遊工房・雑感

日頃のあれこれを綴る日記です

崋山の肖像画

2013-07-28 05:25:32 | 日本美術

崋山は絵描きでありたかったし

当時の肖像画に関しては

自分が第一人者であるという自負もあったという

当時崋山のような肖像画はなかったことは確かだ

蘭学に触れて西洋にはこれまでの日本の絵の描き方を違うものの見方がある

という刺激も突き動かしたのだと思うけれど

教科書によくあるように

日本画の手法による衣服の表現と顔に

西洋画の影響から陰影をつけ立体感を表現したのが斬新だった

というのは表現方法の話で

ファイル:A portrait of Ichikawa Beian 市河米庵像.jpg

これは市河 米庵という書家の像

これにも草稿がいくつもあるけれど

そっちのほうが生々しくリアルだなあと思うけれど

本画として仕上げたほうが なんというか

見てくれはいいかも

それは 儒教の教えで絵は徳を表さねばいかんからだ

という解説もあったけれど

わたしはこれが泉石の肖像画と同じ年の

天保8年に描きあがっている

対価を得るための絵だったのではないかという気もする

それでもそのリアルな表現は

当時はこういうのなかったよなあと思う

人間観雑の鋭さは

自負する通り無敵の力量だったとわたしは思う

師の谷文晁はどういう肖像画を書いていたか

ファイル:A portrait of Kimura Kenkado by Tani Buncho.jpg

木村蒹葭堂像

こういう肖像画

対象を描いてもいるし

描いている人のものの考え方を描いているともいえるわけで

(だから自画像でもある)

この二つを見ると

とても興味深い

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