何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

新しい光に導かれる時代

2019-01-19 23:22:57 | ひとりごと
ニュースを聞いた時、自分が何をしていたかを明確に覚えているニュースは、その人にとって重要な、あるいは社会にとって非常に大きなニュースだ、と何かで読んだことがある。
26年前の1月6日の夜 第一報が伝えたニュースは、日本国民の多くが待ちわびていた、大きな嬉しいニュースだった。
もちろん私は、この時 自分が何をしていて、どんなに喜んだかを今もハッキリと覚えている。

その興奮冷めやらぬ1月19日、皇太子ご夫妻のご婚約が決定したのだ。

<皇太子さまと小和田雅子さんの婚約が決定/今日は?> 日刊スポーツ2019年1月19日0時2分配信より一部引用
1月19日=今日はどんな日
皇太子さまと小和田雅子さんの婚約が皇室会議で正式決定(1993)
◆出来事
▼登山家の田部井淳子さんが南極最高峰に登頂。女性初の6大陸最高峰制覇(1991)


御婚約から半年 6月9日の御成婚の日の奇跡的な’’光’’は、強く印象に残っている。
あの日は朝からしとしと雨が降っていたのだが、パレードを前に奇跡的に上がった。
雨で清められた道を、柔らかな’’光’’がさすなか、晴れやかに沿道の観衆に手を振られる皇太子ご夫妻の笑顔も’’光’’輝いておられた。

’’光’’に包まれた あの日に、一体誰が、皇太子御夫妻がこれほどまでの辛酸を舐められることになると想像しただろうか。

週末ようやっとできた時間に、今年の歌会始の御歌を拝見し、「1月19日何の日?」の記事を読み、複雑な思いで いる。
今年のお題「光」を詠まれた皇太子御夫妻のお歌は、これまでの御苦労と優しさと、誠実に歩んだ者だけが見ることができる’’光’’に溢れているように、私には感じられる。

雲間よりさしたる光に導かれわれ登りゆく金峰の峰に 皇太子殿下

大君と母宮の愛でし御園生の白樺冴ゆる朝の光に 皇太子妃殿下

光に導かれ登られたことを詠まれた御歌に、自分の写真を合わせるのは烏滸がましいが、昨年の夏山で暴風雨がやんだ後にあらわれた’’光’’は、忘れることができない幻想的な美しさだったので、どうしても記しておきたくなったのだ。

これまた大変烏滸がましいことではあるが、毎年歌会始のお歌を拝見しては、かってに好きなお歌を決めて楽しんでいる。

朝光(あさかげ)にかがやく御苑の雪景色一人と一匹足跡つづく  承子女王殿下

朝光を、あさかげと読むことを知らなかったのだが、朝の光で「あさかげ」というのは考えれば考えるほど深い味わいがある。


被災者の苦労話を聴きにける七歳が光れる一語を放つ  寬仁親王妃信子殿下

らふそくの光が頼りと友の言ふ北の大地を思ひ夜更けぬ 彬子女王殿下

いろいろ複雑な問題はおありだとしても、二つ並んだお歌は、二つで一つ 何より重要なことを教えてくれている。
大災害が続いた平成の幕が閉じる年の歌会始で、このお歌に出逢えたおかげで、被災地と被災された方々に思いを寄せることができたことは有難かった。

明神岳の向こうからさす朝の光

来年のお題は、御即位された皇太子様がお決めになるという。

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