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CH-47 輸送ヘリコプター

2012年04月16日 08時29分26秒 | 防衛省装備

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CH-47 輸送ヘリコプター【防衛省装備】 CH-47 輸送ヘリコプター 【自衛隊の航空機

 

 

 


CH-47チヌーク(CH-47 Chinook)は、アメリカ合衆国のボーイング・バートル社(現ボーイングIDS社のロータークラフト部門)で開発されたタンデムローター式の大型輸送用ヘリコプターである。

配備開始から半世紀が経過した現在でも生産・運用されており、未だに後継機は登場していない。

愛称の「チヌーク」(Chinook)は、北アメリカのネイティブアメリカン部族の「チヌーク族」(チヌック族ともいう)から命名された[出典 1]。アメリカ陸軍では航空機の愛称として、他にもカイオワ(カイオワ族)、アパッチ(アパッチ族)、シャイアン(シャイアン族)、コマンチ(コマンチ族)、イロコイ(イロコイ族)といったように、ネイティブアメリカン部族の名前を愛称に付けている。

 

用途:大型輸送ヘリコプター
製造者:ボーイング・ヘリコプター社
運用者: アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国(アメリカ陸軍)
オーストラリアの旗 オーストラリア(オーストラリア軍)
日本の旗 日本(陸上自衛隊、航空自衛隊)
台湾の旗 台湾(台湾陸軍)
イギリスの旗 イギリス(イギリス陸軍、イギリス空軍)
スペインの旗 スペイン(スペイン陸軍) 他

初飛行:1961年9月21日
生産数:1,179機以上(2009年現在も生産継続中)
運用開始:1962年
運用状況:現役
ユニットコスト:3,500万USドル(2008-2014年の新造48機平均)

 

開発と運用実績

アメリカ陸軍では、有事の際に空中機動作戦を実施するにあたり、地上からの火力支援のために155mm砲を運搬できる大型ヘリを必要としていた。

バートルが1956年に開発を開始し、YHC-1A(後のV-107/CH-46)として提案したが、エンジン出力などが要求を下回ったために採用を見送られた。そこで、エンジン出力を増強して胴体内容積を拡大、さらには最大12.7tの貨物を機体下面の吊下装置で吊下し、移動することも可能としたYCH-47Aを開発、1961年9月21日に原型機が初飛行し、アメリカ陸軍は1962年にCH-47Aとして採用した。CH-47AはM198 155mm榴弾砲と弾薬に加え、砲の運用に必要な兵員を含めて空輸できる能力を持っていた。

1965年からのベトナム戦争で大量に投入され、機体の優秀さを世界に証明した。さまざまな改良を受け現在でもアメリカ陸軍、イギリス陸軍、イラン陸軍(革命前に輸出)、オーストラリア陸軍、リビア陸軍(リビア革命前に発注、革命後に一部の機体が引き渡された)などで使用されている。イギリス空軍ではフォークランド紛争で、アメリカ軍も湾岸戦争で能力を再び発揮した。特に、イラク領内に侵攻した陸軍第18空挺軍団の活動にはCH-47が欠かせないものであった。

日本国内では阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災などの大規模災害の他にスマトラ島大津波、パキスタン洪水被害の緊急援助で派遣された実績を持つ。

 

タンデムローター

CH-47は、前部ローターを左回り、後部ローターを右回りに回転させることで回転トルクを互いに打ち消すタンデムローター機であるため、シングルローター機のようにテイルローターを駆動する分の無駄なエネルギーを消費せず、テールブームも必要としない。

操縦操作は、ヨーペダル、ピッチ/ロール・コントロールスティック、スラスト・コントロールで行い、2つのローターを備えることで、通常のシングルローター機よりも細かな動きが可能になっている。直径は共に18.29mで軸が前後に11.94m離れているだけなので、ギアによって3翔の翼の回転位置を同調させることで干渉を防いでいる。

タンデムローター機の特性上、ピッチ方向への安定性に欠けるため、AFCS(Advanced Flight Control System)を搭載し、非常に高い安定性を得ている。AFCSは2重化されており、1系統が故障した場合でも問題なく飛行できるようになっている。

21世紀以降はローターのブレード数を増やすことで効率向上と低騒音化が試みられているが、ブレード間の隙間にもう一基のローターのブレードが入り込む同期を行っているタンデムローター機ではそのようなことはほとんど行えない[出典 1]。

