梅雨時のつかの間の晴日、ちょっと出かけて見たくなるものです。
ここからだと常磐道沿いを、渋滞のストレスが無いのでつい選んでしまいます。
新聞の美術館・博物館情報から茨城県立歴史館をチョイス、行ってきました。
歴史館に着いてみると何かいつもと違う感じ。
そう、本日は「歴史館まつり」なのだとか。したがって入場料も無料とのことでした。
そして、三昧塚古墳出土品重要文化財指定記念、企画展「三昧塚古墳と船塚古墳」展が開催初日でありました。
これはラッキー、学芸員の解説付きで一昨年「三昧塚古墳展」以来のお宝を目にすることが出来ました。
三昧塚古墳の目玉の金銅馬形飾付透彫冠を改めて凝視しました。
5世紀後半の前方後円墳だとか、馬と鉄、これが腑分けの鍵なのでしょう。
馬具の取り付け金具が熊本・江田船山古墳のものと同質性があるとのこと、そしてワカタケル鉄剣銘で有名なさきたま古墳群・稲荷山古墳と江田船山古墳の同時代性が言われている今日、ワカタケルと称される雄略帝の頃の常陸を垣間見る思いです。
戟(ゲキ)も展示されていて興味深いものがありました。
船塚古墳の出土品も併せて展示、この古墳は6世紀中頃とか、三昧塚古墳とは半世紀の間がある。
船塚古墳は今城塚古墳(継体帝)と作り出し等、相似形だと言う。
比べると埴輪が一回り大きくなり、円筒埴輪の突体の数も多く朝顔形埴輪も出現する。
なるほど、面白い。けれど、即ヤマト王権、云云かんぬんは、少し間を取りたい。
さて、館を出て、お腹が空いた。今日はお祭り、出店が出てる。常陸牛丼を頬張ってランチに、グットタイミング。
これからはフィールドワークに移りましょう。
霞ヶ浦周辺の古墳の推移は4C勅使塚古墳➡5C船塚山古墳➡5C~6C三昧塚古墳➡6C大日塚古墳・船塚古墳
これらをピックアップしながら巡りましょう。
まず、千代田石岡ICから近い船塚山古墳から。
ここは一昨年も回った記憶があります。なかなか大きな古墳です。
群馬・太田天神山古墳に次ぐ東日本第2の大きさだとか、立派です。
墳丘はブタナの花盛り、この頃よく見る光景です。ネジバナ(モジズリ)も咲きだしました。
隣の府中愛宕山古墳、ここも再訪となります。
さて、ここから三昧塚古墳を目指します。ここは直ぐ探せました。
近くの親子つれが訪れて遊んでいました。そんな光景が似合う場所です。
次の目標、勅使塚古墳と大日塚古墳がなかなか見つかりません。
そして、やっと林の中に大日塚古墳を発見、昔より神聖な場所、猿田彦が祀られていたのですね。
勅使塚古墳は見逃してしまいました。(家に帰って古墳マップで確認)
よくあることです。
霞ヶ浦湖畔を伝って移動、大井戸古墳へ。
ついで、愛宕神社のある愛宕塚古墳を訪ねてタイムオーバー。
今日の古墳逍遥を終了することにしました。
感想は、常陸の国は、筑波山と霞ヶ浦(香取の海)に集約されるのではないか、ということです。
どの墳丘の頂上からも筑波山がよく見え、棺をその延長線の軸線合わせているように見えるし、
縄文海進時の海の侵入を思い、船塚のネーミングを各所に見るとき、そう思えるのです。
穏やかな霞ヶ浦の景色が何よりも心に残ります。
夕景を、そして蓮の花咲くころ、また訪れたいと思うZIOでした。(6/16)