妄想ジャンキー。202x

あたし好きなもんは好きだし、強引に諦める術も知らない

『あさが来た』14週、ふゆに降る雪、亀助さんのど根性、日本一短いプロポーズ

2016-01-09 16:38:50 | 朝ドラ
『あさが来た』14週「新春、恋心のゆくえ」の長文ネタバレ感想まとめ、その2。


ゆるゆるラブコメ展開かと思いきや、振り返ると神週だったのかもしれません。




誰かが誰かを思う切なさに思わず涙。




関連リンク

『あさが来た』、ロスってる暇はなかった年末年始まとめ

【腹筋が】『あさが来た』前半まとめ4.草生えたあのシーンこのシーン【崩れる】

【化粧が】『あさが来た』前半まとめ3.感動のあのシーンこのシーン26選【崩れる】

【白蛇さんから】 『あさが来た』前半まとめ2.惣兵衛、進化の記録 【スーパー黒蛇ゴッドへ】

【ファーストペンギン】『あさが来た』前半まとめ1、五代くんの名言迷言集【おディーンさん】


『あさが来た』1週~13週他、朝ドラ関係の記事はこちら。
朝ドラ感想記事のまとめ。

他民放ドラマ、NHKスペシャルはこちら。
少々真面目で結構ゲスいテレビっ子の備忘録まとめ。



■正月準備

 

餅屋さんと千代と新次郎はお餅つき。
でもあさは奥でも店でも「いいから座ってろ」と言われて……

 
「そやけどうちのんびり座ってるいうのが得意やあれへんのだす!」

そんなあさに女子衆が「手伝ってください」と声をかけて。
女子衆が若奥さんであるあさに、こんなにフレンドリーにできるのってなんだかいいなあと。

そんなのほほんとした加野屋の正月準備から始まった新年1日目。



■あけましておめでとうございます



「お年玉に使うお金を新しいのに換えてほしいやらいうお客さんまで来はって、大わらわだすわ!」

お年玉はピン札(ていうか新しいお金)ってのはこのころからもうあったんですね。
通貨が変わることがどう庶民生活に影響したか、「なるほど!」と。

 
(小道具さん演出さんはじめ、スタッフの皆さま。今年もよろしくお願いいたします)



■餅詰まらせた姿に胸が詰まる


年越しの明るいムードの中で浮かない顔をしているのが亀助さん。

 

弥七がいい笑顔してるから余計に亀助さんのしょんぼり顔が際立つ。
(多分ここに雁助さんいたらもっと切なくなるんだろうな)

  
「すんません、正月からみっともないことで…」

亀助さんが考えているのは縁談、嫁入りを控えたふゆのこと。
いろんなこと考えてんだよね。

「ふゆに自分の気持ちを伝えたい」とか
「ふゆが新次郎に思いを寄せてるの知ってる」とか
「ふゆとのこの関係を壊したくない」とか。

なにこの涙ぐましい女子力。
餅を詰まらせて落ち込む亀助に胸が詰まる。

 
「頑張ってみたらどないだすのや」

洋傘屋をdisらず、あさなりの立場から亀助をアゲる。

宇奈山藩から玉利家への旅路、それから炭坑での生活……
あさと亀助のふたりが並んで奮闘する姿が丁寧に描かれてきたせいか、じんわりくる。

男女のそれとは違う友情と信頼があるんだよなあ、このふたり。




■ふゆのお兄ちゃん。




ふゆの許嫁と、ふゆの父が現れました。

そんなことは露知らず、亀助とふゆ。
 
「せめて会うてから決めても遅ない……」
「いいや。父の決めたことだす」


ふゆに言葉をかけるも、すでに泣きそうな亀助さん。

「番頭さんいけずだす!」

もう決めたんだから、決心を惑わすようなことはやめてくれと怒るふゆ。

和枝ちゃんや菊さん、よのさんで使われた伝家の宝刀『いけず』がこう使われるとは、
亀助の言葉がふゆにどれだけ刺さったのか。



「おふゆちゃんには何が何でも幸せになってほしいと思てるさかいや」
「わてはあんたのお兄ちゃんやさかい」


泣きそうな顔して言わないでくれよ、亀兄ちゃん……

最初からあさとはつの結婚は決まってたから、朝ドラにありがちな「恋愛関係のあれやこれや」は全部亀助やふゆ、雁助やうめが担ってるんですね。
(五代くんはあえてカウントしない)



■のーこんとろーな五代くん


で、その五代さんは、大阪商工会議所を設立し、大阪商人に大人気。


※五代さまは生物ですので手を触れないでください。

 
あさちゃんを 見つけた !

