筑紫文化財研究所

筑紫における歴史的文化の探求と漫遊

日展入選作「収穫」の修復2

2012-09-17 23:07:49 | 人形

驚いたことに作品は白色粘土で未焼成、
ナマの白土の塊に布と和紙が貼ってある状態でした。
肩の内部は粘土が砕けて部分的には外側の布で
外形が保たれた状態になっていました。


そこで内部の砕けた塊をすべて除去し
内側に石膏系の粘土を押しこんで
指先で奥から砕けて残った粘土部分を覆うように
じょじょに形を整えていきます。


肩口まで成形し終わったら、腕部分を新しくした肩口に充ててみます。
何度か足りていない部位に粘土を貼り足して仕上げ、
最後に欠損した腕の割れ口を成形した肩口に押し当てます。
これで内側からの肩の修復の土台が完成です。
一旦腕を外して粘土が乾くのを待ちます。