bound/Eric Dolphy
(Prestige PR7311)


 チコ・ハミルトンバンドから独立し初めて吹き込んだ初リーダー盤です。ドルフィは我がブログでは初登場ですが、アルト,バスクラ、フルートとどれをとっても一級品ですよね。アルトでは太い豊かな音色が印象的、ここに挙げたゾウの雄叫び的なバスクラ,そして天空を切り裂くようなフルートすべてに置いて聞き所が多い真のマルチリードプレイヤーであろうと思います。

 さてこの初リーダー盤、共演陣も素晴らしく、ドルフィのアルバムでは最も好きなアルバムです。素晴らしい共演陣はフレディ・ハバードのトランペットとジャッキー・バイアードのピアノ,ジョージ・タッカーのベース,どんなスタイルにも不思議とフィットするロイ・ヘインズンの布陣です。中でも,A-2の"Green Dolphin Street"のバスクラリネットは、その昔初めて接したバスクラの音色でありゾウの雄叫びのように聴こえるこのサウンドは驚愕でもありました。初期の頃には,ややフリー的にも聴こえるプレイに戸惑っていましたが、何度も聴くにつけどんどん引き込まれていった記憶があります。ハバードのミュートプレイもすがすがしく,グリーンドルフィンの名演の一つだろうと思います。ドルフィはB面にはいり、"Glad To Be Happy"でフルートプレイを聴かせますが、ラストデイトの"You Don't Know What Love Is"には及ばないにしろ,後のこの演奏を充分に予感させるような鋭いアタックはドルフィならではと思います。

 アルバムはOJCになる前のファンタジーの再発版で盤も厚いのですが,オリーブ色のラベルで,カバーもセカンドカバーです。ドルフィの横顔がイラスト風に描かれたオリジナルカバーで欲しかったなぁ!