ロスジェネの発言

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【ドイツ総選挙】 支持率12%の「左翼党」誕生!

2005-07-18 12:02:14 | 海外事情(独仏など)
国会はにわかに解散総選挙の風がふき始めた。もし、解散総選挙になれば自民党が大敗するのではないかという観測がながれているが、事態は流動的である。

国民の間には、「どうせ総選挙になっても何も変わらない」という「あきらめムード」が蔓延しているかのようである。そして、「まあ、民主党にでも入れるか」というような雰囲気も醸成されつつある。(世論調査:衆院選での議席増「民主伸びて」が自民上回る(毎日新聞2005年7月18日 3時00分))

いわゆる二大政党制の弊害というヤツだが、ドイツでは情勢がやや変わってきた。
ドイツ国内のことだから余り日本では注目されていないのだが、ドイツでも(敢えて”でも”と言わせてもらうが)9月に総選挙が予定されている。

ドイツ国民は、お互いに政策に変わり映えのしない二大政党、社会民主党(SPD)と保守政党(CDU/CSU)の政権たらい回しにいい加減うんざりしている。この二大政党は、伝統的にはSPDが左翼でCDU/CSUが右翼であると単純に見られるわけであるが、特に最近では「新自由主義的」であるという点では互いに政策が似通ってきている。現在の社民党・シュレーダー政権は福祉切り捨てと金持ち減税をおこなったために、国民から「公約違反」であると批判され、支持率が低迷した。そのため、シュレーダー首相は、「現在の政権は国民の信任を得ていないから議会を解散して出直す」と宣言したのである。(詳しくはhttp://www.pfadfinder24.de/Neuigkeiten_1.htm)しかし、次に政権をとるであろうと見られている保守政党は、より新自由主義的である。日本と同様にドイツ国民の間にも政治への不信と不満が募る。

そこに登場したのが、新しい左翼「連合」(die Allianz)である。

党名は、そのものズバリ「左翼党」(Die Linkspartei)。この政党は、二つの左翼政党の「連合」と言う形をとっている。旧東独を主な支持基盤とする民主的社会主義党(PDS)と、社民党を脱党したラフォンテーヌ元蔵相らが率いる「アルタナティーフ」(労働と社会的公正のための第三の選択肢;WASG)
が選挙同盟を結んだのである。

きのう、PDSはベルリンで臨時党大会を開催し、代議員の三分の二以上の賛成で「党名変更」を決定した。その名も、左翼党=PDSである。http://de.news.yahoo.com/050717/286/4m8di.html(ドイツ語)
これにより、PDSと「アルタナティーフ」が新しい「左翼党」として次期総選挙で連合して戦うことが確定した。

この連合の支持率は最近の調査でも12%に達していることが注目される。なぜなら、SDPと「アルタナティーフ」それぞれが単独で戦った場合、連邦議会選挙の比例代表5%足切りを突破できないと考えられていたからである。「左翼党」で戦えば、間違いなく第3党の得票率を獲得できる。

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3 コメント

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Re:【ドイツ総選挙】 支持率12%の「左翼党」誕生! (おっちゃん)
2005-08-24 09:21:55
問題は、この動向から何を学び、このような「統合」をどう評価するかですね。



特に、現在の日本では。
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こんにちは (meade)
2005-09-01 01:18:40
ドイツもいろいろ大変そうですね。
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はじめまして (主義者Y)
2005-09-16 16:24:04
「旗旗」経由でこちらにたどりつきました。

私も若干ドイツの政治状況には関心がありますので、PDSとラフォンテーヌ派の合同については期待するところです。「第3党」というと他に中間の自由民主党(FDP)がありますが、左翼党がFDPをも凌ぐ勢力を獲得できれば、かなり注目される事態になると思います。

ほかの記事もいろいろ読ませていただきます。

まずはご挨拶をと(^^)

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