ホットな山紀行
登ったばかりの山の感想を写真を主にしてつづった紀行文です
 




下りはやっぱり鬼門??



鳥沢駅のホームから倉岳山、高畑山、大桑山の三山が並んで見渡せますが、標高
でわずかに一頭地抜いてもほどほどの高さにしか見えない倉岳山も、こと
山容の重厚さから比すると他の二つの山を断然しのいでいます。

北面に北東尾根、北尾根、北西尾根を擁しているのが原因であり、麓から
三本の尾根が隆起しているさまは単独峰のおもむきさえ感じられます。

今日は真ん中の尾根に当たる北尾根を登路に取り、北西尾根を下るつもりです。

しょっぱなから北尾根の登山口探しに難儀しました。
ガイドブックに35分と記していますが、1時間もかけてやっと探し出しました。

下畑集落の中に入って車が脇を通り過ぎて行ったのですが、わざわざ途中
からバックして窓から顔を出し“何処の山に行くのか”と
不審げに尋ねられました。

倉岳山と言い“登山道はこの道ではなく反対の方向だ”と返ってきました。

これこれしかじかで今日は一般道を歩くのではなく“北尾根に取り付く道
がこの先にあるはずだ”と答えると“そのような山道は聞いた
こともない”と言い出す始末。

じゃ、取りあえずもう少し先に行って様子を
見てから引き返す、とその場をとりつくろいました。

さらに先へ行って集落のはずれにある民家の玄関先から
畑仕事に向かう地元の人に出会い、やはり同じことを尋ねられました。

私の答えて言う言葉に対して同様な答えが戻ってくると、いやが上にも
疑心暗鬼におちいります。

登山口に向かって見当違いに歩いているのではないか、あるいは登山口は
とっくに過ぎてしまったのではないか、とこの段になってガイドブック
を念入りに読むとやはりこの道しかありません。

ガイドブックを読み流していなければ、何度も
行きつ戻りつつしなくてもよかったのですが、下山道も
この通りで中途半端に締めくくってしまいました。

さて、北尾根の登山口に向かうには集落を抜けて
小さな橋を渡り、すぐ右上の坂道に登ります。

八幡大神宮の右横から山に入りますが、さっき出会った地元の人に
最初からここを示せばよかったんですね。

それでもこの薄い踏跡が倉岳山まで向かっているとは地元の
人だって分からないと思います。

登り始めから薄い踏跡が交差して、右に
行ったり左に行ったりでうろたえ、やっと二基
の祠に出合ってガイドブックの通りであることに安堵しました。

458m点までは枝葉と格闘しながらやみくもに登り、その後
はすっきりした樹木の尾根になります。

何度も急登をつのらせて北西尾根の分岐に出合い、ここから
20分も登れば倉岳山です。

この間の道は伐採も入って登山道らしい登山道になっているのが
怪訝でしたが、その理由は後から思い当たりました。

山頂には30人ほどの人が占め、中には軽装の身なり
で若い人の多いことにビックリしました。

今日は雲ひとつない絶好の登山日和で、もったい
ないほどの富士山にも出合えました。

下山は先ほどの北西尾根の分岐まで戻り、左側に下って行きます。

黄金色の黄葉に染まった美しい雑木林の道はしっかりした
登山道ですが、途中で左側に鋭角に曲がる所があります。

ここではっきりした登山道を見限らなければならない所ですが、このような
道を歩き続けていると容易に気持ちを切り替えることができません。

すぐに変だと察してしっかりした道から尾根の真ん中まで行ったの
ですが、目印も踏跡も見当たらないので引き返し、最初から
ボサボサしたところを歩いていればそのペースで
北西尾根の末端まで歩けたはず、と悔いて尾根に
戻りたいと思った時には下りに下って並みならぬ意思の持ち主
でなければその行動は起こせません。

はっきりした道は沢まで下って石仏に出合い、立っている標識は
穴路峠、鳥沢駅を指していましたが、北西尾根から倉岳山の標示はありません。

2003年版のエアリアマップにもルートを記していま
せんが、今は記載されているのでしょうか。



以下は写真です



雲ひとつない青空(458m点あたりで)



扇山



中腹あたりでは紅葉が鮮やか



倉岳山はいつも盛況



今日の富士山



素敵な雑木林の北西尾根



黄葉の熟爛期は過ぎた


平成19年11月23日 実施
山行詳細

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稜線を越えて草原の先に見えたものは??

