ここのところ、飯田線の車輌が続いていますが... こちらはクモハ54オリジナルの最終ナンバー、クモハ54009 (静ママ) です。正面は右側の窓がHゴム化、左側の窓はHゴム化されていませんがRがついています。この正面だけ見ると、豊橋区の元クモハ60であるクモハ54三兄弟(121, 123, 125)と区別がつきません。しかも奇数向き(上り向き)ですし... あとは運行番号で区別をつけるか、というところでしょうか。
パンタグラフはこの写真からは判然としませんが、オリジナルのPS-11が維持されていました。
ちょっとピンぼけですがパンタを上げた姿です。
そして床下に着目した写真。
この車輌は、伊那松島区配属だったにもかかわらず、78年の80系の投入の余波を受け廃車になってまいました。この写真を撮った頃 (1978) は、全検からかなり経っていたせいもあるかも知れませんが、何となくくたびれたような表情です。側板も、若干べこべこしている感じです。飯田線では初年度製造のクモハ54は全車 (2輌) 78年の80系投入以降も保全されたのに対し、最終年度製造のクモハ54は4輌の内1輌しか残りませんでした。やはり戦時製造の資材不足が響いていたのでしょうか?
なお、相棒はメモによると68406だったり68408だったりしているので68400代である以外ははっきり決まっていなかったのかもしれません。
例によって本車の車歴は...
1941.12.14汽車会社東京支店製造→1941.12.24大ヨト→1944.6.3座席撤去→1948.10.7大オト→1948.12.25座席整備→1950.9.28大ミハ→1955.12.23更新修繕I(吹田)→1956.3.1大タツ→1961.10.1大アカ→1966.12.20静ママ※→[77-5全検浜松工]→1978.10.13静トヨ→1978.12.20廃車
出典:『関西国電50年』『鉄道ピクトリアル』バックナンバー、一部現車確認
※は『関西国電50年』では静トヨとなっているが『鉄ピク』誌では静ママとなっている。おそらく『関西国電50年』の誤記。