ずーみんのはがき絵七十二候

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はがき絵いろはうた三周目(その6)

2023-11-26 12:31:42 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第六回目、今回は「れ」「そ」、そして「つ」です。

 

 

 

 

『れ』・・・れんこん

 

 

 輪切りにしたレンコンを描きました。レンコンの穴はいくつあるのか気になって、買うたびに数えてみたことがあります。よく見ると大小さまざまな穴が開いておりまして、数は一定していないようでしたが、比較的大きい穴の数は、中心に一つ、周囲に九つというのが多いようです。中心の穴が二つのもの、この絵のように大きな穴と小さな穴が混じっていて、八つ?九つ?それとも十?と数えにくいものもありました。

 書き添えたハングルは「レンコンの穴から未来が見えます」です。

 

 

 

 

『そ』・・・そろばん

 

 

 そろばんの珠(たま)が丸みを帯びています。この絵は中国のそろばんを描いたつもりです。日本のそろばんより一桁当たりの珠が一個多く、梁(はり)の上に五珠が一個、梁よりも下に一珠が五個あります。五珠が二個のものもあるようで、それだと一桁当たりの珠の数は日本のものより二個も多いことになりますね。

 書き添えた言葉は、アニメ映画「紅の豚」で、主人公ポルコ・ロッソが愛機の修理のために訪れたピッコロ社のおやじがそろばんを取り出して「東洋の計算機だ」といっている場面がありましたのを想起して書きました。

 そろばんを楽器として使って一世を風靡したのはトニー谷さんです。知らない方はぜひ検索してみてください。動画も見ることができます。

 

 

 

 

『つ』・・・つくつくぼうし

 

 

 木にとまって鳴くつくつくぼうしを描きました。鳴いているということはオスです。つくつくぼうしが鳴き始めると、もう夏も終わりだなと思ったものです。鳴き声を「ツクツクボーシー ツクツクボーシー・・・」と聞きなしてのネーミングでしょう。近年の温暖化によって夏の終わりごろに気温が下がらなくても、つくつくぼうしは鳴き始めているように思います。気温以外の何かで秋の訪れをわかっているのでしょうか。

 韓国ではつくつくぼうしの鳴き声を「고추 고추 씨알~ 고추 고추 씨알~」と聞きなすそうです。読み方は「コチュコチュシーアーㇽ コチュコチュシーアーㇽ・・・」です。ツクツクボーシーとリズムがよく似ています。意味は「唐辛子の種子 唐辛子の種子・・・」です。


はがき絵いろはうた三周目(その5)

2023-11-19 03:35:22 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第五回目、今回は「か」「よ」、そして「た」です。

 

 

 

 

『か』・・・カブトムシ

 

 

 カブトムシの頭部から胸部をアップで描きました。夜行性なので昼間は寝ています。とはいっても昼間に捕まえたこともあるのですが。

 子どもの頃、生駒山のふもとに住んでいたので、毎日のように山で遊んでいました。夏になるとカブトムシやクワガタムシをよく捕まえに行ったものです。同じ生駒山の中でも、カブトムシを捕まえに行くところと、クワガタムシを捕まえに行くところははっきりと分かれていたと記憶しています。カブトムシがいるところにはクワガタムシはおらず、クワガタムシがいるところにはカブトムシはいませんでした。きちんと「棲み分け」をしているようでした。ところが、色々調べてみますとこの両種にはそのような棲み分けの習性はないのだそうです。私の経験は何だったのでしょう。ちょっと不思議です。

 漢字で書くと「兜虫」、俳句では夏の季語になります。「甲虫」と書いても「かぶとむし」と読みますが、「こうちゅう」と誤読する可能性があるので、「兜虫」と書くのがよいでしょう。

 

 

 

 

『よ』・・・ヨウシュヤマゴボウ

 

 

 ヨウシュヤマゴボウの実を描いて「ようやく秋の気配」と書き添えました。

 在来種のヤマゴボウよりも一般的になってしまった感があります。山間部だけでなく、町なかにも生えています。俳句では「山牛蒡の花」なら夏の季語として歳時記に載っています。帰化植物である本種は歳時記に載っておらず、季語にはなっていないようです。身近によく見かける植物で、はっきりと季節感がありますので、そのうち季語として採用されるかもしれません。

 実を色水遊びなどに使えますが、毒があるのでお勧めできません。血圧の異常低下、心臓麻痺など、おそろしいことが書いてありました。

 

