マイタのブログ

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精米歩合

2007年10月27日 | うんちく・小ネタ

本業は何なのか忘れられそうなので、たまには酒屋らしいお話しをひとつ。

お酒を造るときに原料のお米を削ります。これは、お米の表皮や胚芽に多く含まれているタンパク質や脂肪を取り除くためで、これらの成分が多く残っていると酒の味や香りに好ましくない影響があるので、高品質のお酒ほど『より多く削って小さくなったお米』で仕込みます。このとき、どのくらいまで削ったかを知るのに精米歩合という数字が用いられ、玄米重量に対する削ったあとの白米重量の割Photo合で示します。

簡単に言うと、100㎏の玄米を削って60㎏の白米が残れば「精米歩合60%」ということになります。 ただし、お米には等級があり、すべてが同じ条件ではありません。一般論ですが、①・等級の高いお米は粒がきれいに揃った玄米ばかりが入っているものが多く、②・等級の低いお米は未熟粒や組織のもろいお米、砕けたお米などを多く含んだものもあります。②の場合、精米中に壊れて粉になってしまうものが多く含まれてることになりますが、仮に100㎏の玄米のうち15%が粉になる(使えない)としたら、85㎏の玄米を精米したのと同じことになってしまいます。それでも50㎏の白米が残れば「精米歩合50%」という表示をしてもいいことになってます。

だけど、85㎏を削って50㎏になったんだったら、50÷85=0.5882・・・で本当の精米歩合は約59%なんですよね。006_2

ですから、①のお米でほとんど全部がきれいに白米になった場合の精米歩合60%と、②の精米歩合50%(本当は59%)のお酒が並んでたときに、数字だけで判断すると誤った選択になってしまうかもしれません。精米歩合の数字が小さいほど高品質と思われがちですから。

なんだか細かしい話で恐縮ですが、一部のお酒には精米歩合の表示が義務付けられておりますので、もしラベルなどに記載されてる数字を見つけた場合、この話を思い出して下さい。そして、「お酒の評価は飲んでからにしよう」と、ご自身の味覚で美味しいと感じるお酒、美味しいと感じる飲み方を見つけていただけたら、酒屋としてこんなに嬉しいことはありません。

なお、文中分かりやすく表現するために大雑把な部分があります。『マイタのブログ』を見て下さってる業界人の方々にはその辺はあらかじめご了承願います。

あっ そうそう、蔵元さんに断りもなく勝手にラベルの写真載せちゃいましたけど、いい意味での見本ですのでご安心してお召し上がりください。

金鶴は高品質のお酒です。

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