「Jerry's Mash」のアナログ人で悪いか! ~夕刊 ハード・パンチBLUES~

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「マシュメガネ対談」チャーリー・ワッツとローリング・ストーンズを語ろう(第五回にして最終回)「チャーリーから見えて来るロックそして、ジャズ!」

2021-12-25 19:48:01 | 編集長と副編集長の対談「マシュメガネ対談」

{ 編集長「MASH」 }
今回でチャーリー追悼対談も最後だ!
さあ、今回のお題は……
おい、お前、聞いているか?
《ハウリンメガネ》
♪ファ〜 ファ〜……
{ 編集長 }
む?この音はメロトロン?
《ハウリンメガネ》
♪トゥルトゥトゥ〜 トゥルトゥトゥトゥトゥ〜……
{ 編集長 }
そしてこのメロディ……さては!
《ハウリンメガネ》
♪スタ〜レ〜スエ〜ン……バイブゥ〜ブラァ〜……
{ 編集長 }
おい!メガネ!
今回はチャーリーの話だ!
しっかりしろ!目を覚ませ!
(ビシッ!バシッ!)
《ハウリンメガネ》
……ハッ!
{ 編集長 }
目が覚めたか!
《ハウリンメガネ》
申し訳ありません!暗黒の世界に行っておりました!
{ 編集長 }
クリムゾン恐るべし・・・
余韻未だ醒めずか!
《ハウリンメガネ》
いやぁ、申し訳ありません……
やっぱりねぇ、目の前であんな強烈な演奏が
日々繰り広げられると……ね!

(詳しくは彼のライブリポートを ↓ )

