<VW規制逃れ>傷ついた「メード・イン・ジャーマニー」>毎日新聞 9月24日(木)12時22分配信より一部引用
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が米国で排ガス規制を不正に逃れていた問題は、トップの辞任へと発展し、高い競争力で欧州経済をけん引する「メード・イン・ジャーマニー(ドイツ製)」ブランドは大きく傷付いた。独産業界を代表するVWの過去最大規模のスキャンダルは、国内の産業界だけでなく、政界にも波紋を広げている。
<VW排ガス規制不正、米下院が公聴会開催へ 集団訴訟も>朝日新聞デジタル 9月24日(木)12時45分配信より一部引用
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を不正に逃れるソフトウェアを使っていた問題で、米下院エネルギー・商業委員会が公聴会を開くことを決めた。数週間以内に開催し、VWの経営幹部を呼んで不正に手を染めた経緯や、組織的な不正だったかどうかなどを厳しく追及する見通しだ。
米国では、VWの不正の発覚が波紋を広げている。米メディアによると、不正なソフトウェアを使っていた車の所有者が、VWを相手取り損害賠償を求めて訴訟を起こす準備を進めている。全米規模の大規模な集団訴訟に発展する可能性もあるという。
米司法省はVWの刑事責任を問うことも含め不正の調査を進めていくとみられており、司法当局の動きも活発化する可能性がある。
トヨタの豊田社長が公聴会に召喚された悪夢の映像がまた再来しようとしている。
2010年のトヨタの大規模リコールは結局、米運輸省高速道路交通安全局(NASA)自身が「トヨタ車に器械的な不具合はあったものの、電子制御装置に欠陥はなく、急発進事故のほとんどが運転手のミス」と報告しているように、ほぼ言い掛かりであったと現在では判明しているとはいえ、当時豊田社長自らが公聴会で声を震わせ証言した姿には強い衝撃を受けた。
が、今回のフォルクスワーゲンの問題は刑事訴追にも及びかねない深刻なもので、アメリカ議会による公聴会はもちろん集団訴訟も相次ぎ、vwの屋台骨を揺るがしかねない大問題に発展しそうだ。
フォルクスワーゲンの不正
何重もの驚きをもって、このニュースを見ている。
ドイツあるいは「ドイツ製」に対して明確な理由はないが、絶対的な信頼を置いていた。
それはドイツ文学が好きな母の影響もあるかもしれないし、共に経済大国になろうとも敗戦国であるため常任理事国となることを許されない歴史的経緯を共有しているという心理が働いているのかもしれないし、身近なところではドイツ消しゴムSTAEDTLERの使い始めから終わりまで変わらない消し心地を気に入っているからかもしれない。
過美なデザイン性も大衆への媚もなく、無骨だが性能一本槍の質実剛健な製品を誇るのがドイツだと思っていたが、それは何処か日本人と共通点があると感じさせるドイツ人への信頼と共感が根底にあるからだと思われる。
このような印象を持った理由に、「深代惇郎の天声人語」がある。
最近では天声人語は読まないことにしているのだが、学生の頃に読んだ単行本の「深代惇郎の天声人語」から受けた影響は大きい。
「深代惇郎の天声人語」の「日本と日本人」より引用
草取りの話をしよう。同じ人数のイタリア人、ドイツ人、日本人に、時間を決めて草取りをやってもらうことになった。イタリア人たちは時間前に早々に切り上げてスパゲティを食べに帰ってしまった。ドイツ人は整然と隊列を組んで仕事をしたが、イタリアの半分ぐらいの広さしかできなかった。
日本人はすぐ出身大学、会社ごとのグループを作った。イタリアより広く、しかもきれいに雑草をとった。
半月たった。その土地を見に行くと、イタリア人の場所はぼうぼうとした雑草に戻っていた。ドイツのは半分の広さだったが、根こそぎ抜いてあったので一本の雑草も見えなかった。日本は?なんと、日本人たちは休日を返上してその後も草とりを続け、広大な土地にサクをめぐらしてあった。
ヨーロッパ人にとって、ドイツの徹底した合理主義も恐ろしいが、日本人の真面目さの方がその何倍も恐い。
~引用終わり~
ドイツ人ドイツ製品というと、愚直なまでの質実剛健ぶりをイメージしてきたが、もう一面の合理主義を徹底すると、今回の不正(環境問題における理想と製品の耐久性との現実的な算盤勘定)となり、行くつく果てはアウシュビッツになるのかもしれない。
そうだとしても、VWのGolfのあのステアリングの確かな感触と、メカが動いていると実感させるエンジン音と振動を、私は強く好んでいる。
トヨタが苦難を脱し2014年には過去最高益を更新したように、VWも技術経営方針ともに原点に立ち返り、是非とも復活してほしいと願っている。