今日は、近年整備されたと言う黒岩尾根コースから雁坂峠に登りました。

登山口は豆焼橋の手前らしいいのですが、まず
その橋を探さなければなりません。

別名彩甲斐街道といわれる国道140号線を走って、滝沢ダムのループ橋
を過ぎると雁坂トンネルには15分もあれば着くんですね。

もっと遠いのかな、と思って走行を続け、豆焼橋
に着く頃を見はからって、その際に車を止めて地図を開こうと
思ったのですが、雁坂トンネルの入口に書いてある名称を見落として
有料トンネルの中に入ってしまいました。

いつまでも経っても出口の見えないトンネルの中に
埼玉県、山梨県の県境を記してあるのを見たときには万事休すです。

このまま走れば出口で料金を支払う事になり、目的の登山口に行く
にはユーターンしてまた料金を払って引き返さなければなりません。

ここは覚悟を決めて咄嗟にトンネルの中でユーターン
して事なきを得、その後登山口を見つけ出してその前に登山者用
の駐車場らしいスペースがあったのでそこに車を止めました。

登山靴の紐を締めて車から離れたらすぐ、雁坂峠の方から走って
きた道路パトロールの車が反対側の車線に止まり、声をかけられました。

たまたま通りがかったのか、いやあるいは有料トンネルの中の様子を
監視しているモニターでも見て、さっきの
無謀な振る舞いに憤って追いかけてきた可能性の方が大です。

しかし開口一番に出た言葉は、ここに長い時間車を置かないでくれという
ことであり、それならば、と言うことで
登山者用の車を止める場所を教えてもらいました。

後ろを振り向くと橋の向こう側に白い建物が見え、その場所に駐車場が
備えられ、出会いの丘という所です。

さて、登山道ですが、しばらく林道を歩き、その後落葉
の埋もれている山道を進みました。

山道はどこまでも山腹にあり、緩やかに伸びています。

尾根に乗ったのは雁坂小屋の直前だけであり、この緩やかさ
といい、雰囲気も雲取山の大ダワ林道を連想してしまいました。

雁坂小屋は期間営業のようでして、ここに誰もいないのは
無論の事、雁坂峠に立っても登山者には出会いませんでした。

朝方の快晴が嘘のように草原には冷たい風
が吹いてガスが目の前をひっきりなしに流れており、山の中
の紅葉も終わっている今、一番期待していた
富士山の展望など、この天気ではまったく望めません。

天気予報の快晴を信じて疑わなかったのですが、せっかく
朝暗いうちから家を出発して無駄骨に終わりました。

下山道は昼食を食べながら地図を広げている
間に、ふと思い付いて川又にしました。

この道は峠越えの往還道として、かって交易に利用されたということ
ですが、歩きやすい道です。

突出峠を通過して岩道場の分岐で車の走る
彩甲斐街道に向けて下りましたが、この間の雑木林は
見ごたえのある紅葉でした。

雁坂峠の展望には失望したのですが、今年の見納めのような
紅葉に接して、からくも帳尻を合わせてくれたわけです。


以下は写真です



出会いの丘



黒岩尾根コースが復活する前の古い標識



このような山腹の道がずっと続く



早い時間には稜線もはっきり見えていた



黒岩展望台



雁坂小屋



雁坂峠



水晶山、燕山方面



富士山方面はガスが切れてもこの程度が精一杯



車道に出るおりに見た紅葉



平成19年11月17日 実施
山行詳細


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下ることに失敗した北西尾根を登路に取ったら??

