準備は万端だった。 昨日一日かけて、準備したんだもん。
社員全員分の、所得税・住民税・給料振込用紙 及び 納付書と手数料分だ。
めっこは、9時5分前に〇〇信用金庫の駐車場に居た。
シャッターが開くと同時に、中に入ったさ。
いたぞっ あの子が。 ご指名と決めていた子だ。
名前は 金● という名字で、よっぽど「金」に縁のある人なのだろうと勝手にそう思った。
「これ、おねがいしますっ! 一応まとめてきました。」 と メッコは誇らしげに バンと袋ごと窓口に置いた。
感じがいい上に、手早い。
メッコは、時計を見つめていた。 何分で終了するかっ!
全ての作業を、15分で終えたね。 さすがだ。
「来月も 金●さん。 ヨロシクお願いしますねぇぇぇ〜。」
「いえ、社内に申し送りして、私が居ないと時でも、大丈夫な状態にしておきますから。」
「いーーえっ! 金●さんでなくては ダメなんですっ」 と メッコ。
どうもありがとー ございましたーぁ の声に送られ、愛車アルト君のドアを開けようとした時・・・・。
「んっ ? ? ?」
「通帳がないっ。」 「へっ? ありっ?」
昨日の事があったので、銀行に行った時は、必ず確かめる事を学習したんだ。 (えらいぞ メッコ)
まさか・・・・。
再度、窓口に行き
「あのぅぅ〜。 アタシ 通帳もらいましたっけ? ?」
「 あっ あああぁ。 よかった。 申し訳ありませんでした。」 と
机の上にあった、渡し忘れた通帳を取ってメッコに差し出したのであった。
そのまま、気がつかず会社に戻らず良かったねぇ。 又、来なきゃならないところだった。
「銀行員」だって 忘れるんだよ。
おしかったねーーー。 渡し忘れさえなかかったら、 金●さん 完璧だったのに。
大仕事を終えて、次は 又 違う銀行 ほら 昨日の件の◇◇銀行に行かなければならない メッコだった。 ヤダけど。
窓口に 昨日のあの子がいた。
「いやーぁ 昨日ね、多分 私が書き間違えたんだと思うんけど・・・。
千円札が欲しかったのに、五千円札がいっぱい来ちゃったのよ。 おかしーな。ちゃんと書いたはずだったんだけどね。
きっと、勘違いして書いたのよね。 私 」
とか言うと・・・・。
「お調べしますか? ちょっとお待ちください。」
かのじょ 昨日の用紙を持ってきたんだ。
・・・・するとっ。
やっぱし、五千円札の欄に 30万と書いてたんだね。
君を疑ってて ゴメンよ。 ゆるして。 まぁ そういう事もあるぢゃんか。
そして、昨日の五千円札30枚を、千円札 300枚に両替してもらった。
手数料の324円は、メッコの自腹で出した。 だって メッコのミスだもん。
全て すっきりさせて銀行を出て、車の中で一息ついてたところ・・・携帯が鳴った。
「◇◇銀行の窓口 ××と申します。先ほどはありがとうございました。」
「実は・・・先ほどの 手数料の事ですが・・・。」
(何だよぉ 又、多く取ってしまったのか?) ← 陰の声
「メッコ様の名字を 書き間違えてしまいました。」
「×田の所を ×口と書いてしましました。申し訳ございませんでした。」
丁度車にさっきの手数料領収書があったので 見てみたら ホントに書き間違えていた。
この子、前も 30と300という数字見間違えて、手数料はいらないって言ったんだよね。
しかも しゃべるのも遅いし。 (←関係ないって。)
思わずメッコは 「ぷっ。」 と ふき出してしまった。
「あーーっハッハ。 ホントだ。 田と口を間違えてかいてますねぇぇ〜〜♪ 」
それが どうしたと言うのだ。 天下に異常なしっ。
「それでは、又のご来店をお待ちしております。 (ガチャン) 」 だってさ。
メッコは 思った。 これで チャラだぜ。
メッコも君を疑ってて悪かったけど、 君も領収書の字を 書き間違えたんだ。
お互いに、いちから スタートを切ろうじゃないの。
しっかし・・・・・
銀行いくたび
なんでこんなに 神経すり減るんだ?
なんとか してくれぃ!