薬をどうすれば止められるか
今飲んでいる薬を止めたいという相談を受けることが多いですが、
例えば高血圧の薬を止めたいと言います。
薬を飲んでいる人は多いですが、漠然と飲まない方が良いのではという感覚を持っている人は多いです。
薬を止めたいと思う人の多くは、何らかの情報、ネットや書籍あるいは自然派に目覚めた場合です。
あるいは病院に長年通うが、病気が全く良くならないばかりか、悪化していくと感じて調べだし、自然治癒力で治したいと思ったりした場合です。
それで、僕に相談に来ます。
高血圧という病気は本来存在しない病気です。それは状態を言います。
つまり血圧が高い状態が続いているということです。
血圧が高い状態は病気ではありません。それは血圧を高くしないといけない状況に置かれているということで、その状況に対応するための正常な生理現象です。
納期の迫った仕事がある。責任の重い担当になった。あるいは業績が悪い状況が続いている。大切な取引先とトラブルを抱えた。家庭に問題がある。
その他には、添加物だらけの食事をしている。
というように必ず理由があります。
生れながら血圧の高い素因の場合もあります。
これらは、病気ではありません。
体質や状況です。住んでいる地域によっても変わります。寒いところに住んでいる場合は交感神経が緊張する為に血圧は高くなります。暖かい地域の人は副交感神経優位であまり高くなりません。
東北地方と沖縄では性格も違うでしょう。
状況に応じて血圧は上がったり下がったりするのが正常です。緊急事態では、例えば車を運転していて目の前に猫が飛び出してきた、あるいは子供が飛び出してきた。
そういう状況においては、一瞬で交感神経が緊張し、血圧が200を超え脳と筋肉に血液を送り届けます。
そうすることにより、脳での瞬時の判断と筋肉が瞬時に動き、ハンドルを切り、ブレーキを踏むと言った緊急回避運動ができます。
この時、血管は絶対に切れません。
自分の調整している身体の機能の範囲内を許容できないようであれば、毎日人は簡単に死ぬでしょう。
どうですか。怒ったら死にますか?
そんな動物を見たことがありますか?
そんなことであれば人間はとっくの昔に絶滅しています。
では、なぜ血管が切れたり、血栓が出来たりするのかというと血圧を下げるからです。これは後で説明します。
さて、血圧の薬を止めたいとの相談ですが、結論を言えばなぜ血圧が高いのかという理由を考え、食生活や仕事の環境、家庭の問題。つまり問題にアプローチする必要があります。
あるいは、そういう問題が無ければ。血圧が高くても何の問題はありません。自分の身体が調整していることです。
一般的に血圧の高い人は元気な人が多いです。
血圧とは何かということを多くの人は知りません。血圧は何を測っているのか?
