上 奈良、頭塔 下 備前、熊山
今日は大晦日、大過なく1年を過ごせた事で、善しとしましょう。
前回の記事が10月だった事を知ると、刻の過ぎ行く早さに唖然としてしまいます。
観光地が正月モードに入る前に、以前より気になっていた吉備路を旅してみました。
「桃太郎伝説」の地、そこでの「鬼」なるものとの遭遇が興味の第一という訳です。
まず、備前「熊山」へ。水先案内人はやはり「金達寿」になってしまいます。
辿り着いて目にしたその遺跡にちょいと感動、先々月奈良で見てきた「頭塔」とそっくりだったから。金氏は新羅の「方檀式石塔」と述べているようですが、それはともかく実物を目にする事がいちばんだなとつくづく思いました。
その標高500㍍の山城(?)からは吉井川の蛇行がよく見え、また備前焼の故郷、備前市の低い山並みが瀬戸内海に続いていました。
そして翌日、備中の「鬼ノ城遺跡」へ。
今まさに観光開発で売り出そうとしているように見受けられて、少々興醒めはしたものの、そのダイナミックさに圧倒されました。周囲を二時間掛けて巡る位の、この古代の大規模な朝鮮式山城が、1972年5月4日の新聞報道まで知られていなかった、史実から抹消されていたとは驚きである。「吉備津彦の鬼退治」として伝承されていただけとは!
ちょうど発掘に関わっている総社市の関係者と二言三言、多くは埋め戻すとか、観光客誘致もいいけど、そうした経緯は埋め戻さないで、史実と向き合って欲しいものである。