2009年に、アフガニスタンで従軍記者をしていたベレット・マイケル・ヨンが、ローターの回転する形に発光しているCH-47の写真を撮影した。この現象は、砂漠など砂が多い状況で、チタンやニッケルで出来たローターが回転することで、粒子衝突帯電が連続で発生し、ヘリ本体に蓄積した衝突帯電電荷が、ローターの先端でコロナ放電を引き起こすために起きる[1]。正式な名称は付いていないが、ベレット・マイケル・ヨンはこの現象を、戦争で命を落とした二人の兵士の名前を取って、コップ・エッチェルズ現象(Kopp-Etchells Effect)と呼んでいる[2]。(セントエルモの火)

 

駆動系[編集]

テクストロン・ライカミング社(現ハネウェル社)製のT55ターボシャフトエンジン2基が、後部ローター用パイロンの左右に突き出されて取り付けられ、回転出力はパイロン内の結合トランスミッションでまとめられて駆動シャフトを経由して前後2つのローターを駆動する。このエンジンは、基本となるCH-47Aから最新のCH-47Fまでの5世代で、2,200軸馬力から4,868軸馬力まで少しずつ出力が増した合計7種の異なるエンジンを搭載している。

CH-47Dではトランスミッション系とローターも増加した馬力に合わせて強化が図られた[3]。

エンジンCH-47A T55-L-5(2,200軸馬力)
T55-L-7(2,650軸馬力)

CH-47B T55-L-7C(2,850軸馬力)

CH-47C T55-L-11(3,750軸馬力)

CH-47D T55-L-712(3,750軸馬力)[4]
T55-L-714(4,085軸馬力)(MH-47Eも使用)

CH-47F T55-GA-714A(4,868軸馬力)(MH-47Gも使用

 

アビオニクス[編集]

CNI[編集]

CNI(Communication、Navigation、Identification)に関するアビオニクスは以下のものが搭載された。
無線機CH-47Dへ改修されたアビオニクスの内、無線機については3種がある。VHF/AM/FM無線機はARC-186またはARC-201。HF無線機はARC-199またはARC-220。UHF無線機はARC-164であった。 航法装置航法装置はASN-149(V)GPS受信機、ASN-128ドップラー/PGSセット、ARN-89B ADF(自動方位探知)セット、APN-209電波高度計、ARN-123 VOR/ILS(VHF全方向レンジ無線標識/計器着陸装置)受信機、ASN-43 ジャイロ磁気コンパス 識別敵味方識別トランスポンダーはAPX-100であった[出典 1]。
ASE[編集]

ASE(Aircraft Survivability Equipment)に関するアビオニクスは以下のものが搭載された。
レーダー探知APR-39A(V) レーダー信号探知システムは、対空火器が放つパルス・レーダー波を探知して表示・警告音声を発する。 ミサイル警報ALQ-159パルス・ドップラー・ミサイル警報装置は、敵ミサイルの接近を探知すると連動するM130ディスペンサーに指令してフレアを放出させる。別名ALE-40とも呼ばれるM130は機体各部に4基備わる[5]。
オランダ空軍のCH-47F(NL)はCHASE(チヌーク航空機生存性機器)ポッド内にAAQ-24 DIRCM(指向赤外線対抗システム)を搭載して、接近するミサイルにレーザービームを照射して誘導装置を破壊する。アビオニクス類は操縦席後ろの左側にある電子機器ラックにモジュール化されて収められている[出典 1]。


機体[編集]

機体は初期型から後期型まで基本的にそれ程の変更は行われていない。キャビン内には、背の低いハンヴィーなら2両、兵員なら標準のトループ・シート33名分とエキストラ・シート11名分、または24床の担架を設置できる。

 

機外吊り下げも胴体下の3箇所のカーゴフックで、CH-47Dなら合計11,793kgまで吊り下げできる[出典 1]。CH-47Dのカーゴフックの重量制限は中央が11,793kg、前後がそれぞれ7,711kgであり、前後だけで1つの荷物を吊り下げるタンデムロードの場合には11,340kgになる。CH-47AからCH-47Cの前期生産型まではカーゴフックはシングルであり、CH-47Cの後期生産型から3点式に変更された。