さえぎられた!




今度こそあさちゃん捕まえた五代くん。
(移動自由の立食形式のパーティーとは、考えましたな)
で、年末のアレを謝罪。


「そやけどあの日はどうにも気持ちをコントロールできへんかった」

えっ?いつもコントロールしてたの?
コントロールしてあのダダ漏れだったの?!


いやまあ…きっと、いわゆる「コントロール」とは違うんでしょうね。
フェアリー世界でのコントロールは違う意味なんでしょうね。



■立役者


新次郎は、といえば年が明けても通常運転。


「商法ホニャラララ~」
「株式ホニャラララ~」


とお仕事をしたくないスタンスは貫くも、亀助とふゆの恋話にはしゃしゃりでます。
なんだその女子力は。

 

ところがどっこい、大阪商工会議所の設立の立役者だったことが判明。
正月の挨拶周りしているふりをして、がっつり営業かけていたんですね。
つまり……

×ただの高等遊民
○営業職もできる高等遊民
◎プレゼン上手の高等遊民。


しかし「新次郎がよく働いている」ことが都市伝説みたいになってるww。




■ぼんくら亭主、こんとろーさん


さてそんな新次郎に対して五代さん。


「ぼんくら亭主だと思ってたのに」

ひっどwww
悪口を英語で言うなんてひっどwww
前にも「なんであんな男を」って言ってたけどひっどwww


澄まし顔で悪口言っても全然コントロールできてないのが五代くん。

 
「うちがいてへんときは、大概ここでお師匠さんとビールを楽しんではったということだすな」

自分のことは棚に上げて何を、だけどもあさは本当に東京でのアレはノーカン。
春場所くらいにしか思ってないのか(だがそこがいい


「私もこう夜になると時々気持ちのコントロールが──」

追い詰められてる新次郎への助け舟なのか、話に入りたいのか、軽く自慢してるつもりなのか、このイチャつく夫婦を邪魔したいのか。
それとも単にコントロールできてないだけなのか。

どれにしても結局全部できてない五代くんが不憫で笑える。(どうしてこうなった)

  

あさ「おい五代、投げるぞ」
新次郎「おい、巾着でそのお面ぶったたくぞ」
五代くん「めんごめんご」


予告のあの悪い顔はこれだったんですね。




■やきもち


 
「堪忍やで。そやけどこれ以上ふゆを道ならぬ恋に引きづり込む訳にはいけへんかったさかい」

あさの大福餅がまあペラペラとヤキモチを焼いて焼かせてる一方。
しんみりと餅を焼くうめさん、その餅を食べる亀助さん。
ベタといえばベタだけど、こういう場面展開大好き。

 
「初めから届くはずのない思いやったんだす」
「やっぱりよう働く男が好きやさかい」


まだ東京が江戸だったころ。
あの橋のたもとで、あさがふゆを見かけて声かけて、亀助がふゆに一目惚れしたところから始まってるんだよなあ……
ほんと亀助ヒロイン。


一方で、ちゃらんぽらん新次郎のよさがわからない、ちゃらんぽらんよりよく働く男がいい、とうめさん。
なんだよこっちも切ないな。
雁助への思慕もつのらせつつ、亀助のまだ見ぬ前途も励ますうめの好プレー。

これもきっと番頭さんたちの働く姿もしっかり描いてきてくれたおかげ。


「うめさん、励ましてくれはっておおきに」

焼いたお餅は飲み込んで、野暮なことも全部飲み込んで、少しつまるけど飲み込んで。
ふゆの幸せをお兄ちゃんとして送り出していかなきゃならない。
わかっててこれだから苦しいなあ。


同じお兄ちゃんでも、次男としての新次郎、お兄ちゃん的存在の亀助。
同じ気持ちのコントロールでも、英語なりなんなりで結局だだ漏れの五代くんと、ぐっと目元と口元を堪えてる亀助さん。
あさたちのシーンとの落差が響く、うめさんと亀助さんのシーン。



