今までに書いたはがき絵をいろは歌に沿って紹介していくシリーズの「二周目」です。現代仮名遣いにない「ゐ」と「ゑ」はとばしましょう。「を」と「ん」で始まるはがき絵もおそらく見つからないと思われます。
二周目の第五回目、今回は「か」「よ」そして「た」です。
『か』・・・かぶと
折り紙の兜を描きました。珍しく英語で言葉を書き添えてあります。「勝ち、そして締めよ あなたのヘルメットを!」つまり「勝って兜の緒を締めよ」ということわざですね。
兜の折り紙は新聞紙で折れば、子どもならかぶることができますよ。大きさを調節できるといいのですが、大人は頭が大きくて入りません。
「子どもの日 イラスト」というワードで検索するとこいのぼりや柏餅、ちまき、熊にまたがる金太郎などとともに武者人形や折り紙の兜も出てきます。「端午」や「子どもの日」、またそれに関連するもの(傍題)は、俳句では夏の季語に分類されています。
『よ』・・・幼虫
カブトムシの幼虫を描きました。コガネムシやカナブン、クワガタムシなど、甲虫類の幼虫はよく似た形をしています。いわゆる「イモムシ」というやつですかね。
俳句で「芋虫」は秋の季語になっています。芋虫が登場する句をいくつか読んでみましたが、たいていが甲虫類の幼虫ではなく、「蝶や蛾の幼虫で毛のないもの」という認識で詠まれたものでした。羽化して成虫になったものでいうと蝶は春の季語、蛾は夏の季語です。カブトムシは漢字で兜虫または甲虫(これでカブトムシと読む)と書いて夏の季語です。
二十四節気のひとつである「啓蟄」という文字を書きました。「陽気地中に動き、縮まる虫穴をひらき出れば也」をハングルに訳してさらに書き添えてあります。
「啓蟄」は韓国では「驚蟄」と書くようです。この作品を韓国での作品展で展示していたところ、漢字が違うと教えていただきました。2014年8月のことです。
『た』・・・タンポポ
タンポポの絵を描いて「蒲公英」と書きました。これで「たんぽぽ」と読みます。春の季語です。タンポポの綿毛も春の季語で、絮(わた)という字を使うことが多いようです。
ハングルは「”씩씩하게 사세요‘’ 라고 가르처 주는 꽃이 있습니다.」です。和訳しますと「『強く生きよ』と教えてくれる花があります」というところでしょうか。「씩씩하다」を「強い」と訳してみましたが、「はきはきしている」とか「元気がよい」「凛々しい」「頑健だ」などの意味もあるようです。
知人に手伝ってほしいと頼まれて、タンポポの根を掘ったことがあります。地上部分は小さくても根は1メートルぐらいあって、大変だったことを思い出します。強さの秘密はこの辺にあるのでしょうか。