 

 

 

『た』・・・鯛焼き

 

 

 鯛焼きの絵をササっとパスで描いて、その上から水彩絵の具で塗っています。書き添えたハングルは「日本では鯛、韓国ではフナ。」という意味です。

 説明します。韓国にも鯛焼きが売られています。日本のより少々小さ目で、中身はやはり小豆餡です。この菓子を韓国語で「붕어빵(プンオパン)」といいます。直訳すると「フナのパン」です。つまり日本で「鯛焼き」と呼んでいる菓子を韓国では「フナのパン」と呼んでいるのを面白く感じたわけです。

 日本の鯛焼きは小豆餡だけでなく白餡、抹茶餡、ずんだ餡、チョコクリームやカスタードクリーム入り、タピオカでんぷんを使った白い鯛焼きなど、種類が豊富になっています。また韓国には鯛焼きの形をしたアイスクリームがあります。最中アイスの鯛焼き版ですね。日本でも売られているのを見かけましたが、韓国が先ではないかなと思っています。


夢六題(その2)

2023-11-13 02:40:17 | デザイン書芸

 一つの文字をいろいろにデザインして書いたものを集めて並べてみると新たな発見があって面白く感じたので、今回は「夢」という字を並べてみます。2回目です。

 デザインした文字ははがきに書いて、ある方に宛てて送ります。するとその方がご自分のブログにアップしてくださるという仕組みになっています。ずいぶん回りくどいようですが、書いた文字を一度投函して「旅をさせる」ことが面白く感じますのと、各地の郵便局に依頼して風景印を押印してもらうという楽しみもありまして、このようなことになっています。

 

 

 

 

 

 『夢7』 2019年10月

 「夢の中なら僕はスーパーマン」

 

 

 

 

 

 『夢8』 2020年6月

 「ひとりなりゃこそ 涙も流す せめて見せたや わが夢を」

 

 

 

 

 

 『夢9』 2021年11月

 「心の中 いつもいつも描いてる 夢を乗せた 自分だけの世界地図・・・」

 

 

 

 

 

 『夢10』 2022年2月

 「2月の夢をおくります」

 

 

 

 

 

 『夢11』 2023年4月

 「この世はすべて春の夢の中 さらに夢見るが如し・・・」

 

 

 

 

 

 『夢12』 2023年8月

 「生とは何だろう 生きるとは何だろう・・・」

 

 

 

 

 同じような文字にならないように気をつけて書いています。筆や用紙、技法などを変えて色々試して書くのが楽しいです。

 「かすれ」や「墨はね」、「にじみ」、「墨抜け」などがあった方が「景色」になっていい感じになることが多いです。運筆の速度で線に表情が出るのでいろいろ試しています。


はがき絵いろはうた三周目(その4)

2023-11-03 07:30:38 | 日記

 今までに描いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズも三周目に突入しております。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばします。「を」と「ん」で始まるはがき絵もないだろうということで、一周あたり四十四作品を紹介できると思っております。

 三周目の第四回目、今回は「ぬ」「る」、そして「を」をとばして「わ」です。

 

 

 

『ぬ』・・・ぬいぐるみ

 

 

 クマのぬいぐるみ、いわゆるテディベアというのを描きました。書き添えたハングルは「고구마?(コグマ?)」です。その意味は「さつま芋?」になります。韓国語でさつま芋を「고구마」と書き、「コグマ」と発音するのです。これを初めて聞いたとき、おもしろいなあと思いました。かわいい子熊がさつま芋を食べているイメージがわいてきました。それも焼き芋を両手で持って食べている姿です。

 さつま芋のことをコグマというのだ、ということを初めて知ったのは、韓国旅行の際に食堂で出された、見知らぬ野菜の小皿を指して「この野菜を韓国語で何と言いますか?」と尋ねたところ「コグマ」という答えが返ってきたことからでした。芋ではなく、さつま芋のつるをサッと炒め煮にしたもの(ナムㇽ)で、見た目で「フキかな?」と思いましたが、食べてみるとフキではないようなので、尋ねてみたのです。持っていた電子辞書で調べてコグマ=さつま芋だとわかりました。私にはさつま芋のつるを食べる習慣がなかったもので、この野菜は何だろうと思ったのも無理はありません。さつま芋のつるを調理するのは下ごしらえというか、薄皮をむくのが面倒だそうです。その後何度か、おばさんが数人でおしゃべりをしながらさつま芋のつるの皮をむいている光景を目にしました。時間と手間のかかる作業も楽しみながらこなしている感じですね。

