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極私的日々忘備録ーみたものきいたものよんだもの

サザンオールスターズ「キラーストリート」

2005-10-10 17:22:27 | Music
7年ぶり2枚組アルバム。サザンは好きな曲は多いけど、あまりアルバム単位で聴こうとは思えないバンドなのだが、今作はKamakura以来久々に、アルバムとして聴けそうな感じだ。90年代の作品には打ち込みで緻密に作り上げたものが多く、バンドである意味が希薄となっていたように思えたが、バンド的な音づくりに戻っている部分が多々感じられる。
全30曲はいつもの王道をいくポップスやラテン歌謡などからインストの小品までバラエティに富むが、気になったのは70年代のロックやソウルの曲の影響を全面に出した楽曲。特に1枚目の曲に顕著だが、大ネタが各所で散見される。
1曲目のイントロがCSN&Yの "Ohio"調なのに始まり、Stevie Wonder "Superstition"だったり、The Four Tops "I Can't Help Myself"とかNeil young &Crazy Horse風のギターや大滝詠一経由のPhil Spector風だったりとか。歌詞にも往年のヒット曲のタイトルを織り込んでみたり。
興味深いのはライナーの異様に詳細な自曲解説で、それらのアーティスト名を列挙し、下敷きとしていることを明記していることだ。彼らのファン層の大部分にはそのような解説へのニーズはないと思うのだが、それをあえて記しているところに、桑田圭祐の洋楽への憧憬やコンプレックス、あるいは世間で受け止められているポップスターとしての自己像への抵抗を感じる。

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