Photo@Story

~ 見たり 読んだり 出かけたり ~

その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ 2

2020-10-08 | 読む

 

シリーズ二冊目。

今回は、お草さんの店「小蔵屋」の近くにできた和雑貨の店、「つづら」

これがまた嫌ーーなお店で、これ見よがしの嫌がらせや商売の邪魔をしてくるのだが、

これやらあれやらいろいろ繋がって6話がひとつのストーリーになっているという訳。

 

これ、あれ、いろいろ、って訳わからん(笑)

 

偏見の何物でもないが、「小蔵屋」って響きは品がよく綺麗な商いをしてる印象、

逆に「つづら」、これは、童話「舌切りスズメ」にでてきた強欲ばあさんを思い出させる。

重ねて、これはやっぱり偏見。

 

あれこれ繋がった先には、お草さんの過去、

再婚話のお相手まで登場するのだが、

今回も少し、どころかかなりビターなお話になっている。

ほんわかしたコージーミステリ、ではまったくない。

 

最後の方で

~長い歳月の中で、記憶は形を変えてしまう。ある感情は膨らみすぎ、

またある感情は疑われる。あるいは、なかったことにさえなるかもしれない。~

という記述がある。

 

ほんとに、記憶って手に負えない暴れん坊(笑)

 

お話の中心人物である、田沼さんと藤原じいさん、これがいわくつきの親子だった!

これにはびっくりだが・・・刃物沙汰もびっくり・・・。

 

親子の感情の軋轢、行き違い、と言ってしまえば一行で終ってしまうが

人の思いというのは、ごたごちゃ絡まって一筋縄ではいかないもの、

がんばるほどシンプルに扱えない厄介なもの、

けれど、どうしても切れない愛おしいもの、

著者の、一件落着&ハッピーエンドにしてしまわない中にも

ふうわり優しさが感じられる。

 

シリーズの続きが楽しみである。

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