何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

蛍・鈴虫 愛づる京の旅

2018-06-25 23:50:05 | ひとりごと
「鳴かぬ蛍が、コツコツと」 「あらまほしき先達」より

「忙しい」「何だかつまらない」と言う私のため、というわけではないだろうが、友人が計画してくれた京の都のそぞろ歩き。
この日一番の目的は、梅雨どきの雨に濡れる苔を堪能することだったので、雨の予報はむしろ歓迎だったのだが、安定の気象庁というべきか、大雨の予報を大きく外し、晴れていた。
こうなると、西芳寺(苔寺)以外にも、お参りしたい処は多くある、その一つが鈴虫寺であった。

実は、学生時代に一度 鈴虫寺をお参りしたことがある。
願い事を一つだけ叶えて下さるお地蔵様がいらっしゃるとかで、しかも特に恋愛成就に効き目があるとかで、友人に連れられてお参りしたのだが、当時の自分が何をお願いしたのかは覚えていないし、その後の友人を見ていても、・・・ということだったので、そこのところ 御利益 はそういうつもりで今回はお参りした。
事前に調べたところによると、かなり人気のお寺らしく、行列に並ばなければお参りできないとあったが、この日は大雨の予報がでていたせいか人もまばらで、とても静かに長い階段を上ることができた。

長い階段を一歩一歩上ると、静かな空間が広がり、本堂にあがれば、鈴虫の音が響き渡り、浮世の憂さを忘れさせてくれるような心地よさだったが、ご住職様の法話で一気に現実に引き戻された?

これからの世を生き抜くためには、スマホが必要!?とのこと

しかし、さすが臨済宗の御住職。
生きるうえで大切なスマホとは、素・磨・歩のこと
素は、ありのまま
磨は、自分を磨く
歩は、一歩ずつでも自分の足で歩き前へ進む

幸せは誰かと比較して得るものではない、誰かと比較し自分に「ダメだ」というラベルを張り苦しむ「苦・ラベル」は止めましょう、と。
ありのままの自分を受け入れ、しかしそこに安住するのではなく、しっかり自分を磨き、そして自分の足で歩いて前へ進みましょう、と。

身振り手振りのお話しに笑いながらも、良いお話に いい気分になっていると、更に御住職は「臨済宗は、かならず客人を茶菓でもてなす習わしがある。皆さんの前にある、紅白のお菓子とお茶も是非召し上がってください」と声をかけて下さった。
有難くお菓子に手を伸ばしかけると、「そのお菓子には、黒い点々がたくさん入っています・・・・・一年中鈴虫が鳴くお寺ですから、天寿を全うした鈴虫さんが多くいる・・・・・、すりつぶして御供養のために・・・・・なんてことは、していないので安心して召し上がってください」と。

これで大笑いしてしまったせいか、願い事をする時の決まりごと(願いを唱える時に住所氏名を述べる事)を、うっかり失念してしまった。
御住職によると、「鈴虫寺の鈴虫さんは、住所地に願いを叶えに飛んできて下さるので、願い事とともに住所氏名を述べることが、一番肝心」だというのに、住所氏名を念じるのを忘れてしまった。
いやいや今回ばかりではない、どうも前回も、それをした覚えがない。
となると、今回もその願いは・・・・・

だが、良いお話を笑いながら聞かせて頂いたことだけでも有難いと思えるだけの年は重ねたので、今回は十分に満足している、、、けれど、こうして公に書かせて頂いたので私の居場所はお分かりになったはず。
鈴虫さま 私の願いを叶えて下さいと切に切に願っている。

大笑いしながら、いよいよ西芳寺へと歩を進める途中で、腹ごしらえ。

鄙びた感じが景観にあう食事処は、ここしかない、という強みを生かして頑張っておられた。
 
苔寺の苔に見立てた青のりの香りも良く、腹ごしらえもすまして、次はいよいよ苔寺へと、つづく