■ふゆの想い


 

妾計画の真相がよのさんの口から明かされて。
それがまたふゆの次の動きに繋がって。
(いやしかし、つつかれてた妾問題をうまくストーリーの中で回収したなと)

さらにふゆにお節介を売りつけるでもなく、「お姉ちゃんに言われてるから」でつなげるあさも上手い。
(本当に覚えていたかどうかは気にしない)

 
「うちもやっと居場所見つけたみたいで」
「うち、おなごとして憧れてるお方が2人いてますのや」


ふゆがおなごとして憧れるのははつとうめということが明かされます。
そんな今井の家で居場所を見つけたふゆ。

そういえば最初から一貫して、ふゆははつに憧れてた。
ふゆは最初から加野屋にいるわけじゃない。
最初ははつにお付きの女中、はつの嫁入りや没落していく山王寺屋とともに歩いてきてるんだよなあ……



「うちもおはつ様をお守りしたいて」
「そやけどそれはうちにはできへん事だした」


借金取りから逃げる山王寺屋の一家。
ひょんなことから惣兵衛が勢いよく刃を振り下ろしたあのときにも、ふゆははつの近くにいました。
菊と惣兵衛、お家を守ったのははつ。
そのはつを守りたかったふゆ、か。


でもあの場面をみたら、というよりはつに寄り添って今井家、それから眉山家で生きてきたふゆがあの場にいたら。
それくらいの負い目を感じることは不思議ではないですし、その思いが「うめを尊敬している」につながるんでしょうね。
一家の最初の夜逃げ、谷町のシーンでもそうだったように。



そんなはつの頼みでふゆが加野屋にやってきた。
だからふゆは、朝帰りしていた頃の新次郎は知らない。
ふゆが好きなのは『あさにベタ惚れの新次郎』なのかもしれない。

ほんでもって商工会議所の件で、新次郎が『能ある鷹は爪を隠す』ことが明らかに描かれたときに、ふゆの心情を明かす。
はつを守れなかった悔しさ。
あさへの想い。
許婚を受け入れる決心。
新次郎を諦める決心。
それでも周りからの言葉で決心が揺らいでる表情。

ふゆは今でこそ主要登場人物だけれども、画面の端っこに移りこむくらいのときからふゆの心理描写。
なにはともあれ、ここまで結びつけた脚本と、ドラマ初出演ながら切ない表情を演じる清原さんにパチパチしたい次第。

(→『あさが来た』5週



■せつないふたり


 

最後の思い出を作ってあげてほしいと頼む亀助。とぼける新次郎。

新次郎は「最後の思い出なら亀助が作れ」って思ってるんだろうけど、
亀助はあくまで兄に徹しようとしてるのが切なくてなあ。

 
「どうか思うお方と一緒になられますように」

ふゆは叶わぬ片思いであると同時に、お家のために自分の気持ちに蓋をしようとしているんだ…。
嫁入り前のあさやはつと重なる部分を思い出す。



■新次郎とふゆの思い出


 
「金輪際相撲はとらへん」
  ↑初夜に投げられた人


「嫁入り前の若い娘に裸の男ばっかりぎょうさん見せるのもどないか思たんやけどな」
  ↑あんたの嫁さん、嫁入り後だけど炭坑でほぼ裸の男をぎょうさん以下略

新次郎の身の上話はともかく、ふゆが嬉しそう。



女性や子供に理由なく手を上げていた父に育てられた。
ともすればふゆが山王寺屋が潰れても帰りたくなかったことや、新次郎に惚れてこともつながる。

これまでなかったひどい旦那(でもまだ何かあるか?)の登場で結ぶとはなあ。

とおもったらこれだ。








■美和さん♪あささん♪


新次郎とふゆがそんなことになってるとは露知らず。
お師匠さんのカフェー(レストラン?)に新次郎を探しにやってきたあさ。
そのあさを呼び止めて、「お茶でもどうぞ」とお師匠さん。

 
「まあ嬉しいこと」
「どうぞこれからは美和と呼んどくれやす」


『女友達』のいなかった美和さん(お師匠さん)とあさ。

あさも美和さんほんとに嬉しそう。
あとお着物似合ってる。
(あさちゃんには亀子ちゃんっていう女友達いるんだけど、今当事者なので)