昨日は雨の一日、今日は何が何でも山へ、そして天気予報も雨から
午後には晴天に変わる、と気持ちもはずんだのですが、雲の
合間から青空を覗かしたのは一瞬の間でした。

挙句には山頂に立つ頃に雨が降り出し、すぐ止んでくれたのがせめ
てもの救いでしたが、ガスに煙られっぱなしの山歩きでした。

そういえば今日山中で登山者に会っていませんでした。

紅葉を目的に見頃はどの程度の標高かと物色していたら、この
近辺の山が思い当たりました。

その中で矢平山を選んだのは借りに報いなければならない
存念もあったからです。

矢平山は過去にかれこれ4回くらい登って執心のある山ですが、今日も
含めてこの山頂で一緒になった登山者に覚えがないほど静かな山頂です。

いつも山頂の真ん中にある三角点の標石の上に座って一人きり昼食を食べます。

西側の稜線から矢平山に向かう急登は生半可ではないのですが、そこを
敢えて登る理由は稜線に広がる雑木林の美しさゆえです。

さて、この西側の稜線の肩あたりに取り付いている尾根
が北西尾根ですが、昨年ここを下りに歩いてものの見事に敗退し、途中
で断念して引き返しています。

存念があるとはこのことでして、下山には失敗したのですが、登りに歩けば
大丈夫という、当時の自負を証明してみたかったわけです。

最寄りの駅が梁川駅になり、ガイドブックと地図に首っ引きになって
登山口の瑞淵寺を探し当てたのが30分後です。

林道から塩瀬沢の縁に道を移し、しばらく沢を
高みから見下ろして歩き、その後沢に降りて二股に沢が
分かれている間から上に向かっている尾根がいわゆる北西尾根です。

恩賜林の標石が当面の道案内になり、この間は急登につぐ急登で
道も明瞭ではないのですが、尾根筋を追っていけば高みへ
高みへと尾根が伸びているのが分かります。

露岩のある509m峰を過ぎ、少し下って
から尾根の高みに登り詰めた先にある平坦地で後ろを
振り返ると、下山の場合、ここで今登ってきた道に即座に
足を移せるかどうか考えてしまう所です。

よく見れば小枝にテープを巻いていますが、昨年どうやらここが
尻尾を巻いて引き返した地点のようでした。

肝心の紅葉は矢平山の山頂あたりは色づきが良いのですが、もっとも
気にしていた新大地峠から四方津駅に道を取って下る
山中の雑木林はこれからの様子でした。


以下は写真です



今日の矢平山



塩瀬沢に沿う山道



崩れている山道



北西尾根に取り付いて間もなく



北西尾根の後半あたり



矢平山の間近で見る紅葉・その1



矢平山の間近で見る紅葉・その2



矢平山の間近で見る紅葉・その3

平成19年11月11日 実施
山行詳細


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奥多摩の紅葉も気にはしてみるものだ!!

いつどこの山に行っても何々がちょうど見頃でした、といつも
このように書いて眉唾物と思う向きもあるかも
しれませんが、今日の奥多摩もご多分にもれずに紅葉がその通りでした。

願わくは紅葉を引き立てるのに青空が買って出て
欲しかったのですが、こればかりはどうにもなりません。

天気予報は雲が出るものの晴れマークだったのですが、今日、山の中で
青空を見たのは一瞬の間だけでした。

さて、登った山は蕎麦粒山、そこから防火帯の尾根を歩いて
川乗山につなげました。

何度も行ったことのある山ですので変化を
付けるために一般道をさけて登路に棒杭尾根を歩きました。

奥多摩駅から東日原に向かう定時バスを二台発車させ、さらに
臨時バスを用意するほどの人出でしたが、臨時バス
はさておき、定時バス一台分の乗客は
川乗山の登山口になる川乗橋で降りたはずです。

後一台分のバスの乗客はおそらく東日原まで行って
鷹ノ巣山にでも登るのでしょう。

棒杭尾根に取り付くまでには倉沢林道を40分ほど
歩かなければなりませんが、最寄りの
バス停は川乗橋からさらに東日原に向かって倉沢バス停で降ります。

目の前に倉沢林道が走っており、沢に沿って山の中に
向かっている林道です。

ここで降りた乗客は私一人でしたが、一般の登山道をさけた
場合、こういうことは珍しいことではありません。

倉沢林道に沿う沢は水量が豊富で豪快にしぶきを上げて流れている
のを樹林越しにつれづれに眺めていたら林道の終点など、すぐに着きます。

魚止橋、地蔵橋と渡ってその先の左側に山に入っていく
細道がありますが、それが棒杭尾根に取り付く山道です。

踏跡は最初からはっきりしており、一つ目の道の
分かれ目で山腹に向かっているはっきりした道を進めばよいのか、尾根道
に切り替えるのか、そこがちょっと迷うかも知れません。

ここは尾根道を取って後はひたすら尾根を目指して
歩けば問題はありません。

棒杭尾根という名前から推測すれば、ぶっきらぼうに真っ直ぐ
伸びている尾根ということでしょうか。

今日は棒杭尾根に取り付くまでのページはネットの情報をコピーして
持ってきているのですが、その先はコピーするのを忘れています。

地形図も心得のために持ってはいますが、それらをひっぱり出して
いちいち念も押すところでもありません。

一般道に合流してからも蕎麦粒山までは誰一人登山者に会いません
でしたが、狭い山頂では6,7人が昼食を取っていました。

ここから川乗山まで二時間も防火帯の尾根を歩いて
遠いのですが、10年前に一度歩いたことがあります。

川乗山に着いたのが15時ちょっと前で、さすがにこの時間になると
登山者は一人もいませんでした。


以下は写真です


















平成19年11月3日 実施
山行詳細



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