歌人江口きちの恋『桐の花散る』 藤井徳子
平成19年5月発行 群馬出版センター
武蔵野市にお住いの歌人藤井徳子様よりお送りいただいた。
武尊の歌人江口きちの生涯を追った伝記的小説である。
すべてに目を通したわけではなく、ところどころを
拝読しただけで、いま記事を書いている。
これからじっくり読みたいと思う。平明な文章。
「あとがき」によると川場村に立ち寄った折、ふと目に入った
川場村歴史民俗資料館を訪ねたことがきっかけで、資料館の方に、
江口きちにゆかりのある方々を紹介されたという。
これらの方々に歌碑を案内していただいたり、
きちの話を聞かせてもらったりしたそうだ。
こうしてすぐに人の輪ができたのは藤井さんの人柄であろう。
私の個人誌「晴詠」9号で江口きちを特集したが、少々驚いたのは
「江口きちを知らなかった」と感想をくれる歌人が何人かいらしたことだ。
押切寛子(宇宙風)さんからは、お便りをいただき
「きちの生涯を小説にした歌人の藤井徳子さんにお送りしたら?」と
ご紹介いただいた。さっそく、押切さんからご紹介頂いた旨、一筆認め
「晴詠」をお送りしたところ著書をご恵贈いただいたのである。
私は今回の特集を書くにあたりいくつかの資料を手に入れたが
藤井さんの『桐の花散る』は全く存じ上げずにいた。
事実に基づいた小説。
とても読みやすく、親しみやすいからこういう書物こそ
川場村歴史民俗資料館の窓口で販売されればよいのに
と思ったことである。