-10月9日(金)ー
私の登山歴は、高校山岳部をスタートにしている。ほぼ50年ほど前のことになる。
大学時代には、その高校山岳部のOBで「岳志会」なるものを結成して山登りを続けた。
岩登りから雪山と夏、冬、春と北アルプスや八ヶ岳にも遠征していた。
それこそいろんなことがあった。一人も遭難者を出すこともなく、みんな元気にしている。
その山仲間と、久しぶりに山に登ることになった。それが、「麗しの天山」なのである。
まぁ、とにかく「集う」ことに意味があるので、楽しく歩こうという趣旨なんだよね!
天川登山口に5人が集合。
いつものところで、カメラを向ける。
誰も「山野草」には詳しくはなく、これが「アキノキリンソウ」だよ、と教える私!
聞いてるのかどうかはわからないが、近況報告をしながら登って行く。
オッと!大株の「センブリ」さんの登場!
この花には、ちょっとだけ興味を持ったみたい!
ちょっと心配してたけど、さすが昔の岳人さん、順調に登り上がる。
でもね、「ピースサイン」をするほどのことはないと思うけど?
この日は台風の影響で風がとても強かったけど、
見晴らしは良かった。
ただ、保育園児さんらしき子ども達も登ってるんだね!
子ども達に、「がんばったね!」とご挨拶をしてから、無理やり稜線散策に!
この花は「リンドウ」だよ!
「ふーん!」という彼らを、こっちこっち、「ウメバチソウ」だよ!
と、飽きさせないようにと気を遣いながら先へと進む。
「ウメバチソウ」は珍しいのか?「うん、天山ではここだけかな!」
なんて、まるで先生みたいな気持ちになって優しく教えてあげる。
そして、「トリカブト」のところへ。
「この花の根がほしい!」なんていう輩もいたりして、「だめ!罰金刑になる!」と返す。
とここで、「ミヤマキリシマ」の狂い咲きが、
「もう久住の、ピンクの絨毯も登れんやろ?ここもきれいに咲くんよ!」などと勧める。
「これはね、「モウセンゴケ」といって、食虫植物なんよ!」。
「へー………」、あまり興味ないみたい。
これは、「マツムシソウ」。「これは知っとう!」などと。
「これは小さな株やけど?」。
『「センブリ」やろ、なんか体に良かげなね?』とのたまう。
「こっちは知らんやろう?」
『「ムラサキセンブリ」というやけど、きれいやろ!』と、押しつける!
まぁ、そんな稜線散策を済ませてから、みんなで記念撮影!
私は、こっちでパチリ!
今日の豪華ランチは、「三ツ瀬そば」に行くことになり、急いで下りる。
といっても、先ほど頂上で遭遇した保育園児さん達と同じペースで!
ここに「キタテハ」がいるよ!といっても誰も振り向かない。
「ジンジソウ」にも、あまり興味はなさそうだし、
私は取りあえずパチリ!
というような、昔懐かしい山仲間との天山登山を終えて、ランチへと向かった。
天山を歩きながら、そういえば、
明神岳の東陵を登って凄まじい落雷に遭った前穂頂上のビバークはOさんと二人、
3月の白馬岳を登った下りで、隠れ滝に落ちる寸前になったTさん、
凍てつく南岳西山稜でフィックス工作をしたのはNさんと二人で、
10月下旬に、初冠雪のジャンダルムを走破した時にはSさんもいたね!
などと思い出しながら、でもね、今ではみんな歳を取り、歩くペースは園児と同じ。
そうなんだ、あれから50年!時の経つのはあっという間。
でも、あの青春のひとときを過ごした記憶は決して消えることはない。
私たちの体と心に刻まれていると、そんなことを思わせてくれた「天山」だった。
皆さん、お疲れ様でした!また、どこかのお山に登ろうね!
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