■ふゆに降る雪


 

慌てて帰ってきた新次郎に襟巻きを託されて。
外は雪が降ってるのに洋傘ではなく、襟巻きを託されて。
今のふゆに必要なのは、傘ではなく襟巻き、か。

亀助走る、傘を開かずに走る。
いつだったかの新次郎があさにそうしたように。


亀助が見つけたのは、新次郎の羽織を羽織って泣いているふゆ。
「お妾さんでもいいからそばにいたい」と新次郎に話したことを伝えるふゆ。
しかし新次郎には断られたことを続けて……


「もっと自分に誇り持ってな」

働く女性であるあさと美和さんのあとに、「お妾さん」を選ぼうとするふゆを描くとは……。
仕事に生きるか、恋に生きるか、どちらもとるのか、どちらもとれないのか。


辛すぎるふゆの頼みと、それを断る新次郎の神対応。


 
「よかったなあ。気持ち…伝えられてよかった」

そんな新次郎を超えた亀助の兄としての神対応。

でも亀助の表情と台詞が一致してないのが切ない。
辛いとか悲しいとかじゃなくて、切ない。

ふゆを想ってるからこそ、彼女のために『兄として』の言葉を選んでる亀助が切ない。



亀助が持ってきた襟巻きを巻いて。
新次郎がかけてくれた上着はずれ落ちて。
亀助は戸惑っていて。


ふゆに「気持ちを伝えろ」と言ったこと。
新次郎に「最後の思い出を」と言ったこと。
まさかふゆの涙につながってしまうとは想像してなかったような亀助さん。



■なんかきたぞ。


そんな美しい冬の景色でしたが、目撃者が一人。

 
「あんたんとこの若旦さんに落とし前つけてもらいに来たんや!」


突然乱入、ふゆ父・彦三郎。
若旦那を出せと「え?自分?」と榮三郎存在感主張してくるも大乱闘の予感。
騒ぎを聞きつけたあさ大関も乱入。

 
「さすが炭坑買ったっちゅう悪名高いおなごはん怪獣さんや」

それにしても波瑠さんの「はぁ?」が気持ちいいです。
五代くんの気持ちが少しわかる。



■ゲスの極み親父


へタレ洋傘屋の暴言。


「わてはそない尻の軽い女、嫁にする気あらしまへん。」

これに怒った亀助が障子バーン!

 
「ほんまは全部わてが悪いんだす」
「悪いのはうちなんだす」


亀助さんもふゆちゃんも、そらゃ隠していたことや時代的に不義理なことはわかるし、
謝りたい気持ちもわかるけど……
お互いがお互いを守ろうとしているようにしか見えなくて。

ふゆは頭を下げて謝るも……

  
「何の取り柄もないゆうのに、男に媚び売ることだけ覚えよって!
これやからおなごはあかんにゃ!この親不孝者が!」


手ぇ上げよった……
なんつーゲス父……


「これやからおなごはあかんにゃ」とふゆに手をあげる彦三郎。
怯えるふゆと睨みつけるあさ。

これまで正吉さんや忠興パパ、栄達さんなど、『理解のある旦那様』が描かれて。
『柔らかい女子の力』を描いたきただけに、このゲス父の一言の重みがズッシリと。


もちろん黙ってみているわけではないあさ。


「叩いても、大声で罵っても、人は心を改めたりはしまへん。怖がるだけだす。」
「本気で思う心しか人の心には届かへんのだす!」


あさは確かに忠興パパに「こら!あさ!」とおいどを叩かれていたけれど。
忠興さんはそこにきちんと親の愛を込めていたし、それはあさもきちんとわかったいた。

でもふゆは違う。
多分「理由なく」「八つ当たり」みたいに暴力を振るわれていたのかもしれない。(もちろんそんな描写はないので妄想ですが)
それは3週末にはつを突然蔵に閉じ込めた菊さんに似てるのかもしれません。

同情的な目で見るとすれば、ふゆ父も時代の変わり目に人が変わってしまったのかもしれない。
でもだからといって、それが許されるわけがない。
ふゆは実家から逃げて今井家で居場所を見つけて、加野屋で生き生きと働いて。
奉公に出されて幸せな場合もあるのだなあ、としみじみ考えたシーン。




