ホットな山紀行
登ったばかりの山の感想を写真を主にしてつづった紀行文です
 




どうだと言わんばかりの富士山にただ脱帽


二年前の十月に皇太子殿下が御正体山(みしょうたいやま)を
登っていたとは初耳でした。

御正体山には幾つかのコースがあります
が、皇太子殿下は池ノ平から登ったそうです。

車道の終点まで車で行けば数ある
登山道の中でもっとも短時間に登れるコースです。

このコースはいずれ三輪神社からの道に合わさりますが、その分岐
が絶好の富士山の展望台です。

この時節葉はすっかり落ちていましたが、山頂も含めてこの場に立つまで
イライラするほど樹木の幹と枝が風景をはばんで
南アルプス、八ヶ岳、富士山方面はすっきり見ることができませんでした。

青空に映している白い峰々に自然に視線がおもむくので全体にこのような
印象になりますが、必ずしも他の山々の展望もそうだとは限りません。

たとえば丹沢方面、あるいは大菩薩方面などはよく見える場所もあります。

さてこの分岐の地点に南アルプス、八ヶ岳は見えませんが、でかい
富士山はそれこそ目の前で見ることができます。

勘ぐりたくなるのは、皇太子殿下が登るのに合わせて、急遽
富士山の展望台をしつらえたのではないかということです。

さすがにこれはうがちすぎであって、そのことは
この場に置いてある古いベンチを見ても一目瞭然であり、以前からこの
場所はこれまでのいらだたしい展望に憂さを晴らす言わばはけ口のような所です。

樹林の間に窮屈に納まっている富士山をカメラに
おさめましたが、樹木の葉も落ちて気持ちを無聊にする山の中
の風情に目のやり場もないので、この素晴らしい
富士山が今日の山行の唯一の収穫になったことになります。


以下は写真です





道坂トンネルを抜けると、そこは御正体山の登山口だった



木々の葉が落ちて山の中はひっそり、他の登山者もいないのでさらにひっそり




八ヶ岳




皇太子殿下の置みやげ、新しいテーブルとベンチ






今日の富士山は何にましても素晴らしい



平成18年11月25日(土)実施
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あっさりしっぽを巻いて退却した新雪の会津朝日岳


叶(かのう)ノ高手直下の尾根に出ると浅草岳が見える
そうですが、その頃には足元の雪は膝まで埋めてしまうことは
目に見えており、さらに腹立たしいのはガスが山上を覆っていることです。

あてにならない天気予報だと罵ったのは、今朝3時30頃、眠い目を
こすって家を出たからに他なりません。

この時期に会津朝日岳を登るのはもっての
他のふるまいですが、今日ははなから完登は目指していませんでした。

会津朝日岳を登るのにふさわしい時期をヒメサユリの咲く6月頃と決め付け
ているのは、私の持っているガイドブックにそのままならっているからです。

今日は下調べなどと弁解するつもりではありませんが、いい加減な所で
引き返して、それほどの後悔がないのはそのせいもあります。

青空が広がって誘われるままに行けば山頂は無理と
しても避難小屋までは行けたことは予想が付きます。

陽光はあいにく射していませんでしたが、気温は思ったよりも
高く、微風さえ吹いていませんでした。

新緑の時期に残雪を踏むのはこの周辺の山々では珍しくも
ありませんが、無鉄砲に過ぎたことは取りあえず棚に上げて会津朝日岳で
新雪を踏むのは稀な体験かも知れないと、内心ほくそ笑んでいます。

登山口に置いてある登山届けを見ると、私の前には11月5日に登った
58歳の男性が一番最近のもので
あり、朝6時に出発して13時に下山しています。
その前の一人の男性も似たり寄ったりの行程時間でした。

今日私が山に残してきた足跡は、もしかしてこの山では今年最後
の踏跡になるかも知れません。


以下は写真です




イワナ養殖場の近くにある登山口の看板



稜線はガスが覆っている




三吉ミチギの水場




背後(北東の方向)に見える白い頂はどこの山





今朝方まで雪が降っていた様子




寥寥たる冬景色



平成18年11月18日(土)実施




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紅葉はあてはずれ!! 西上州入門の山


樹林の葉の間から覗く空は、隅々まで紺色を広げて
秋空そのものでしたが、稜線で吹く風の冷たさは一足飛びに
冬の到来を告げているようでした。

さて、今日登った山は西上州入門の山としてガイドブックにも紹介されて
いる鍬柄岳(くわがらだけ)、大桁山(おおげたやま)
ですが、コースはろくすっぽ自分で調べもせず、あまつさえ、この両山
ともその名前を、登る間際に知ったしだいです。