ところで、皇室でもVWの黄色のビートルが見られたが、御料車は先代の日産「プリンスロイヤル」から引き継ぎ、現在はトヨタの「センチュリーロイヤル」だ。
2007年10月には、納入から間もない車が、電気系統のトラブルで公務の途中で停止してしまうという事態もあったが、ともかく皇太子御一家が公的に乗られる車は(確認できる限り)トヨタだと思われる。
私用車としては雅子妃殿下が御成婚時にトヨタの「カローラⅡ」に乗られていたのが話題となり、後には「カローラⅡにのって~」という歌も流行ったが、ご成婚から何年もたった御静養先でも楽しそうに「カローラⅡ」を運転される御姿が報じられている。
物理が得意科目だったという雅子妃殿下は、車の運転が好きなだけでなく、車の構造や車と環境問題にも強い関心を持っておられるようだ。
御病気の公表から日が浅く公務によるお出ましが少なかった時期でも、環境問題の公務には取り組んでおられ、平成18年6月19日には東宮御所で、慶應義塾大学政策メディア研究科教授、同環境情報学部教授によるご進講を受けておられる。これは、慶應と民間企業が共同開発した電気自動車「Eliica(エリーカ)」に御夫妻で試乗されるというものだったが、温暖化の問題から電気自動車にご関心を持たれているものと思われる。
出典:宮内庁ホームページ
URL http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/02/h18/gonittei-2-2006-4.html
http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/02/photo2/photo-200606-538.html
最近では、皇太子様がご研究されている水問題の一環で東京・港区にある芝浦水再生センターを訪問された折に、下水の汚泥をエネルギーとして活用する水素自動車の技術についての説明を、御夫妻そろって受けておられる。
vwが不正に手を染めてしまったように、環境問題をクリアする為には非常に高い技術を要する。
地球規模での環境問題にご関心を寄せておられる皇太子ご夫妻が、自国の技術が産学ともに高められるようにと現場を直接ご覧になれば、現場の士気も上がり技術革新にも弾みがつくというもの。そして、その技術が世界の環境に寄与することになれば、これほど意義深い皇室の公務はないと考える。
皇太子ご夫妻が望まれる未来を信じ、皇太子御一家を応援している。
(参照 「勇者よ進め」)
ドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が米国で排ガス規制を不正に逃れていた問題は、トップの辞任へと発展し、高い競争力で欧州経済をけん引する「メード・イン・ジャーマニー(ドイツ製)」ブランドは大きく傷付いた。独産業界を代表するVWの過去最大規模のスキャンダルは、国内の産業界だけでなく、政界にも波紋を広げている。
<VW排ガス規制不正、米下院が公聴会開催へ 集団訴訟も>朝日新聞デジタル 9月24日(木)12時45分配信より一部引用
独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス規制を不正に逃れるソフトウェアを使っていた問題で、米下院エネルギー・商業委員会が公聴会を開くことを決めた。数週間以内に開催し、VWの経営幹部を呼んで不正に手を染めた経緯や、組織的な不正だったかどうかなどを厳しく追及する見通しだ。
米国では、VWの不正の発覚が波紋を広げている。米メディアによると、不正なソフトウェアを使っていた車の所有者が、VWを相手取り損害賠償を求めて訴訟を起こす準備を進めている。全米規模の大規模な集団訴訟に発展する可能性もあるという。
米司法省はVWの刑事責任を問うことも含め不正の調査を進めていくとみられており、司法当局の動きも活発化する可能性がある。
トヨタの豊田社長が公聴会に召喚された悪夢の映像がまた再来しようとしている。
2010年のトヨタの大規模リコールは結局、米運輸省高速道路交通安全局(NASA)自身が「トヨタ車に器械的な不具合はあったものの、電子制御装置に欠陥はなく、急発進事故のほとんどが運転手のミス」と報告しているように、ほぼ言い掛かりであったと現在では判明しているとはいえ、当時豊田社長自らが公聴会で声を震わせ証言した姿には強い衝撃を受けた。
が、今回のフォルクスワーゲンの問題は刑事訴追にも及びかねない深刻なもので、アメリカ議会による公聴会はもちろん集団訴訟も相次ぎ、vwの屋台骨を揺るがしかねない大問題に発展しそうだ。
フォルクスワーゲンの不正
何重もの驚きをもって、このニュースを見ている。
ドイツあるいは「ドイツ製」に対して明確な理由はないが、絶対的な信頼を置いていた。
