ロスジェネの発言

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ジャマイカは長続きする-【ドイツ語の話】2

2005-09-27 01:43:05 | 海外事情(独仏など)
「大連立」はすぐ消えるだろうという予測に対して、「大連立はイメージが悪い」で紹介した記事に登場する言語学者は、ジャマイカ連合は長続きするだろう、という。この言語学者にいわせれば、「ジャマイカ」と言う方が「黒・黄色・緑」連合というよりも聞こえは良いという。しかも、現実政治を考えると地方レベルでは「ジャマイカ」が与党のところがあるのだから、より高いレベル(連邦レベル)でこの連合を実現することの方が、「」よりも考えられることだ、というのである。まあ、州によってはCDUとSPDが連立与党、つまり大連立が与党のところもあるのだから、この言語学者が言っていることは、単なるこじつけなのであるが、言語学的にああだこうだ言われると、ヘンな説得力をもつから不思議だ。

「言語学者;「シュヴァンぺル」はすぐ消える」
Sprachexperte: «Schwampel» ist EintagsfliegeFrankfurt (dpa)
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Aus sprachästethischer Sicht «gefällt mir der Begriff Jamaika- Koalition außerordentlich», sagte Schlosser. Dies sei ein sehr bildhaftes Wort, unter dem man sich etwas vorstellen könne. Die Farbenlehre werde zudem auch für andere Bündnisse herangezogen - wie etwa Rot-Grün oder Schwarz-Gelb. Außerdem sei Jamaika-Koalition ein sprachökonomischer Ausdruck: «Sonst müsste man ja immer Schwarz-Grün- Gelb sagen.»

言語美学的観点からすると「ジャマイカ連合という概念がとても気に入っています」と(言語学者の)シュロッサーは言う。この言葉は、聞く人に豊かなイメージを想像させる。加えて色彩学的には他の組み合わせもアリだという。例えば赤と緑(社民・緑)、黒と黄色(保守と自民)のような。おまけにジャマイカ連合というのは、言いやすい省略語(言語的に経済的!sprachökonomischer)だという。「そうじゃないと毎回のように黒・緑・黄色連合って言わなきゃいけなくなりますから」。


Den Begriff «Schwampel» bezeichnete Schlosser dagegen aus sprachästhetischer Sicht als «albern», wenngleich er vielleicht auch «für die schlampige, schwammige Situation steht, in der wir stecken».

それに対して『シュヴァンペル』(Schwampel・シュヴァンペル)という概念は、言語美学的には『バカげた』印象を与えるという。われわれがいい加減で(schlampig・シュランピヒ)、ジメジメした(schwammig・シュヴァミヒ)状況にハマっているとはいえである。
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これを読んで僕は、飯沢 匡の『武器としての笑い』(岩波新書)を思い出した。田中角栄がロッキード事件で逮捕された直後の総選挙で、自民党が大勝し、事件追及の急先鋒に経っていた共産党が議席を減らした事がある。飯沢は「共産党やマスコミには『笑い』を武器として敵を追求する力に欠ける」と指摘した。

上の記事に見るように、「笑い」の要素が今のマスコミには欠けている。現在の状況を批判的に笑い飛ばす、というようなことがほとんどない。「ことば」への姿勢を考えるのであれば、政治的にも人間的にも不誠実な小泉純一郎という”ネタ”を徹底的に笑い飛ばすと言うくらいの「ことば」を、評論家やジャーナリストという種類の人間は持つべきなのではないか。

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