■ふゆを、守る


ふゆに手をあげる父親。
加野屋の面々が驚く中、亀助が大きく「やめなはれ!!」と。


「わてやったらな、どないなことがあっても惚れた女は必ず守ります!」
「男いうのはそういうもんだす!」



「頭下げてるかよわいおなごに手ぇ上げるやなんて、そんなん身内でも親でもなんでもあれへん!」
「ふゆは…大事なわてらの身内だす。どうか帰っとくれやす」


立ったままで動こうともしない洋傘屋を怒鳴りつける亀助。
ゲス父からふゆを守るべく立ちはだかる亀助。

はつを守れなかったことを悔やんでいたふゆに、この言葉は嬉しいだろうな。
亀助さん、今日はあんたがヒーローだよ。



ふゆ父をにらみつけるあさも亀助さんの姿、炭坑時代を彷彿とさせる。

亀助さんはずっと見てきたんだ。
覚悟を決めて、大事なものを守ろうとしていた人たちの姿を。


とはいえ簡単に帰ろうとはしないのがゲス役というもの。


「今日のわては負けしまへんで!」

炭坑であさが言葉で説得しようとしてうまくいかなくて。
ピストル出してもうまくいかなくて。
相撲で勝負つけたらみんなついてくるようになって。

その流れを亀助さんに凝縮しているみたいだ。


大きな物音がしてやっと駆けつける新次郎。



うん、これが新次郎らしい。
この場にいても亀助やあさに加勢するとは思えない(むしろ真っ先に投げ飛ばされそう)

新次郎も亀助も、ゲス父も。
「こういう人物は、この場面でこういう動きをするだろうな」「こういう言葉がでるだろうな」というのが、とても自然だったからなんでしょうか。
新喜劇さながらのドタバタシーンの中にも自然な流れを感じました。


しかしゲス父役の上杉さん、嫌われる役で実際に嫌われるとは、役者としてはガッツポーズものなんだろうな。
ありがとう、木岡のおっちゃん。




■日本一短いプロポーズ


そんな大乱闘のあとで。

 
「そやけどもうここにもいてられしまへん」
「番頭さんに頂いた言葉がこれからようちの宝だす」


加野屋を去ると話すふゆ。
何もふゆは悪くないんだと亀助は説得しようとするも、譲ろうとしないふゆ。

確かにふゆ本人も言っている通り、新次郎に思いを寄せてしまい、告白までしてしまい。
お世話になっているあさたちに対して「恩を仇で返す」ような真似ではある。
(そのあとの父乱入はふゆは悪くないけど)

ふゆが道理をわかっている子でよかったなと思うと同時に、その真面目さが切ない。
そんなふゆに亀助はついに……

 
「よ…!」
「嫁になってくれへんか?わてのお嫁さんになっとくなはれ!」


 
「お…!」
「お嫁さんにしてください!」


よかった。
亀助が思いを伝えられてよかった。
ふゆが自分を取り戻してよかった。

ふたりが笑顔になってよかった。




ふゆを演じるのはこれがドラマ初出演の清原さん。
そんな清原さんに、亀助を演じる三宅さんが演技指導してたとか考えると、この一連のシーンがもうジンワリしてしまってなあ。




お嫁さんになってくれと言われた後、「そんなうちなんかが」といつもの口癖を言ってしまったふゆ。
亀助さんが頭を下げている間の一瞬に「これはもう言わない」って強い目をしたのが印象的でした。





で、もちろん。

 
トーテムポール盗み聞き。
これでもかってくらいに盗み聞きしてるから気持ちいい。


※乱闘の直後に、ゲス父と洋傘屋はあさちゃんが土佐堀川に投げ入れておきました



■脳裏によぎるあの人この人




ふゆに手をあげるゲス父を眺めつつ、思い出したのがこの人。
誰と相撲とる?のくだりで「おなご投げ飛ばしても何の自慢にもならない」っていう親分の言葉を思い出した。
この作品で描きたい『男らしさ』ってそういうことでもあるのかなとか。

 

 

1週「おなごのやらかいよさ」と言われて育ったあさ。
3週で新撰組副長に「刀と信用は真逆のもの」と言い切り、
7週で炭坑夫の信頼を「ピストルではなく大福餅」で得て、
12週で厳しさも見せつつ、