https://blog.goo.ne.jp/12mash/e/da7d09050a49e6e18f981ed2b0fbeb7d

{ 編集長 }
好きなのは分かるけどしゃんとしてくれよ!
今日はチャーリーの話、しかもラストだろ!
《ハウリンメガネ》
いや、大丈夫!ちゃんとお題は覚えてる!
今回は……「チャーリーとジャズ」!
{ 編集長 }
おおっ、急にビシッと来るな!
《ハウリンメガネ》
やはりチャーリーを語る上で彼のルーツであり、
ライフワークだったジャズは外せません!
{ 編集長 }
その通り。
やはりヤツにはスーツが良く似合う!
《ハウリンメガネ》
そもそもの話、チャーリーもそうだけど、
昔も今もドラマーってジャズ好きな人、多いですよね。
ビル・ブルフォードもそうだし、
ボンゾもジーン・クルーパがフェイバリットだったり。
{ 編集長 }
デッドのミッキー・ハートも元々クルーパに憬れ
軍隊でドラムをみっちりヤッタ口らしいぜ。
《ハウリンメガネ》
いや、もちろんジャズそのものが面白いのは大前提なんですけど、
それでもドラマーのジャズファン率、高くないですか?
{ 編集長 }
お前もドラム叩くくせに今更何を言ってるんだ?
ドラムのツボって絶対ジャズだろ?
ロックドラムの「楽勝感」と違って
自分のスキルやイマジネーションを極限まで高め
しかもインプロビゼーション(即興)で叩く!
ジャズドラムはそんなカッコイイ境地じゃないか!
《ハウリンメガネ》
そうか、確かに!
しかも、そもそもの「ドラムセット」ってパートの始まりがジャズですもんね。
ドラムスとジャズは切り離せない関係である、と。
{ 編集長 }
当時はバンドと言えば「ジャズ楽団」でしょ?
だからこそ、のお話だよね。
ブルースにバンドを付けてマディがプレイしたのって
ジャズ楽団よりも約25年ほど後になってからのお話で
コレがロックの起源なワケだから。
《ハウリンメガネ》
そんなドラマーとジャズの関係ですが、チャーリーの場合、
ジャズに入れ込みだしたきっかけはチャーリー・パーカー……
ややこしいから愛称の「バード」と呼びますか。ですよね?
{ 編集長 }
そうだね!
バードをモチーフにしたアルバムも出してるくらいだからな!
《ハウリンメガネ》
はいはい、チャーリーがバードをモチーフに絵本を作り、
さらにその絵本をモチーフにしてチャーリーが作った、
ジャケットの絵がすごくキュート!なこちらのアルバムですね。
「マトリョーシカか!」とツッコみたくなりますが(笑)。
{ 編集長 }
正統派ジャズをシッカリと
しかも上品にプレイしている名盤だよ!
《ハウリンメガネ》
これはいいですよね。クリスマスにもgoodだし!
バンドのまとまりはもちろん、
チャーリーのドラムの音が素晴らしい。
まあ、このアルバムに限らず、
チャーリーのアルバムはどれも音が凄く美しんだけど。
{ 編集長 }
バードに対して
「これほど思い入れが強かったのか!」
と当時驚かされたよ!
プレイは本当に当時だと時代錯誤とも言える
「真正面からのジャズ」だしね!
《ハウリンメガネ》
シンバルワークの繊細さもそうなんだけど、
フィルでの太鼓の余韻、アンビエンスが凄くいいんですよ。
ドンッ……って感じの音で、手数じゃなくて響きで聴かせる、
という。
{ 編集長 }
チャーリーって
「ストーンズでは我慢しているんだなぁ・・・」
って俺は当時聴いて思ったよ。
《ハウリンメガネ》
ストーンズだと他の音にマスキングされちゃって分かりにくいですけど、
「ああ、チャーリーはこういうプレイができるからストーンズでああ叩くのか」
ってのが分かりますよね。
{ 編集長 }
前にも言ったけれど
やっぱりキースのギターが有って、
ミックの声と歌唱でしょ?
その中で自分なりに出している部分も
有るには有るんだけれど、
やっぱり本領はジャズになるんだと思うよ。
《ハウリンメガネ》
そんなふうにチャーリーが敬愛してたバードの
直弟子であるマイルス・デイヴィスも
チャーリーがリスペクトしていたジャズマンですよね。
まあ、ジャズファンだったらマイルスは避けられないというか、
ジャズを掘ろうとしたら絶対に通らざるを得ないのがマイルスですから、
チャーリーがリスペクトしていたのは当然ではあるんですが。
{ 編集長 }
「ビートルズはノー、マイルスはイエスだ」だからね!
《ハウリンメガネ》
まあまあ、そんなに不貞腐れんと。
しかし、どうだったんでしょうね?
チャーリーはどの時期のマイルスも好きだったのかしら?
世代的にはビバップ〜モード期ぐらいがドンピシャでしょうし、
音にもその辺は出てると思うけど。
{ 編集長 }
バードに対してもそうだけれど
マイルス個人や彼の音だけを見てはいないよね。
バンドやトータルを重視していると思うよ。
バードのサイドメンもマイルスのサイドメンも
