筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

与一賞・・・作家の世代差

2010-06-11 22:57:20 | 日記
先だっておこなわれた博多人形新作展にて

与一賞の対象作家の20代から30代前半の作品は
中国の武者ものなどが展示されていました。
師匠世代の約倍の年齢の作家の作品には
和の武者や美人ものなどなど・・・
前者と後者には一線が引かれる差異が感じられました。
一言でいえば前者はフィギュアーで後者は人形。
若い人の作品は稚拙で漫画風、そういう方もいらっしゃったでしょう。
本質はどうもそうではなく(いや、稚拙さは否めませんが)、
江戸時代の床置物の系譜である伝統的な路線と、
キャラクターアイテムとしてのフィギュアー。
ここの基層のコンセプトが異なるのです。

商売の世界から見てこの差異はどうなのでしょう?
時代を敏感に捉えて作品を製作するなら前者でしょう。
後者は歌舞伎に触れ山岡総八を読んで昔の世界に憧憬を
覚えた世代なら受け入れられるのでしょうが、
「信長の野望」で育った世代には欲しいものに見えるでしょうか?

反対の心配もあります。
フィギュアーがほしい世代があえて
あの価格帯の土人形を買うものなのでしょうか?

非常に考えさせられる展示でした。

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