2010年(H22年)の旧暦8月15日は9月22日で、国の重要無形民俗文化財に指定されている「南薩摩の十五夜行事」が坊津・知覧・加世田など南薩のあちこちで行われます。
十五夜は綱引きなどを行う所が多いのですが、これに向けての準備の作業があり、南さつま市坊津町(ぼうのつちょう)坊 上之坊(かみのぼう)集落では、2010年9月18日土曜日に、「火点ぼし(ひとぼし)」が行われました。
私は去年の十五夜時は坊津の「泊の十五夜踊り」と「上之坊の綱引き」は拝見していたのですが、今年初めて上之坊の「火点ぼし」を見ることができましたので報告させていただきたいと思います。
薩摩半島の南端の坊津へは、高速道路を使えば、我が地元姶良市加治木町から2時間以内で行けます
今年度から坊津の4つの小学校が統廃合されました。
遠い地区の子らはスクールバスで通学しているそうです。
坊津の観光案内版に「火とぼし」の写真が載っていました
日本三大津の一つと言われる坊津はリアス式海岸が連なり、上之坊も山と海に囲まれた自然豊かな地区です。
鹿児島市から225号線で枕崎市まで南下し、枕崎から海岸沿いの226号線を西向きに走っていくと、坊トンネルがあり、トンネルの手前が上之坊地区です。
16時過ぎに到着し、このトンネルの手前で山手を見ると、それらしき準備をされている方々が見えました
恥ずかしながらも、近づいていき「こんにちは~」と挨拶し、見学をさせてもらいました
年配の方々は縄を編んでいました。
かなり長くて大きな綱を口説き歌を歌いながら、引っ張り合い練っていました。
軽トラに積んで運んでいかれました。
ツナネリ動画
(拡張子「.3gp」ファイル)
パソコンでブログ上の動画を再生する際、Adobe Flash Playerが必要です.
さきほどの綱よりは少し短めのものが数本あり…
茅を綱の真中に積んでいきました。
そして綱で茅をしばり、両サイドから引っ張り合い締めていきました。
年長者が作法や作り方を指導されていました。
準備の段階から力仕事です。
できたもの(おそらく番茅)を軽トラに積んで集落の方へ運んでいかれました。
これを5個ほど作っていたでしょうか
カメラマンも次第に増えてきましたが、やがてもう少し山手の火を回す所へ移動していきました。
火とぼしの場所に既に待機しているカメラマンの方々。
この岩がゴロゴロしている所で火をまわすとのこと。
去年の綱引きに続き参加させた我が次男(小1)
「蚊にかまれるぞ~」とカメラマンの方々に心配されていました(汗)
…そうなんです。火とぼしの場所は山の中なので、地元の人やカメラマンの方々は長袖、長ズボン、軍手など完全防備の方がほとんどでした。
短パン、半そで、草履の軽装は私と次男のみ!!
蝉がミンミン鳴いていました…
火をまわす場所からは港が見えました。
ということは港側から火とぼしが見えるのでしょうか?
火とぼしは19時ころの暗くなってからとのことで、まだ1時間以上時間があり、蚊にかまれるのもつらいので(笑)、山を下り海側の集落の方へ行ってみました。
先ほど作られた茅を束ねたものが門松みたいに立てられていました。
たぶんこれが綱引きの綱の材料となる「番茅」だと思います。
火とぼしの後に上之坊公民館に運ばれるそうです。
バッタを捕まえた次男
港を見た後、喉が渇いた次男の希望で小さな駄菓子やさんでサイダー買って飲みました
一仕事終えて休息をとる男達。
数十年昔は旧暦8月7日から「茅引き」が始まり、「火点ぼし」をする場合は「晩茅引き」、「火点ぼし」をしない場合は「昼茅引き」と呼んでいたようです。
山野から運んできた「茅」から綱引きの綱を練ります。
青年団が存在した頃は、十五夜の全ての作業を9歳から20~21歳までの男子が作業(女子は綱引にだけ参加することができます)していたとのことですが、現在上之坊に小学生の男の子は数人しかいないので「茅引き」は大人がしているそうです。
「火点ぼし」の場所へ再度行ってみると、ギャラリーが増えていました。
この木の枝は、火の粉を消すのに使うそうです。
地元の少年にいろいろ教えてもらいました。
彼らは中学1年生から参加するそうです。
去年も蕊を被って走ったり、綱引きをしたのだそうです!
上之坊だけの行事なので、翌日学校が休みとかではないそうです。
すっごい運動量なのですが…(ダッシュ数十回後に数十回綱引きですから)
今年はたまたま23日が祝日でよかったですね。
火とぼしが始まるまでの待ち時間の間、長老さんが説明をしてくださっていました。
山の方から松明に火をつけた人らが岩の所まで下りて来ていよいよ「火とぼし」が始まりました!!
