論語を現代語訳してみました。
為政 第二
《原文》
或謂孔子曰、子奚不爲政。子曰、書云、孝乎惟孝、友于兄弟、施於有政。是亦爲政。奚其爲爲政。
《翻訳》
或〔ある〕ひと孔子に謂〔い〕いて曰〔い〕わく、子 奚〔なん〕ぞ政〔まつりごと〕を為〔な〕さざる、と。子 曰〔のたま〕わく、書〔しょ〕に云〔い〕う、孝〔こう〕か惟〔こ〕れ孝、兄弟〔けいてい〕に友〔ゆう〕に、有政〔ゆうせい〕に施〔ほどこ〕せ、と。是〔こ〕れ亦〔また〕 政を為すなり。奚ぞ其〔そ〕れ政を為すを為さん、と。
或〔ある〕ひと孔子に謂〔い〕いて曰〔い〕わく、子 奚〔なん〕ぞ政〔まつりごと〕を為〔な〕さざる、と。子 曰〔のたま〕わく、書〔しょ〕に云〔い〕う、孝〔こう〕か惟〔こ〕れ孝、兄弟〔けいてい〕に友〔ゆう〕に、有政〔ゆうせい〕に施〔ほどこ〕せ、と。是〔こ〕れ亦〔また〕 政を為すなり。奚ぞ其〔そ〕れ政を為すを為さん、と。
《現代語訳》
ある人が、「貴殿はどうして、直接に政治にたずさわろうとしないのですかな」、と孔先生に尋ねられて、先生は次のように仰られました。
古い書物には、「孝こそ大切、兄弟仲良く、それを御政道〔ごせいどう〕に及ばせ」、とあります。
ゆえに、これもまた政治というべきではないでしょうか。
このことをもって、家庭内が安泰〔あんたい〕してこその、国家政道といえましょう、と。
〈つづく〉
※ 関連ブログ 奚ぞ政を為すことを為さん
※ 孔先生とは、孔子のことで、名は孔丘〔こうきゅう〕といい、子は、先生という意味
※ 原文・翻訳の出典は、加地伸行大阪大学名誉教授の『論語 増補版 全訳註』より
※ 現代語訳は、同出典本と伊與田學先生の『論語 一日一言』を主として参考にしているが、決して両先生を否定するものではない
※ イラストは『かわいいフリー素材集 いらすとや』さんより