UH-1Y Venom
UH-1Y ヴェノム(UH-1Y Venom)は、アメリカ合衆国のベル・ヘリコプターが同社のUH-1N ツインヒューイをアップグレードさせる形で開発(一部新造)した中型軍用ヘリコプターである。
初飛行から既に30年が経過し、老朽化していたUH-1N ツインヒューイを改造する形で、1996年にアメリカ海兵隊が発表したAH-1W スーパーコブラのAH-1Z ヴァイパーへの近代化改修計画と並行して、近代化改修させたのがUH-1Yである。
並行して行われた理由として、元々AH-1 コブラは、UH-1 ヒューイをベースとして開発された機体であり、当機と共通のコンポーネントを使用する事が可能で、開発・改造コストの抑制を行う事が可能であったこと、そのAH-1Zは、機体の95%が新造という、改修とは名ばかりの新型機で、従来のAH-1・UH-1との互換性がなくなったことから、今度は逆にAH-1Zと共通のコンポーネントを使用するUH-1Yが開発されたと言う事情がある。この試みにより、強襲揚陸艦への搭載に対応した折り畳み可能なブレード4枚構成のメインローター、新型トランスミッション、対電磁波能力、塩害対策、新型光学センサー、T700-GE401C エンジン2基が搭載され、AH-1Zと84%の共通性が付与された。また、コックピットに関しては、大型多目的表示ディスプレイ4つおよび方位計2つずつから構成されるグラスコックピットに換装され、システムもAH-1Zと同一である。その他、UH-1Nと比較して速度・搭載能力の向上が図られ、ヘッドマウントディスプレイでの夜間飛行にも対応している。
当機は2001年末に初飛行を行ったが、AH-1Zの試作機の設計変更により、2005年度会計からの承認となった。その後、2006年にAH-1Zと共に飛行テストが完了、2008年に初期作戦能力を付与され、2009年1月に配備が開始された。今後、2016年までに123機のUH-1NがUH-1Yに更新される予定である。
(wikipedia)