14週で「本気で思う心しか人の心には届かない」につなげた。

何これ神回か。

それにしても…洋傘ストーカーさんの気持ち悪さが際立って……


五代くんってミラクルなんだなと。



■うめとふゆの分かれ道


 
「うちは自分でこの道を選んだんだす」
「縁談も色恋も一生関わりありまへん」


あさとはつのどちらにつくかで運命がわかれ、
その嫁ぎ先が時代の風に乗れるか乗れないかでまた運命がわかれ、
周りの環境でまたわかれ…



あさが、亀助の矢立を借りてふゆに託したはつへの手紙。
ここに一周してきたのかなとか思うと涙目。




※亀助さんがワンワン泣いてしまい、あさも新次郎もふゆもみんなドン引きだったため、祝言シーンは写真にてお楽しみください。



■雁助さんは帰ってきたけれど


  

色恋なんてもう、とうめさんに言わせた直後に雁助さんとこの笑顔で再会なんて。
嬉しいんだけど切ない。

これまでのうめさん、雁助さんの描写、ふゆへの言葉から考えたら。
亀助夫婦のような門出にはならないんでしょう。

それが想像つくから余計に切ない。


 

銀行を推し進めたいあさと、銀行反対の雁助さん。
雁助さんがついていくのは大旦那様、守りたいのは加野屋。

信念貫くのは雁助さんらしいんだけど…

でもあの見事な銀行セットに雁助さんは不在なのかなとか考えると、観てる方も切ない。

しかしまあ「お仕事パートが足りない!」との声も上がってた14週。
〆と次週予告にあさと雁助さんの対立を持ってきたあたり、BKは今頃ドヤ顔して高笑いしてんじゃないかなとか。




■カレーライス



「今度福沢諭吉先生の紹介で、東京から来た我が相談役です」

あさちゃんの憧れてる有名人・福沢諭吉先生の名前あげて釣るタイプの
インターナショナルポジティブイケメントンチキ脳内祝言ストーカー大阪経済の父』。
(長いよ)

そんな五代さんにつられてるあさちゃんを背中に観つつ新次郎。


もっと美味そうに食べなさいよwww



■一本筋




ふゆの恋を通して、それを見ていたあさの心境からあさと新次郎の夫婦を描く。
登場人物に一本筋通ってたから伝わってくる展開、お見事。



「姉妹の約束」とは対比的な亀助とふゆの門出。
今はまだ「お手手だけ握りましょ」だけど、そんな初々しさがいいなあ。

開け放たれた障子の向こうの緑もまた気持ちいい。



■ジワジワ来る件。


 

榮三郎の許婚、さち(柳生みゆ)登場。

亀助夫婦の門出。
五代さんとの別れ佐野Pから予告。
雁助さんのフラグ。

別れは寂しいけど、新しい家族や人物の登場も楽しみかなと。

しかし何でだす?
榮三郎さん8代目当主だし中の人もジャニーズなのに、ジワジワくるのは何でだす?





■波乱の15週16週。


制作のPより公式発表ありましたが(というより史実ですが)
五代様、1月22日にお亡くなりになるそうで……

ひげみち然り実名登場の宿命でもあり、史実では五代友厚はもうすぐいなくなる……んだけど。
あさや新次郎との掛け合いやハイパートンチキがこの『ディーン五代』の魅力なんだよなあ。
大河で史実ひん曲げをやられたら嫌なんだけど、ほらこれ朝ドラだしさあ(つД`)

でも仕方ないんだろうな。
あさの道標として、メインストーリーに関わってきたからこそ親しみやすい偉人像を描いたのが「あさが来た」の魅力なわけだし。
朝ドラといえど、実名登場してる以上はここを捻じ曲げてはいけない……


しかしこのタイミングでTBSさんが『ダメな私に恋してください』にディーンさんを起用したのは大正解かと。
TLで五代さんは生き続けるわけだ。
(「ワンダフルなドS」「NHKではドM、TBSではドS」とか飛び交うんだろうな)

こうなったら日曜劇場枠で『仁─jin─』復活させてもいいんですよ。
仁先生にインスリン作ったり透析装置作ったりしてもらってもいいんですよ(混ぜるなバカタレ)








コメントを投稿