ロスジェネの発言

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大連立はイメージが悪い-【ドイツ語の話】1

2005-09-26 23:59:59 | 海外事情(独仏など)
先週の木曜日(9.22)の「赤旗」に、大塚英志の「共産党と『ことば』」という評論が掲載されている。これは、党員の間でも評判なのだが、ちょっと腑に落ちない部分もある。ところで、テッサロニケ人は、今回の選挙で自民党が勝ったのは、小泉の言葉が分かりやすかったからなのではなく「イメージ」が分かりやすかったからなのだという。ということは、自民党以外の政党の、政策なり党自体なりのイメージが分かりにくかったということになるが、そういう観点から考えると、大塚の指摘は的を外していると言える。

大塚は、共産党の小選挙区候補者が一様に「きっぱり」という言葉を使うことで、個性豊かな共産党候補者の顔が「ひどく見えにくくなる」という。しかし、これは共産党にだけ言えることなのか??確かに、共産党の候補者は同じようなことを言っていたが、それ以上に小泉と同じようなことしか言っていなかった自民党の候補者が大量当選した今回の総選挙のことを考えると、ちょっと説得力に欠ける。共産党のイメージを単色化するというこの『現象』について、大塚は「政治を語る言葉を豊かにする」事によって改善されるといい、共産党に「『ことば』に対する態度について共産党の内側で考えてみてもらいたい」という。しかし、どうやら共産党だけに考えてもらえばいいと言うものでもなさそうだ。。。

<ドイツ首相>野党第1党との大連立の意向を初めて表明(毎日新聞) - 9月26日20時34分更新

というニュースが流れているとおり、ドイツでは二大政党による「大連立」の成立の公算が強まっている。そんな中で、「ことば」に関して面白い記事がヤフー・ドイツのトップに掲載された。これを読むと、政治についての「ことば」を考える必要があるのは共産党だけではないなと思えるのは、僕だけだろうか。

Sprachexperte: «Schwampel» ist Eintagsfliege
「言語学者;「シュヴァンぺル」はすぐ消える」

そもそも、この記事のタイトル自体が含蓄に富んでおり、わがニッポンのニュースでこんな表現はまず見かけない。シュヴァンぺルとはCDU/CSUFDP(自民)SPD(社民)の連合を、緑の部分が黒くなった「信号(アンペル)」にたとえた造語だ。黒(Schwarz/シュヴァルツ)+アンペル(信号)でシュヴァンペルというわけだ。それが「すぐに消える流行語(Eintagsfliegen)」だというのである。もの凄い嫌みな記事だと思うのだが、よく読むと、「なるほど」と思えてくるのだ。

こういう嫌みな表現で、「チクッ」と政治を風刺したり批判する「ことば」が、今の日本語にどれほどあるだろうか。人のことを言う前に、大塚英志ももうちょっと「ことば」について考えるのが先なのではないか、と思うのである。

つづく
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