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極私的日々忘備録ーみたものきいたものよんだもの

烏賀陽 弘道「Jポップの心象風景」(文春新書)

2005-08-20 22:35:03 | Books
日本だけでメガセールスを誇る「J-POP」のアーティスト達。彼らが日本人のみに支持されつづける理由を日本人の心象風景との結びつきを分析することで明らかにしようとする一冊。筆者はフリーのジャーナリスト。この手の本は根拠のない思いつきの印象批評や単なるエッセイに終わっている場合が多いが、筆者の学問的な基礎知識がしっかりしているようで、それによって読み物として面白く仕上がっているように思う。アーティストの選択や、議論の仕方にやや恣意的な面や強引さも感じられなくはないが。
桑田圭祐をお盆に、松任谷由実を正月に結びつけた冒頭の2章が面白かった。B'zがパクリパクリと言われつつ支持され売れ続けているのはなぜかという分析も、大滝詠一の論説に慣れ親しんだ人ならさほど新鮮味はないかもしれないが、まっとうな分析。岩波新書からは姉妹編としてJポップ市場を経済的な側面から分析した本も出ている様なのでそちらも読んでみたい。

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