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極私的日々忘備録ーみたものきいたものよんだもの

北田暁大「嗤う日本の「ナショナリズム」」

2005-03-31 23:33:21 | Books
自己目的化した「総括」が帰結するところとなった72年のあさま山荘事件と、現在日本に蔓延しつつある
「ロマン主義的シニシズム」としてのナショナリズム。この2つを結ぶ社会思想史的変遷を糸井重里、田中
康夫、ナンシー関、2ちゃんねるなどの分析を通して浮かび上がらせようとする試み。
著者は自分の学生時代の知人(友人の友人)であり同世代。なのでここでの題材の取り上げ方や指摘は共感
できる。ただ何というか、文章全体の論理構成をもう少し立体的にし、著者の立ち位置が浮かび上がって
くるような構成には出来ないものか。注の最後の方の1箇所で触れられている著者の決意表明があるが、
これは注ではなく本文全体を通した中で立ち現れてくるべきものだろう。

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