AOXOMOXOA

極私的日々忘備録ーみたものきいたものよんだもの

中沢新一「アースダイバー」

2005-07-18 21:03:41 | Books
もうひとつのBlog「東京の水2005Revisited」の更新で手一杯でこちらはすっかり間があいてしまった。その「東京の水」と似たような事を中沢新一がやってるよ、という友人からのメールで紹介されたのが本著。結構売れているようである。

東京の地形を洪積層で形成された台地と沖積層で形成された谷筋でとらえて色分けし、旧石器遺跡、縄文遺跡、弥生遺跡と寺社や墓地をプロットした地図をもとに、東京の風景を縄文時代に直結した視点から、湿った土地と乾いた土地、聖と俗、生と死といった対比を鮮やかに浮かび上がらせつつ読み解いていく。
縄文時代の海進期、海の水位は今より高く沖積層の谷筋がちょうとフィヨルド地形のように数々の入り江となっており、縄文人たちは入り江に突き出た岬=洪積層の台地を聖地として神社をつくっていたという。そしてこの岬の聖地の多くが現在も街中の寺社や墓地として同じ場所に残っているという指摘は魅力的だ。

「東京の水」では、東京の風景について、鉄道路線や道路による空間把握から、川の流路と地形、そして水による空間把握への再構成を図ろうという意図を込めているわけだが、本著でも、結果的に沖積層の土地=川を辿ることとなっており、また、東京の空間把握の再構成という視点は確かに共通している。

それにしてもイメージの連鎖やアナロジーによる議論の鮮やかで自在な展開は流石だ。そして本著のもとになったのが「週刊現代」への連載記事というのには驚いた。

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2 コメント

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遊びに来ましたー。^^ (うさぎねこ)
2005-07-29 20:05:58
探検ノートから来ました。

この本、面白そうですねー。

・・・っと思って下の方を読んでみてびっくり。

yuduamiさん(とおっしゃるのですね?コチラでは)、キング・クリムゾンなんて聴くのですね。本といいコミックといい音楽といい、いや川跡歩きといい、ディープな趣味をたくさんお持ちなんですね~。

(AOXOMOXOAというタイトルを以前から拝見していて、年齢の割に古いものを聴いてらっしゃるなぁ、とは思ってましたけど。。)



私も一時期プログレ好きでした。。。

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どうもです (yuduami(HONDA))
2005-07-30 00:33:24
コメントありがとうございます。実はプログレはほとんど聴かないのですが、「クリムゾンキングの宮殿」は好きでして。。。それにしてもAOXOMOXOAというタイトルだけで察しがつくとは!
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