空模様

わがまま老女の視野狭窄ときどき日記

民宿事件

2012-03-30 22:45:20 | 日記

実はこの島へ釣りに行くと決まってから、たったこの島一軒しかない民宿の女将と電話が繋がらなかった。

前日から時間を置いて何度も掛けているのだけど繋がらない。

それで、一番心配したのは、『孤立死』 してないか?  と 言う事。

何しろ、女将の年齢は 『80歳を超えている。 しかも一人で切り盛りしている』 からだ。

素泊まり一泊で一人 2500円  

「この年なんだからね、私しゃぁ 何も作らないよ。寝るところと風呂があるだけだよ」これが口癖で

頼み込めば すきやき くらいは作ってくれるし、漬物も煮込みも得意。昔は一人でうどん屋をしてたそうだ。

小さな民宿は自宅を改装して作ったもので、二階に4部屋と階下にコタツの居間と食事をする部屋が続き間があるだけだ。

気ままにやっているとは言っても、何しろ80過ぎだと聞けば、独り身、いつ倒れたって不思議じゃない

そう思うのは皆同じだと思う。

しかも 医者も居ない離島だし。

 

それで、私達はキャンプの用意もしてきたし、フライパンもサラダ油も、天ぷら用の野菜もすべて切り分けて持参したって訳。

もしも、女将さんが居たんだったら、釣りに来て日頃お世話になっている野郎どもに変わって食事を作り、

夕食を女将さんと一緒にしようと思ったからだ。

で、島に着いて、桟橋を渡る時に、島に上がる島民らしい人に人懐っこく聞いてみる友人

シャキシャキと、とても元気なオバアチャンにも

私たちと同じ釣りに来た人にも  聞いてみた。

すると、一人のオバァチャンが 言ったよ。

「民宿に泊まるんかね。 あそこは素泊まりじゃから、別に気にせんでも泊まったら良いよ。

本土へ行ったのじゃろうから。

昨日は風邪を引いたとか言っていたからね。じきに 戻ってくるじゃろうし。

布団も勝手に出して寝れば良いよ。」

 と、この話を聞いていた数人の島民たちが、口々に言うのだ。

誰もが

 

はぁ~~~~~~~~~~? そんな、厚かましいこと  できませんよ~~

 

「なんてね。心配は要らないよ。どこも島じゃ鍵は付けてないから勝手に入れるし。

布団も何処にあるか、わかるじゃろ? 風呂も勝手に沸かして入りさんね。

朝出かける時に、ちゃぶ台の上に 2500円置いていけばかまわんから。

冷蔵庫にも何かあるじゃろうから、食べても良いけんねぇ

そ、   そ、  そんなぁぁ~~~

私らあっけに取られてただ呆然。

すると、島の役場に勤めているお姉さんが、そこへ来て

「あ、あなた よく釣りに来る〇〇さんやね。待って。防府に居る息子さんに連絡してみて上げるよ。

昨日、バアチャン具合が悪いちゅうて、船に乗ったらしいから。」

と、まぁ、船に乗るのを待ってもらって連絡してくれた。

すると しばらくして 連絡が付き

「肺炎になりかけていたから、オバァチャン入院したってよ。だから勝手に入って泊まって帰って頂戴って事だから

 

は、  はぁ~~ 生きてた。 良かった。変な心配しちゃってたのは私たちだけで。

皆さんちっとも気にしてない   良くあることだよ。だって

 

そんな こんなで、港であたふたしていると、腰の曲がったバアチャンやジイチャンたちが、世話をしてくれて

玄関を開けてくれ、荷物を一輪車で運んでくれ、全部運び込んでくれた。

すると、またあたふたと、腰のいくらかシャキっとしたバアチャンが

「わたし、ここの女将の妹だけど、普段ここのことは姉はしてるから様子がわからないんでお任せしますねぇ。

布団は二階に敷いとったよ。二階の風呂のお湯も張っておくから。帰りに素泊まり代置いて帰っておくれね」と

ちゃっちゃと話して、帰っていったのでありました。聞けばこの人は若い方で、78歳 でしたとか。

 

お陰様で、キャンプしなくて済んだし、布団で寝られて、何が嬉しいってお風呂に入れるのが嬉しかったね。

 

これで、やっと 釣り本来の作業に入ったのでありました。

 

しかし  ねぇ・・・・・

いかに 素泊まりだからとは言え、家主が肺炎で入院したのに、気兼ねしないで、『泊まれ』 とは

あまりに意外な展開で、驚いた私たち3人でありました。

結果、釣りの後この民宿に帰り、私は持参した野菜とサラダ油で天ぷらを作り、釣ったサバの刺身を作り、

子アジの空揚げを作り豪華な夕食をしました。

もちろん、私はせっせと、先日かららしい散らかっていた茶の間や居間、台所の茶碗やふきんなどの洗いものをしゴミ掃除も済ませ片付けて、

女将さん専用の階下のお風呂を帰ったらすぐに沸かせるように掃除して帰りました。

もちろん、代金はちゃぶ台の上に置いて置きました。

 

島民が150人くらいで、小中学校一つ校舎で、住民の60%は高齢者。

しかも片割れがすでに先立ち、独居老人がほとんどと言う島だから、誰もが家族で、

死があることすらも素直に受け入れて最後まで元気に生きている

それだからこそ、毎日お互いを気遣い生きている島ならばこその、生き方接し方、暖かさなのかもしれません。

お互いに強い絆があって、都会で今騒がれているような孤独はもしかして、この島には無いのかも。

 

 

 

 


連絡船で

2012-03-30 16:47:47 | 日記

お天気が良かったので一泊二日の釣りにお供しました。

最初は民宿だと言う事でしたが、いろいろあってキャンプの用意までさせられて行きました。

その顛末も最初から面白かったですが。

まずは出発風景から

 

瀬戸内海の離島で連絡船で40分程度のところ。

出発です。 以前豪華客船ふじ丸で屋久島へ行った時に出港した埠頭の東側でした。

子供たちが同じ船に乗船してました

お父さんやお母さんとバイバイしてたので、出港してから聞いてみると、春休みに入ったので

5泊6日の林間学校?いや離島学校合宿だそうでした。

年齢は保育園年長さんから小学生6年生くらいの子供たちで、離島の学校に泊まるんだそうです。

楽しそうで船のデッキや下の座席ではしゃぎまわる数十人。

けど、心は親のところか な? って姿も

けど、船の旅は生まれて初めてで、デッキからの眺めを見て最後まで居た男の二人と仲良くなり

海の話や船長さんや機関士さんの話しをするとカッコイイと話してましたけど・・・・・・・(笑)

ちょっとは 家族とサヨナラして、さびしいのかな

波頭も久しぶりに見たし、私はちょっと嬉しかったんだけど

釣りをするのは島の船着き場から歩いて10分も無いかも

内海みたいな穏やかな湾内です。

楽しみですね~~♪