それはドイツ文学が好きな母の影響もあるかもしれないし、共に経済大国になろうとも敗戦国であるため常任理事国となることを許されない歴史的経緯を共有しているという心理が働いているのかもしれないし、身近なところではドイツ消しゴムSTAEDTLERの使い始めから終わりまで変わらない消し心地を気に入っているからかもしれない。
過美なデザイン性も大衆への媚もなく、無骨だが性能一本槍の質実剛健な製品を誇るのがドイツだと思っていたが、それは何処か日本人と共通点があると感じさせるドイツ人への信頼と共感が根底にあるからだと思われる。
このような印象を持った理由に、「深代惇郎の天声人語」がある。
最近では天声人語は読まないことにしているのだが、学生の頃に読んだ単行本の「深代惇郎の天声人語」から受けた影響は大きい。
「深代惇郎の天声人語」の「日本と日本人」より引用
草取りの話をしよう。同じ人数のイタリア人、ドイツ人、日本人に、時間を決めて草取りをやってもらうことになった。イタリア人たちは時間前に早々に切り上げてスパゲティを食べに帰ってしまった。ドイツ人は整然と隊列を組んで仕事をしたが、イタリアの半分ぐらいの広さしかできなかった。
日本人はすぐ出身大学、会社ごとのグループを作った。イタリアより広く、しかもきれいに雑草をとった。
半月たった。その土地を見に行くと、イタリア人の場所はぼうぼうとした雑草に戻っていた。ドイツのは半分の広さだったが、根こそぎ抜いてあったので一本の雑草も見えなかった。日本は?なんと、日本人たちは休日を返上してその後も草とりを続け、広大な土地にサクをめぐらしてあった。
ヨーロッパ人にとって、ドイツの徹底した合理主義も恐ろしいが、日本人の真面目さの方がその何倍も恐い。
~引用終わり~
ドイツ人ドイツ製品というと、愚直なまでの質実剛健ぶりをイメージしてきたが、もう一面の合理主義を徹底すると、今回の不正(環境問題における理想と製品の耐久性との現実的な算盤勘定)となり、行くつく果てはアウシュビッツになるのかもしれない。
そうだとしても、VWのGolfのあのステアリングの確かな感触と、メカが動いていると実感させるエンジン音と振動を、私は強く好んでいる。
トヨタが苦難を脱し2014年には過去最高益を更新したように、VWも技術経営方針ともに原点に立ち返り、是非とも復活してほしいと願っている。
ところで、皇室でもVWの黄色のビートルが見られたが、御料車は先代の日産「プリンスロイヤル」から引き継ぎ、現在はトヨタの「センチュリーロイヤル」だ。
2007年10月には、納入から間もない車が、電気系統のトラブルで公務の途中で停止してしまうという事態もあったが、ともかく皇太子御一家が公的に乗られる車は(確認できる限り)トヨタだと思われる。
私用車としては雅子妃殿下が御成婚時にトヨタの「カローラⅡ」に乗られていたのが話題となり、後には「カローラⅡにのって~」という歌も流行ったが、ご成婚から何年もたった御静養先でも楽しそうに「カローラⅡ」を運転される御姿が報じられている。
物理が得意科目だったという雅子妃殿下は、車の運転が好きなだけでなく、車の構造や車と環境問題にも強い関心を持っておられるようだ。
御病気の公表から日が浅く公務によるお出ましが少なかった時期でも、環境問題の公務には取り組んでおられ、平成18年6月19日には東宮御所で、慶應義塾大学政策メディア研究科教授、同環境情報学部教授によるご進講を受けておられる。これは、慶應と民間企業が共同開発した電気自動車「Eliica(エリーカ)」に御夫妻で試乗されるというものだったが、温暖化の問題から電気自動車にご関心を持たれているものと思われる。
出典:宮内庁ホームページ
URL http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/02/h18/gonittei-2-2006-4.html
http://www.kunaicho.go.jp/activity/gonittei/02/photo2/photo-200606-538.html
最近では、皇太子様がご研究されている水問題の一環で東京・港区にある芝浦水再生センターを訪問された折に、下水の汚泥をエネルギーとして活用する水素自動車の技術についての説明を、御夫妻そろって受けておられる。
vwが不正に手を染めてしまったように、環境問題をクリアする為には非常に高い技術を要する。
地球規模での環境問題にご関心を寄せておられる皇太子ご夫妻が、自国の技術が産学ともに高められるようにと現場を直接ご覧になれば、現場の士気も上がり技術革新にも弾みがつくというもの。そして、その技術が世界の環境に寄与することになれば、これほど意義深い皇室の公務はないと考える。
皇太子ご夫妻が望まれる未来を信じ、皇太子御一家を応援している。
(参照 「勇者よ進め」)