芸能の盛んな土地として知られる石垣島白保出身の唄者の3年ぶり新作は、オリジナル曲で占められていた前作とは打って変わって、八重山民謡のみならず沖縄民謡や宮古民謡も含めた沖縄各地のオーセンティックな民謡をメインとした選曲となっている。一方でアレンジにはKiroroのメンバーのピアノや坂田明のSax、アイリッシュミュージックのアルタンの参加など、単なる民謡集には終わらせず、民謡を生きたものとして歌い継いでいこうという確固たる意思が感じられる。そして自作2曲の再演は、自分の作品をこれらの脈々と歌い継がれてきた民謡の流れの中に投入し、仲間に加えたいという意思の現れだろう。沖縄民謡は、唄を伝統として固定してしまうのではなく、今でも毎年沢山の玉石混淆の新曲が作られ、時の試練を得てその中のいくつかが民謡として歌い継がれていくといった、新陳代謝の仕組みをもっている。そういったことに意識的に取り組んでいる姿勢が、大島を若手の唄者の中でも飛び抜けた存在としているように思う。
そうそう、いくつかの曲で掛け合いを演じている鳩間可奈子の歌声も20代前半とは思えない素晴らしい歌声で、ソロ作品が待ち遠しい。
そうそう、いくつかの曲で掛け合いを演じている鳩間可奈子の歌声も20代前半とは思えない素晴らしい歌声で、ソロ作品が待ち遠しい。
伝統的なものにモダンな息吹を入れ込む感覚が素晴らしいですね。
ちなみに、iPod時代になってジャケにもこだわる人も少なくなったけど、
淡い色目の鄙びた風景写真をミラーコート紙に落とし込んでいて、
ユニークでレベルの高いジャケットかと思います。
音楽自体の趣旨と共通するものを感じますね。
1枚の印刷なのに、表面側(右)は青みが強くて昼間っぽく、
裏面側(左)は赤みが強くて夕暮れっぽい、という凝りようです。
それにしてもジャケットの紙質への着目、さすが!
このアルバムが、大島さんとのはじめての出会いです。澄んだ柔らかな声だな~という印象。
7月には世田谷でコンサートがあるようですよね。
行こうかどうか迷い中・・・。
「かいされー」は歌詞や弾き方のバリエーションが多いので、他の唄い手のものも聴いてみると面白いと思います。