さいたま市は来年度、小学校1年生から中学校3年生までの全学年に「グローバルスタディ科」(名前からして安倍首相が好みそうです)を導入しようと、今年度から小学校3校と中学校2校をモデル校として「研究」を始めました。内容は英語教育です。2018年度に小学校5年生から英語を正式教科にするという文科省の方針を先取りするものです。
小1からの英語ということで、「小さいうちから英語に親しめば、みんな英語が話せるようになりそう」そう考える保護者の方もいるもしれません。しかし、さいたま市が行おうとしている英語教育は、専門の英語の教師も配置せず、「シャワーのように英語をあびれば英語がわかるようになる」と、ゲームなどを英語でやることがほとんどで、系統的に言語を学ぶものではありません。英語塾に通う何人かの子どもにとっては楽しい時間かもしれませんが、ほとんどの子は何もわからず、ちんぷんかんぷん。中学校入学のときには”英語ぎらい”が増えるのではと心配です。
子どもたちに格差を持ち込み、エリート育成につながる「グローバルスタディ科」。「英語が使える企業戦士」を育てよという財界の思惑も見えかくれします。
市教委が細かなカリキュラムを作り、「評価規準」も示していることは、「教育課程の編成権は学校にある」という学校教育の大前提もくずし、行政が教育内容に介入することになるのではないでしょうか。
相変わらずのさいたま市のトップダウンの教育施策。これに惑わされず、今の子どもたちに何が大切で、どんな力を育てたいかを教師、保護者、市民で考えていきたいですね。
子供格差が深刻になるだけではと思ってしまいました。