私たちは寝ているとき、心臓と頭の位置は同じになります。ですから血圧の力はあまり必要ありません。
しかし、朝起きて立ち上がると、頭が一番上に来ます。頭が一番血液を必要とします。
頭が上に来るということは血液を重力に逆らって、心臓から上にある頭に血液を押し上げないといけなくなります。
その押し上げる力を血圧と言います。これを測っているのです。
血圧を下げる薬の作用は大まかに以下の通りです。
①カルシウム拮抗剤
これは心臓に働きかけて、心拍動を弱めます。
②交感神経αβ遮断薬
交感神経の働きをブロックして、血管を広げます。
③利尿剤
身体の水分を抜いて、血液量を減らし、心拍数を下げて血圧を下げます。
④ACE阻害薬
腎臓のレニンアンジオテンシン系の働きを(変換酵素を)阻害して血圧を下げます。
どれも血圧を下げますが、
考えてみて下さい。
心臓の拍動が弱まる。血管を拡張させる。
どうなりますか?血液が流れなくなるということです。ですから、血栓ができやすくなります。そして血管も血液で養われているために、血管が脆くなります。
そして血圧が低くなるので、頭や血管の豊富な臓器に血液が届かなくなり、脳の機能低下や梗塞、出血、多臓器不全の可能性が高まります。
それを防ぐために小児用バファリンなどの血液サラサラの薬が同時処方されたりします。
この時点で、非常に不思議なことが起こります。
脳出血や脳梗塞を防ぐために、あるいは心臓への負担を減らすために行ったことが、実際は血栓が出来やすすくなり、血管が脆くなる、循環不全に陥り、病気のオンパレードが始まると言うことです。
ですから、飲まない方が良いのは間違いありません。
しかし、薬を長年飲んでいる人が薬を止めればいいのかというと、それは違います。
薬を止めれば良いと言う単純なことでは無く、なぜ血圧が上がるのかいう理由と仕組みの理解が必要です。これを理解せずに止めることはお勧めしません。
僕は自然治癒力が大切というのはそうだと思いますが、その前に理解して対処できるかということが重要です。
なぜなら、自然治癒力はとてつもなく強く働くために、本人が耐えられないと負けてしまい、もっと大変になったりするからです。
自然は必ず治癒(回復)に向かいますが、負けてしまうと破壊されます。
それが自然治癒力です。自然治癒力は命の選択であり、うまく利用しないと終わります。
長年、薬を飲んでいる場合は、その薬に自らの自律神経を薬に合わせている状態になります。
ですから、自律神経のセットポイントがずれています。そこで薬を止めると、短期間で自律神経が失調し非常に悪化したようになります。
自律神経が薬の無い状態で正常に戻すのに、かなりの時間が必要な場合があります。そうすると本人は悪化しているとしか思えないでしょう。
僕は薬を止めたいと言う患者さんには、主治医に相談しながら徐々に減らしてくださいと言います。
しかし、これはほぼ不可能です。
なぜなら医者は薬を止めさせる方法を知りません。
それは以下の理由によります。
①大学教育で自然治癒力は学ばない。
②薬の処方はわかっても、減らし方はわからない。
③病気が治ると言う概念が無い。
④薬を出さないと収入が減る。
⑤法律で決められた標準的な治療法を行わないと訴訟などのリスクがある。
例えば、あなたが血圧の薬を止めたいと言って、医者がそうですね止めましょうと止めたとします。
次の日にあなたが倒れた場合。薬を止めさせたからこうなったと訴訟になる可能性があります。薬を飲ませ続けて、梗塞になろうが、脳出血で死のうが、これは全く問題にはなりません。
なぜなら法律で定められた標準治療になるからです。
これは、医師が悪いとかという問題では無く、医学システムの問題です。
ですから、薬を止めたい場合。自分で決めるか、医者に相談して減らすかしかありません。
そして、全ての責任を自分で取ると言うことが必要です。
自分で責任を取るからお願いしますと言えば、医師なりに考えてくれると思います。その場合、家族にもそう言っておく必要があるでしょう。
さらに、最も重要なのは、自分の身体と身体の仕組み、さらに自然治癒力とは何かについての知識と理解です。
それが出来ないのであれば、薬を飲みながらなるべく、その害を減らして健康でいるという選択をすべきです。
自分に強い心と理解が無ければ、薬を止めることをお勧めしません。
さらに、多くの人は本当のことを教えられていないので、家族が薬を止めることを阻む場合があります。
家族を大切に思うのであれば、家族の為に飲むと言う選択もあります。
僕が知っている人は癌になり、抗がん剤の作用も何もかも知っているのに、標準的ながん治療を受けて苦しんで亡くなりました。
彼に何故、知っているのにがん治療を選択したのですか?と聞いたら、
それは僕の為に、妻が希望しているだと言いました。妻が安心してくれる。
そういう生き方もあるのです。
常に僕は、本質的なアプローチと話をします。
なぜなら、それが間違いなく、現世において心と身体を成長させる方向だからです。
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