* D i a r y * 

気の向くままに、日々雑感や映画・本の感想などを書いています。
基本的にアホな日常ですが、レビューはそこそこマジメです。

ザ・マジックアワー/映画

2008-06-26 23:59:57 | 映画感想
うひょひょ♪
観てまいりました、三谷幸喜の最新作!
(なんたってユナイ○ッド・シネマの鑑賞券6月いっぱい有効が1枚残ってて。)

いくら平日とは言え、レディスデーでも映画の日でもないとは言え、こんなにお客さん少なくて大丈夫なの?と心配になりはしましたが、面白かった♪

* * * * * * * * * * 以下、感想 * * * * * * * * * *

架空の街『守加護(すかご)』(=シカゴのもじりでしょうね)。
その街のギャング手塩の手下・備後(びんご)は、ボスの女マリに手を出してしまう。
5日以内に伝説の殺し屋・デラ富樫を連れてこないと命はない。
しかしとうとう見つからず、苦肉の策を考え出す。
売れていない俳優に「映画の主役になって」と嘘を言いデラに仕立て上げるというもの。

そうとは知らない三流俳優・村田は、張り切って「役」を引き受け、映画を撮りにボスの所へ乗り込んでゆく。
脚本のない映画と騙され、妙に張り切り迫真の演技をする村田。
ボスはそんなデラ富樫を本物と思い込み、雇ってしまう。
備後が思いもしなかった方向に物事が転がり、どんどん恐ろしい自体に…!

奇想天外な話で先が読めなくて、本当に楽しめました。
セットも含め舞台っぽい演出がとっても個性的で三谷さん的。

大爆笑の連続を想像して行ったのだけど、実際はそうでもありませんでした。
むしろ「むふふ」笑いが多かったかな。
『ラヂオの時間』ほどの息もつかせぬ笑いの渦というのではないし、あれほどのインパクトはなかったけれど、結構シャレが効いてて大人な感じ。

俳優陣はそりゃもう豪華。
主役の佐藤浩一・西田敏行の演技はピカ一だったし、妻不木くん・深津ちゃんも良かったです。
ただ、ギャングの手下とボスの女という役柄に、2人の端整すぎる顔立ちや品の良さがちょっとアンバランスではあったけど。

準主役級に戸田恵子・小日向文世・綾瀬はるか・伊吹吾郎・寺島進…。
この人たちの魅力があってこそ、ますます映画が光ってます。

そして脇役がすごいです。
本当のチョイ役に、中井貴一・唐沢寿明・鈴木京香・香川照之・香取慎吾・山本耕二・天海祐希…などなど(あ、あの市川箟監督が監督役で!)。

ストリートミュージシャン役の慎吾ちゃんがギターをかき鳴らして歌ってたあの歌…あれはまさしく『有頂天ホテル』の時の…!と分かった時には思わずニンマリでした。

トランポリン・ゴム製の拳銃・銃撃戦のための様々な映画用の道具などを随所に取り入れているので、コメディとして笑えると同時に映画好きとしては観ていてとっても興味深いし楽しい。

ヤバイ世界に乗り込んだ大ボケ俳優の演技がシリアスになればなるほど、観ている側にとってはコミカルに映るようになってるのが上手いです。

細かいところで色々と突っ込みどころもあるのだけど、これはコメディ。
批判的な見方で観たら自分がつまらないだけじゃないかと思います。
それに笑いだけでなく、しんみりしたり勇気をもらえたり、結構深い映画だと思います。
最後の最後は…ちょっと無理があったかな、と思えなくもないけれど、全部やりきっちゃうためには仕方ないのかな。

佐藤浩一、こんな面も持ってたのね~。
個人的には寺島進の役が良かったな。(「部屋干しのにおいが嫌いなんだよ!」の人です。)