夕方散歩に出ると、西日がきつい。まだ暑さが残っている。それでも空は高く、うろこ雲も見える。「秋は夕暮れ」にしては早すぎる。西日の入る部屋は、あまり好きではない。オレンジ色の部屋は明るそうで寂しい。「別れ」のオレンジ色だ。ドラマの別れのシーンも夕日が射す部屋が多い。
結婚しているときの最後お住まいは、西日が入る部屋だった。窓が一間半あるので、それは部屋中がオレンジ色に染まる。じっと部屋に座っていて、段々暗くなるのは、秋でなくても寂しかった。暗くなるまで動かずにいたことを覚えている。
「別れがあるということは、生きていること」と言っていた。確かにそうだ。そういえば、ボランティアで有名になった尾畠春夫さんは、何年か前に奥さんが「用事で出かけてきます」と言って出かけたまま帰らないと言う。「きっとまだ用事が終わらないのでしょう」とまだ帰らない奥さんのことを言っている。そういうスタンスはいいかもしれない。朝ドラでは別れが続くようだ。母親(和子さん)と息子(律)の別れのシーン。直接でなく犬のぬいぐるみを通して話をする。最後は「おか~あさん!」だったとツイッターにあった。
岐阜犬でなく何犬を作ってもらおうか。そうしたら、言い残したいことが言えるだろうか。いや、最期くらいきちんとお別れが言いたいのかな。言い切れないほどの感謝の言葉を。オレンジ色の夕日の部屋ではなく、明るい朝日の部屋で。
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