リーダーまかせの山行にあいなったわけですが、そもそも西上州のトゲの含んだ
こましゃくれた山々に、かねてから関心が薄かったせいもあります。

この山域の山はせいぜい五つ、六つ程度しか登っていません。

今日の天気は荒れ模様との情報があり、したがって行き場
を失った結果の参加です。

鍬柄山は上信電鉄線の南蛇井(なんじゃい)駅を過ぎた頃から、すぐそれ
と分かる山容が車窓から見えていました。

樹林の海原から円筒状の岩峰が突起し、初めて目に触れる人は
きっとキモをつぶすこと請け合いです。

岩峰の出鼻からさっそく鎖を利用して登りますが、ガイドブックによると
この鎖は100メートル続いているそうです。

岩場のホールドはしっかりしているので特に問題
はないですが、万が一滑り落ちたりすれば一巻の終わりです。

岩峰のてっぺんから西側の鹿岳、荒船山方面がすっきり見え、反対側に
大桁山がすぐ手の届く位置にあります。

いったんこの岩峰を降り、岩峰の左側を回りこんで
尾根伝いに大桁山に向かえるルートもあり
ますが、ここはリーダーの計画書の通り登山口まで下ります。

しばらく林道を進んで山の中に道を変え、参道まがいの広い道から
階段状の急登を登ったらあっさり大桁山に立てます。

大桁山から伊香保方面の山々は見えていましたが、妙義山は中途半端に
姿を出していました。

この山頂の木々は数年ごとに伐採される様子ですが、現在はほぼ樹林に
覆われているといった状況です。

今日登った二つの山は全山植林によって占められ、紅葉を楽しむ
には、はなはだもって場違いの所に来たことになります。




以下は写真です




絵柄のユニークな上信電鉄の電車



鍬柄岳の鎖場……スリル感が出ていませんが、実際はもっと怖い




荒船山は分かりますが、鹿岳は写っているのかしら




大桁山





どこに道がある?鍬柄山を下から見上げる




大桁山の山頂はこんな所



平成18年11月12日(日)実施




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昨年は天気が悪くて中止の憂き目に遭い、今年も同じ時期に計画
しましたが、二日間とも晴天でした。

紅葉の色づきはいまいちの様子ですが、これも
人それぞれの感じ方があって、案外とそうでもないという人もいたり
して、その人の心の向きに反映しているように所がありそうです。

端的に言ってしまえば幾ら美しい物に触れてもその時の
心情の移ろいでどのようにでも見えてしまうことがあります。

さて今回の山行はチャレンジランド杉川に宿泊して前日に木六山に
登り、昨日は日本平山に登りました。

いずれも新潟県下越の川内山系に属する山であり、どちらの山も
紅葉の時期が登山の適期だと勝手に決め付けています。

と言うのは新緑の時期も甲乙付けがたい魅力があるとは思い
ますが、難題はいずれの山もその時期にヒルの対策が必要です。

どのように対策を施しても、ヒル一匹でさえ
身にまつわりつくのは真っ平ごめんです。

だいいちヒルという生き物を見たことがないのが決定的ですが、ある
映画を通して想像をふくらましたのも原因のひとつです。

丹波哲郎がアメリカの映画に出演した役柄で、確かゲリラの主導者の役だった
と思いますが、敵方に捕らわれた時のことです。

上半身裸のままジャングルの中から連行されるのですが、歩いている間に数匹
の大きなヒルが上半身にからみついて身体が
真っ黒になり、そのまま放置されていたことが目に焼き付いています。

チャレンジランド杉川についてですが、中に入ると暖房がよく効いて
これだけでも嬉しくなるような施設でした。

今から思うと女性の方に大いに迷惑をかける
ことになると思いますが、美味しいものを作ってもらって
食べるべきだったと、後で振り返って残念に思いました。

山については木六山が始めて登る山ですが、どうだと
言われても困るというのが本音です。

紅葉が今ひとつと書いたのは上記の通りであり、ここは
尾根にイワウチワの葉をたくさん見ているので、ヒルに
こだわらなければ春の花の時期もいいと思います。

カタクリも多いそうです。

日本平山は今回で二度目であり、もう来ることは無いと思います。
山頂は潅木が茂ってその広さは想像できませんが、残雪期に登れば
その広さは運動会も行えるほどだとネットの情報にありました。

日本平山は早出川ダムの息を呑む峡谷の美しさと尾根上の
明るいブナ林がハイライトです。



以下は写真です


ヒルなんか取るに足りない!花の木六山




色づきがいまいちです



紅葉した木々の下でたたずむ




グシの峰から木六山を見る



あでやかな紅葉の下を歩く




グシの峰の南面は切れ落ちたスラブ




ニセピークに煮え湯を飲まされた日本平山



早朝に撮ったチャレンジランド杉川の外観・・・ブレています



ダムサイトの駐車場に車を止める




ダム湖の縁に立ってしばし紅葉に見ほれる





山道はもとは鉱山道



千尋の谷




トコヤという場所・・・以前は鉱山跡



山頂の様子




おもむきを変えて





平成18年11月3日(金)~4日(土)実施
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