火の粉を飛ばしながら大きな松明をゆっくりグルグルと回しています。
ヒトボシ動画
「十四が甘かで火を回せ~」と叫びながら松明を回します。
岩場の下で、子ども等や大人が火の粉を木の枝でたたき消します。
YOU TUBEより 坊津火とぼし
翌日の南日本新聞朝刊の一面に前日の「火点ぼし」の写真が掲載されていました。
さすがプロですね
・・・というかこのようなきれいな火の輪は撮影で得られるもののようです。
火とぼしの後に番茅運びが行われ、9月21日に綱練り、22日に綱引きが行われるそうです。
【南薩の十五夜行事関連記事』
上之坊の十五夜(南さつま市坊津上之坊)2009-10-03
泊十五夜踊り(南さつま市坊津町泊) 2009-10-03
中福良の十五夜ソラヨイ(南九州市知覧) 2010-09-22
鹿児島の祭り・年中行事 目次はこちら
十五夜は綱引きなどを行う所が多いのですが、これに向けての準備の作業があり、南さつま市坊津町(ぼうのつちょう)坊 上之坊(かみのぼう)集落では、2010年9月18日土曜日に、「火点ぼし(ひとぼし)」が行われました。
私は去年の十五夜時は坊津の「泊の十五夜踊り」と「上之坊の綱引き」は拝見していたのですが、今年初めて上之坊の「火点ぼし」を見ることができましたので報告させていただきたいと思います。
薩摩半島の南端の坊津へは、高速道路を使えば、我が地元姶良市加治木町から2時間以内で行けます
今年度から坊津の4つの小学校が統廃合されました。
遠い地区の子らはスクールバスで通学しているそうです。
坊津の観光案内版に「火とぼし」の写真が載っていました
日本三大津の一つと言われる坊津はリアス式海岸が連なり、上之坊も山と海に囲まれた自然豊かな地区です。
鹿児島市から225号線で枕崎市まで南下し、枕崎から海岸沿いの226号線を西向きに走っていくと、坊トンネルがあり、トンネルの手前が上之坊地区です。
16時過ぎに到着し、このトンネルの手前で山手を見ると、それらしき準備をされている方々が見えました
恥ずかしながらも、近づいていき「こんにちは~」と挨拶し、見学をさせてもらいました
年配の方々は縄を編んでいました。
かなり長くて大きな綱を口説き歌を歌いながら、引っ張り合い練っていました。
軽トラに積んで運んでいかれました。
ツナネリ動画
(拡張子「.3gp」ファイル)
パソコンでブログ上の動画を再生する際、Adobe Flash Playerが必要です.
さきほどの綱よりは少し短めのものが数本あり…
茅を綱の真中に積んでいきました。
そして綱で茅をしばり、両サイドから引っ張り合い締めていきました。
年長者が作法や作り方を指導されていました。
準備の段階から力仕事です。
できたもの(おそらく番茅)を軽トラに積んで集落の方へ運んでいかれました。
これを5個ほど作っていたでしょうか
カメラマンも次第に増えてきましたが、やがてもう少し山手の火を回す所へ移動していきました。
火とぼしの場所に既に待機しているカメラマンの方々。
この岩がゴロゴロしている所で火をまわすとのこと。
去年の綱引きに続き参加させた我が次男(小1)
「蚊にかまれるぞ~」とカメラマンの方々に心配されていました(汗)
…そうなんです。火とぼしの場所は山の中なので、地元の人やカメラマンの方々は長袖、長ズボン、軍手など完全防備の方がほとんどでした。
短パン、半そで、草履の軽装は私と次男のみ!!
蝉がミンミン鳴いていました…
火をまわす場所からは港が見えました。
ということは港側から火とぼしが見えるのでしょうか?
火とぼしは19時ころの暗くなってからとのことで、まだ1時間以上時間があり、蚊にかまれるのもつらいので(笑)、山を下り海側の集落の方へ行ってみました。
先ほど作られた茅を束ねたものが門松みたいに立てられていました。
たぶんこれが綱引きの綱の材料となる「番茅」だと思います。
火とぼしの後に上之坊公民館に運ばれるそうです。
バッタを捕まえた次男
港を見た後、喉が渇いた次男の希望で小さな駄菓子やさんでサイダー買って飲みました
一仕事終えて休息をとる男達。
数十年昔は旧暦8月7日から「茅引き」が始まり、「火点ぼし」をする場合は「晩茅引き」、「火点ぼし」をしない場合は「昼茅引き」と呼んでいたようです。
山野から運んできた「茅」から綱引きの綱を練ります。
青年団が存在した頃は、十五夜の全ての作業を9歳から20~21歳までの男子が作業(女子は綱引にだけ参加することができます)していたとのことですが、現在上之坊に小学生の男の子は数人しかいないので「茅引き」は大人がしているそうです。
「火点ぼし」の場所へ再度行ってみると、ギャラリーが増えていました。
この木の枝は、火の粉を消すのに使うそうです。
地元の少年にいろいろ教えてもらいました。
彼らは中学1年生から参加するそうです。
去年も蕊を被って走ったり、綱引きをしたのだそうです!
上之坊だけの行事なので、翌日学校が休みとかではないそうです。
すっごい運動量なのですが…(ダッシュ数十回後に数十回綱引きですから)
今年はたまたま23日が祝日でよかったですね。
火とぼしが始まるまでの待ち時間の間、長老さんが説明をしてくださっていました。
山の方から松明に火をつけた人らが岩の所まで下りて来ていよいよ「火とぼし」が始まりました!!
火の粉を飛ばしながら大きな松明をゆっくりグルグルと回しています。
ヒトボシ動画
「十四が甘かで火を回せ~」と叫びながら松明を回します。
岩場の下で、子ども等や大人が火の粉を木の枝でたたき消します。
YOU TUBEより 坊津火とぼし
翌日の南日本新聞朝刊の一面に前日の「火点ぼし」の写真が掲載されていました。
さすがプロですね
・・・というかこのようなきれいな火の輪は撮影で得られるもののようです。
火とぼしの後に番茅運びが行われ、9月21日に綱練り、22日に綱引きが行われるそうです。
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時間が止まったかのような素朴な漁村といった感じです。
十五夜行事のエネルギーは凄いものがあります!