長野県では、ポケット版の手帳が毎年発売になります。
編集発行は、長野県統計協会となっています。長野県内のいろいろの統計資料・データが市町村別に満載ですので、結構重宝しています。平成の大合併で、市町村名の変更などが掲載されており、役立ちます。
定価:500円 本文:ポケット版 約300ページ
県庁内売店、市役所内売店、長野県内の平安堂各店などで購入できます。
他の都道府県には、地元の情報を掲載したこのような手帳はあるものでしょうか。
この長野県民手帳(通称県民手帳)の関東には、例によって「信濃の国」の歌詞がのっています。
信濃の国は、長野県を代表する歌で、県民であれば知らない人はいない、というくらい県内では有名な歌です。いや、でした。
入学式、卒業式、運動会、学芸会、何か行事があれば何はなくとも「信濃の国」を歌うのが習慣でした。いや、でした。
夏の高校野球でも、長野県代表の応援団は必ず歌います。
たとえば、新宿とか渋谷で「信濃の国」を流せば、長野県出身の人であれば老若男女をとわず、一斉に振り向くことは確実です。これは、サンパウロでも、サンフランシスコでも同じです。各地の長野県人会があれば、最初にまず「信濃の国」が歌われて、お互いを確認しあうのが習わしです。
ところが、最近情勢が変わってきました。「信濃の国」を知らない小学校の先生、中学校の先生が増えてきたのです。
もっと積極的に、「信濃の国」を歌うことが長野県の閉鎖性を象徴すると考えている先生が増えてきたようです。
この最大の原因は、信州大学教育学部の入学生の出身県が大きく変動したことです。それまでは、長野県出身の学生が圧倒的に多かったのが(ほぼ100%)、共通1次試験、センター試験が始まってからというもの、30~40%程度まで落ち込んでしまいました。県外出身者が多数派になったのです。その結果、「信濃の国」を知らない学生、そしてそのまま長野県の先生になる人が数多く出てきたのです。
単なる試験制度の変化が、長野県養育(信州教育)の根底を揺るがすこと(ちょっと大げさですが)になったのです。
それまでは、長野県出身の学生が、長野県の義務教育の先生になる、明治以来この繰り返しが、信州教育を支えてきたのです。たとえば、教員になり、職員室に行けば自分の恩師が隣に座っている、このような環境の中で鍛えられてきたのが、信州教育でもあったわけです。
ところが、県外出身の先生方の多くは、「信濃の国」を教えませんし、したがって、「信濃の国」を歌えない子供が出てきたというわけです。手作りの部分の教育の伝承性もとぎれているのです。
信濃の国は次のホームページで歌詞と演奏が聴けます。
信濃の国
結構古い言葉が使われていますが、聞き慣れた地名・人名が織り込まれていますので、意味は取れなくても歌えるのが特徴でもあります。
これさえあれば、世界中どこであっても、長野県人は一つになれるという「信濃の国」の今後(10年後、50年後)がどうなるか、興味深いテーマではあります。
これも一つの教育界における規制緩和ですね。
話は変わって、京都検定などにならい、今年から 信州検定 が行われます。「信濃の国」をはじめ、県民手帳に載っているあらゆるデータは、格好の問題になりそうです。
信濃毎日新聞社からでている「信毎年鑑」なども参考になります。
信州検定の受検を希望している方はぜひ参考にしてみてください。
信州検定については次のホームページを見てください。
信州検定公式ホームページ
申し込みは2月17日(金)まで、検定日は2月26日(日)です。
試験は Web方式です。