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紅を指す(君に読む物語)

2021-02-02 17:28:49 | 日記

今日は節分、124年ぶりの2月2日の節分だという。節分も立春もなにかピンとこないまま過ごしている。コロナウイルスの影響か暦とは別の時間が動いている気がする。時間が自由な身なのだが、できるだけ規則正しい生活をしようと(無理なくね)思っている。朝食が終わると歯磨き後に、まず化けることにしている。いざ出かけたいというときに、化粧をするのが面倒だからだ。マスクをしても、素顔で外を歩ける年ではない。

化粧の最後に紅をさす。この瞬間が好きだ。「あなたに逢う日のよろこびは・・・」ではないが、なんとなく気持ちが華やぐ。最期までそうでありたいとは思う。仮に認知症になっても。

あの人は私が認知症になっても(誰だとわからなくても)、訪ねてきてくれる気がする。そばで旅の写真でも見せながら話をしてくれるのではないか・・・。そんな時、私は紅をさすような気がする。もし、立場が逆になっても私もそうするだろう。誰だなんてわからなくてもいいのだ。そばで話ができれば・・・。

でも、でも、最期の瞬間、私はあの人の名前を呼ぶような気がする。


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