怖さとは美しさなり断崖に一服点けて気持ちを作る
鳥を探すようになってから
見知らぬ土地を訪れ その
風景に目を瞠ることが多くなった
鳥に興味がなかったら
見ることのなかった光景
東京に生まれて暮らしているせいもあるが
未知と無知とを思い知る
伊豆沼にしても涸沼にしても
鳥を知らなければ訪れなかった場所だろう
あるとき茨城県の大洗周辺で
カモメやウミウなどを観察していた
帰るのが億劫になり
当日泊まれる宿をスマホで探すと
北茨城のホテルがあった
距離も確認せず予約したが大洗から
北上すること90分以上あったか
そこは磯原というところで
クルマを降りて何気なく海の方をみると
海上にライトアップされた
大きな岩が眼前に聳えている
怖ろしかった
怖ろしさとは美しさだとそのときに知った
それはニツ島という景勝であった
後日ふたたび訪れて
二ツ島で翼を休める
ハヤブサを見ることになるが
あの晩の衝撃を忘れることはない