日本日本ではKV-107IIが長く現役だった為、CH-47の導入は諸外国より遅く1986年(昭和61年)からで、CH-47Dの日本向けCH-47Jを川崎重工業がライセンス生産し、陸上自衛隊と航空自衛隊が輸送機として採用した。隊員たちにはC、CHといった通称で呼ばれている。

 


   陸上自衛隊

  CH-47J

 
 CH-47JA

陸上自衛隊では CH-47J 1995年(平成 7年)までに34(JG-52901~JG-52934) 導入。D型の日本向け改修機であり、自衛隊に対応した無線機器等の搭載改修を行っている。エンジンは川崎重工がライセンス生産した T55-K-712 を搭載しており、連続最大出力は 3149 馬力となっている。また、方発停止時の緊急出力は約 4600馬力まで出力が向上している。平成 7年の35号機 (JG-52951) からは川崎の改良型である CH-47JA を調達。大型燃料バルジを搭載して航続距離を1,037kmに伸ばし、GPSIGI(慣性航法装置)、機首に気象レーダー、FLIR をもち、NVG 対応型のコックピットになっていることから、夜間での作戦能力が向上している。これらは第12旅団、第15旅団、第1ヘリコプター団、西部方面ヘリコプター隊などに配備されている。J型の初期に導入された機体から退役が始まっているが、継続してJA型の調達をしており、最終的に全機JA型となる予定である。また、近年の海外派遣任務の増加に伴い、JA型にEAPS防塵フィルター、自機防御装置(チャフ・フレアディスペンサーおよびミサイル警報装置)、京セラとイスラエルメーカープラサン共同開発の特殊防弾板、衛星電話などを追加したタイプの機体が登場している。これらの機体は後部ランプドア、および前方のキャビンドアと非常脱出ドアに 12.7mm重機関銃 M2、または 5.56mm機関銃 MINIMIを搭載することが可能となっている。今後は FADEC搭載型の強化エンジンである T55-K-712A エンジンの搭載が予定されている。20133月末時点の陸上自衛隊の J型と JA型の保有数は 56機。搭乗人員数は 3名(操縦士2名、機上整備員1)+55名。

 


 航空自衛隊

 
  航空自衛隊の CH-47J


陸自機と迷彩模様が違う航空自衛隊では CH-47J が長期間にわたって少数ずつ 20機以上調達された。航空救難団ヘリコプター空輸隊(三沢・入間・春日・那覇)に配備され、平時には主にレーダーサイトへの物資補給に使われ、非常時には救難ヘリとして要救助者の救助や被災地への物資輸送の要となる。陸上自衛隊機と異なる装備として、後脚部に姿勢制御装置と救助用のホイストが挙げられ、後脚の姿勢制御装置はパレット化した貨物の積み下ろしの祭に、後脚の高さを調節することにより、ロードマスターの負担を軽減するものになっている。後期型は胴体脇の燃料タンクが大型化され、航法能力が強化されたJA型に準じた機体とっており、CH-47J(LR) となっている。陸自と同じく初期に導入された機体から退役が始まっている。20133月末時点での保有数は15機。航続距離は約 7トンの貨物を搭載し燃料満載状態で約750km。搭乗人員数は陸上自衛隊の機体と同じ。

 

 

性能・主要諸元[編集]

BOEING VERTOL CH-47 CHINOOK.png
乗員:2名(操縦士、副操縦士)
就役:1963年
全長:30.1m(胴体長15.54m)
胴体幅:3.87m
全高:5.7m(18ft8in)
主回転翼直径:18.3m(60ft0in)
空虚重量:10.185t(22,450lb)
最大全備重量:12.1t(26,680lb)
最大離陸重量:22.68t(50,000lb)
積載能力:兵員30名、または担架24と衛生兵2名。
貨物室:900x230x200cm
発動機:ライカミング T55-L-714 ターボシャフトエンジン×2
出力:3,750hp(2,800kW)×2
超過禁止速度:295km/h(183mph)
巡航速度:260-270km/h(165mph)
航続距離:2,060km(1,280miles)
上昇限度:2,590m(8,500ft)
上昇率:605m/min(1,980ft/min)
http://ja.wikipedia.org/wiki/CH-47

 

 

 

 

 

 

 

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