 「ぬいぐるみ」「テディベア」などは季語ではありませんが、「さつま芋」は秋の季語です。これはおそらく芋が収穫できる時候なのでしょう。私がさつま芋のつるを調理したものを食べたのは真夏でしたが、「芋蔓(いもづる)」も調べてみると秋の季語に載っていました。なお「焼き芋」になると冬の季語です。

 

 

 

『る』・・・ルアー

 

 

 はがき絵いろはうた三周目(その1)で紹介した「ローファー」の絵と同じで、この絵はお絵かきのチャットゲーム「あつまれ!おえかきの森」の中で「おえかき投稿」したものです。「相方」なる人と合作しています。この絵を描くにあたって参考にした画像はパーム社製のヤマメ釣り用のルアーでしたので、渓流釣りの「渓」の字をデザインして書き添えてあります。絵の部分はそのままに、文字だけをいろいろ書きかえることもできるので楽しんでいます。

 

 

 文字を「山女」に書きかえたバージョンです。ルアーが紙箱か何かに入って売られている、その商品ロゴというようなイメージで書いてみました。文字の「かすれ」を「消しゴム機能」を使って後から作っています。実際の書では、文字を後から削って細くしたり、かすれさせたりなどは絶対にできないので、とてもおもしろいです。

 「ルアー」は季語ではないと認識していますが、釣りはその狙う魚種によって季節感がありますね。ちなみに「山女」は夏の季語になっています。ただ、夏以外の季節にも山女は釣れたりしますので、山女を詠んだ俳句の中には、他の季語とともに一句をまとめた、いわゆる「季重なり」の句も見受けます。

 雪代の山女に熱き酒を注ぐ    陣野 今日子

 この句の「雪代」は春の季語、「山女」は夏の季語、「熱き酒」を「燗酒」とみれば冬の季語です。この句の場合、雪どけの頃、山女の骨酒や身酒をいただこうという趣とみて、私は春の句として味わいました。

 

 

 

 

『を』をとばして・・・

 

『わ』・・・わさび

 

 

 山葵(わさび)の根の部分を描きました。

 刺身が好きでよくいただきますが、ワサビは欠かせませんね。できればこの絵のような山葵の根を鮫皮のわさびおろしですり下ろして使いたいものですが、経済的な理由から毎度そういうわけにも参りません。たいていはチューブ入りのものを使うことになるのですが、パッケージに「静岡産本わさび使用」とか「きざみ本わさび入り」とか書いてあって、なかなかおいしく作ってあります。家の冷蔵庫にあるワサビのパッケージに、私の住まいの隣町の住所が書いてあるのを見つけました。ずいぶん近所で作られているのだなと少しうれしくなりました。してみれば、私はワサビの本場に住んでいると言ってよいのかもしれません。きれいな水の流れるワサビ田のイメージを想像していただけるとありがたいですね。実際は大阪(東大阪)の町なかなんですが・・・

 「山葵」は春の季語、「山葵の花」は夏の季語です。「山葵田」「山葵掘り」「葉山葵」「土山葵」「山葵沢」などの子季語も多数あります。葉山葵の醤油漬け、実際には「麺つゆ漬け」ですが、葉山葵が売られているのを見つけたら買って作ることにしています。適当に切った葉山葵に熱湯をかけ、砂糖少々とともにタッパーに入れてバタバタと強く振り、麺つゆに浸した状態で密閉容器に保存するもので、簡単で美味しいです。砂糖とともにタッパーの中で振って痛めつけることで辛味や香りが立つのだと思っています。

 書き添えたハングルは「これが本当のわさびです」という意味です。以前、韓国で刺身を注文すると、粉わさびを溶いたであろうものが添えられていることがあり、この色が少々毒々しい色であることもしばしばでした。最近はワサビも本格的なものになってきているそうですが、そもそもワサビの「ツ~ン」が苦手な人も多く、刺身は葉っぱに包んでコチュジャンで食べるのが一般的だと思います。私の韓国の友人はワサビが植物からできているということさえ知りませんでした。そんな友人に「これが本当のわさびだよ」と描き送ったはがき絵です。