筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

土鈴の複製製作(型どり)03

2011-06-12 09:58:53 | 人形


型は石膏を流して作ります。
型の枠には人形よりふた回りほど大きな
お菓子などの空箱を用意します。
原体を固定する粘土もひと固まり必要です。


型枠の中に粘土を敷き
原体の半分を粘土に押し当てます。
型には「抜け勾配」の配慮が必要です。
前後2枚の型できれいに抜けなければならず、
頭、肩、足などは造形の前後の境を
丹念に探してそこまで人形の角度を調整し、
あるいは粘土を盛り足して分割線どおりに調整します。
粘土の面は型にした時に合わせやすいように
わざと凹凸を作ってやります。


そして流した石膏が剥離しやすいように
面全体をヘラや筆で均します。

土鈴の複製製作(型どり)02

2011-06-05 06:53:27 | 人形

まず和紙を小片にちぎって原体に乗せ
水を含ませた筆で上から押さえます。
紙を重ねた時に馴染むようにするため
紙の直線的な外縁はなるべくちぎって
繊維をほぐしておきます。


部位の凹凸に合わせて紙片を組み合わせ
表裏全体を和紙で覆います。
原体のシャープさを保つため
毛先の平らな「うこんや刷毛」等で
貼った紙を隙間なく押し込みます。



これで原体のすべての表面が和紙で覆われました。

土鈴の複製製作(型どり)01

2011-06-05 00:07:32 | 人形

既存の素焼き製品から型を起こして複製を製作してみます。
型どりには石膏を使用します。
直接もとの原体に石膏を流すと汚してしまうので
型を採る前にコーティングする必要があります。

コーティング材の条件としては型どりによって
できるだけ原体のシャープさを損なわないこと、
ということは材の柔軟性と薄さが要求されます。
シリコン型の場合は樹脂系の塗膜材や錫箔などが使用されますが、
塗布剤は今回の場合は原体を汚すので不可です。
錫泊は手に入れにくいため今回は和紙を使用します。


(つづく)

破損した三好系人形の修復6

2011-06-02 06:09:29 | 人形

背中側のピースが一部ありませんでしたので、
無い部分は石膏で穴埋めをします。


人形が中空なため裏打ちが必要です。
そこでガムテープの粘着力を落として
裏から充てることとします。

そこにやや固まり気味の石膏を盛ります。
凝固しかかりのほうが流れずに作業しやすいのですが、
隙間に入り込んで行かないため錐先で隙間に誘導します。



ガムテープをはずして残りのピースをはめていきます。
ただしここまで進むとピース全体の歪みが
この部分に集まっていますので隙間があいたりしています。


隙間のできる個所はゆるめの石膏をヘラで流し入れます。


最後の部分を埋めてサンドペーパーなどで
荒れた石膏の表面を均します。


今回は補修個所がわかる状態のまま
彩色を施していません。