先週末は、大学時代の研究室仲間4人と旅行へ。
みんな東北在住だけどバラバラのとこに住んでいるので、
4人の中間地点ということで選んだのは、岩手県・花巻市。
花巻と言えば、宮沢賢治。
私たちの大学は宮沢賢治の出身校ということで、関連する講義がとっても多かったんです。
そんな学生時代を思い出しつつ、今回は宮沢賢治めぐりの旅になりました。
花巻市にある『宮沢賢治記念館』、『宮沢賢治童話村』に行ってきたのですが、
予想以上に楽しくて大興奮。
見事に賢治作品の雰囲気を醸し出している名スポット。
なんかもう、本当に童話の世界に入り込んだみたいな気持にさせてくれるのが凄い。
ふくろうのランプがお出迎え。
どんぐりがコロコロ落ちてるのがまた可愛らしくて。
賢治作品には秋がよく似合う。
そうそう、この宮沢賢治記念館でとっても不思議な出来事が。
記念館の中は至って普通の展示室で、博物館とか美術館特有の、ちょっと張り詰めた雰囲気。
私たちも黙々と賢治の年表なんかを見ていたらそこへなんと…
一匹の猫が…!!
まだ小さい子猫だけどしっぽが長くて、地面にしっぽを引きずりながら展示室を歩いていきました。
普通に考えて、公共の室内で、しかも記念館とかいうちょっとお堅いところに猫がいるなんて思わないじゃないですか。
一同ビックリして、ポカーンと猫を見つめてしまいました。
そんなアホ面の私たちを横目に、子猫は悠々と歩いてどこかへ消えてしまいましたけど。
もちろん首輪なんかしていないし、近くに飼い主のような人もおらず。
後で記念館の係りの人に、「ここで猫飼ってるんですか?」と聞いてみましたが、
「いや、飼ってないですよ」との返事。
…う~ん、あのニャンコはいったいどこから来たんだろう??
猫と賢治といえば、
『注文の多い料理店』、『どんぐりと山猫』、『猫の事務所』、などなど、猫が登場する作品は結構多い。
こんな不思議で変は出来事が起こるなんて、まさに賢治クオリティじゃね?と一同沸いたのでした。
そしてお昼ご飯を食べに行ったのはここ。


そう、注文の多い料理店に登場する『山猫軒』。
入口にはこんな文字が。

「どなたもどうかお入りください 決してご遠慮はありません」

「ことに肥った方やお若い方は大歓迎いたします」
…
……
………食われる!!(笑)
こういう凝った演出が何とも嬉しいです。
店内も物語になぞらえたものがたくさんありました。
そして肝心のメニューはというと、花巻の食材を使ったどちらかというと和の料理。
物語通りそこは西洋料理にしとこうよ、と思わなくもありませんが。(笑)
でも美味しかったです~。
その後は『宮沢賢治童話村』へ。
ここは賢治作品をモチーフにした建物や広場があるところです。

銀河ステーションを通って中へ。隣には白鳥の停車場もありました。
カムパネルラを想ってしばししんみりする私たち。(入り込み過ぎ 笑)


メイン施設『賢治の学校』は、綺麗で幻想的な造り。
万博のパビリオンみたいに、賢治作品をイメージした小部屋が4~5部屋あるのです。
入るたびにワクワクするような演出。

これは外の広場にあった『月夜のでんしんばしら』の電信柱たち。
ちゃんと顔がついてます。
しかし友人は、子供の頃に読んだこの本の挿絵があまりに怖くて、
しばらく電信柱恐怖症になったそうな。(笑)

わかりにくい写真ですが、『やまなし』のオブジェ。
小学校の教科書に載ってたこの作品、当時は難解で意味わかんなかったな~と思ったら、
今読み返しても難解だった。(笑)
永遠の謎、クラムボン。何故だか何度も口に出して言いたくなるよ“クラムボン”。(笑)
そして、賢治が好きだったというふくろう。
最初の写真のランプといい、敷地内はふくろうモチーフだらけです。


「学」の文字に隠れてるふくろうが可愛過ぎる。

ベンチだってふくろう。

更には防火水槽表示までふくろう。
このぬかりない感じが素晴らしい。(笑)
花巻があんまり良いところだったから、宮沢賢治熱に火が点きました。
でも読んだことがある作品は、まだまだほんの一部で。
色んな作家さんによって絵本化されている賢治作品だから、
好きな絵を探して集めるのも楽しいかもなぁ。
『銀河鉄道の夜』、『月夜のでんしんばしら』、『星めぐりの歌』、『猫の事務所』、
『チュウリップの幻術』、『シグナルとシグナレス』、『烏の北斗七星』などなど…、
賢治作品は、タイトルだけでなんだかグッときてしまう。
確固とした世界観がそこにあるからこそ、たくさんの人を魅了するんでしょうね。
これから寒い冬だし、
部屋を暖かくして本をたくさん読もうかな。
引きこもりの季節到来、万歳。
今回購入した賢治こけし。
このしょんぼり具合が堪らない。こけしなのに、この哀愁はすごい。(笑)