どの時代も充実していて、好みは有れど
ドラムやリズムは何処も面白いいじゃない?
《ハウリンメガネ》
ふむん。
マイルスってジャズを変革し続けた人じゃないですか。
ビパップからモード、エレクトリック、
晩年にはエレクトロニカみたいなこともやりだしてたし。
{ 編集長 }
俺は「即興の境地」を開拓していく中の
自然な変化だと思うんだがね。
《ハウリンメガネ》
チャーリー自身は
「マイルスやコルトレーンのように音楽を進歩させることはロックではできない」
って言ってましたけど、
面白いことにむしろマイルスはジミとセッションしたがってたり、
マイク・スターンに「ジミみたいに弾け!」って言ってたり、
ロックを面白がってましたよね。
その結果がエレクトリック・マイルスに繋がったり・・・
まあ、あれはJBの影響もあるけど。
{ 編集長 }
最初に言っておきたいんだけれど
チャーリーの言うロックってあくまでも
自分たちストーンズを代表とする仲間のロックを指すと思うんだよ。
君の言ったジミはバディ・マイルズとジプシーを組むでしょ?
あれでジャズ的フィールを取り入れて、
クリームのアドリブ部を拡大させた解釈で
「どうだ!」と世に問うも、レコード会社からも理解されないワケ。
結局セールスが見込めない盤は作るな!プレイするな!ってさ。
逆にマイルスはコロンビアレコードで何やっても良かったのよ。
もう固定ファンしか買わないし、大御所だし、さ。
もっと言うと「ロック取り入れる?イイねぇ!」って
会社側も色気出してね。だってロックファンにも売れそうだろ?
《ハウリンメガネ》
だから、チャーリーはそう思ってなかったかもしれないけど、
結果的にロックはマイルスの変革、ジャズ、音楽の変革に
大きく影響してたわけですよね。
{ 編集長 }
そうなんだよね。
実際ジャズ的即興演奏の要素をふんだんに取り入れ
4時間とかのロングステージで人気だったデッドって
ステージが満員でも、盤は全く売れないわけでさ(笑)。
ミックの居るストーンズがあんなステージはやれないでしょ(笑)?
《ハウリンメガネ》
売れない事はしませんからね!ミックは!
しかし面白いですよねぇ。
ジャズはロックのルーツの一つだけど、
そのロックが親であるジャズに影響を与える。
その影響がまたエレクトロニカやヒップホップなんかにも影響して……
ぐーるぐる廻り続ける、と。
{ 編集長 }
マイルスは敏感に他のリズムや音を入れただけで
実際のところ、そこにトランペットを吹くだけ!
でしょ?
例えばエレクトロ音の上で、俺がエレキギターを永遠と弾く・・・
これってオレのバンド「ハイ」の一場面と同じだと思うんだ。
結局は「即興演奏の波をずっと泳いでいた人」なんだと思うんだよね。
《ハウリンメガネ》
なるほど「クリムゾン」然り「デッド」然り・・・
即興演奏を追い求めると音楽はジャズ化するし
ジャズはポピュラー化するわけですね!
そしてチャーリーもストーンズもその円環の中にいるんですよね。
おお!すごくいい着地じゃないですか!
{ 編集長 }
ストーンズの凄いところは
やはり「唯一無二」ってトコロでしょ?
ど素人みたいな連中がシコシコ頑張って
あのサウンドを出し世に問うた・・・
ビートルズみたいに
「そもそものメンバーが奇跡」
というワケではなく、努力の積み重ねだからね。
ありゃぁ「音楽界の七不思議」だよ。
《ハウリンメガネ》
その輪の中に残るであろうと確信できるんだから
やっぱりチャーリーは偉大なるジャズドラマーであり、
ロックドラマーですよ!聴きゃ分かる!
{ 編集長 }
「ストーンズの奇跡」は
メンバーにチャーリーが居たことだと思うよ。
まあ、ブライアンが居なきゃ・・・
とかキースが居なきゃ・・・・
と言う気持ちも分かけれど(笑)
ただ間違いなく「サウンド面でバックビートの安定感」
という点で言えば当時の英国バンドでは
「リンゴとチャーリー」だけだろ?
だからストーンズも残れたワケで、
ジャズ界にも影響を与えるバンドにまで
成長できたんじゃないかな。
《ハウリンメガネ》
そして盤を回せばチャーリーもマイルスもバードも音楽の中で蘇る!
そうやって音楽は残っていくのですね!
{ 編集長 }
そうだね!音楽を残したいよ。
何かと「コストパフォーマンス」とか言って「サブスク」でしょ?
そんなの貧乏性なだけじゃないの?って思っちゃう(笑)。
俺は量より質を取るから、相変らず金を出してイイ盤を買うよ。
《ハウリンメガネ》
編集長のご意見がハードパンチになって来たところで
来年も我々は相変わらずとなりそうですな!
来年度もご愛顧のほど、よろしくお願いします!
{ 編集長 }
そりゃあ、そうだ。
「ハードパンチ編集部」が、同じハ行でも
「ヘボパンチ編集部」じゃあ、話にならないからね!
《ハウリンメガネ》
と、いうわけで
来年度もご愛顧のほど、よろしくお願いします!