中央線沿線である、山梨県の山梨交通バスが来たる12/7からPASMOを導入することになったようです。
http://yamanashikotsu.co.jp/noriai/20150805pasmo.htm
ただし、子会社である山梨タウンコーチで運行している路線は従来通りの独自ICカード利用になるようですし (但し導入に向けて検討中のようです)、広河原線でも使えないということですので、観光客には当面あまり縁のない話になるかもしれません。
もっとも富士急の中央線沿線の登山バスはすでにPASMO対応になっていますので、山梨交通もようやく... という感じでしょうか。
もともと山梨交通のICカード導入の実績は非常に早く、他社が磁気カードだった時代にバス会社としては一足飛びにICカード導入に踏み切ったのですが、それが逆に災いしてか、他社と互換性のない独自路線を歩むことになってしまいました。
山梨交通はいろいろ意欲的な新技術を導入するのに熱心でしたが、それが消費者の利便性や増客に必ずしも結びつかない試みが多かったように思います。携帯電話を使ったバス・ロケーションシステムの導入もそうでした。
しかし山梨交通の場合はそもそもバス・ロケーションシステム導入より前に、バスの時刻表をネット上に公開すべきでした。バスが頻繁に来て、バス時刻を調べずにバス停に行くお客さんが多ければ、バス・ロケシステムを先に導入するのも良いでしょうが、そもそも一日数本しかないバスに客を乗せようと思ったら、バス・ロケシステム以前に、まずは定刻でのバス時刻表をネットで案内すべきでした。
もちろん、ICカードシステムやバス・ロケーションシステムといった技術自体の「正しさ」はだれも否定できないと思います。ICカードが既に多くの大都市圏で普及しているのは確かですし、またバス・ロケーションシステムが非常に高い効果を上げているのは韓国です1)。
山梨交通の取り組みの「先進」性は、たぶん山梨大学の工学部の先生あたりが山梨交通のアドバイザーとしてついていたのでは 2)、という気がしますが、しかし、ただ技術を導入すればよい、というものでもありません。多分山梨交通がICカードを導入したときは、むしろ首都圏と共通の磁気式バスカードを採用していれば観光客にももっとバスを利用してもらえ、また山梨の人も首都圏のバスも利用できるからともっと積極的にバスカードでバスを利用してもらえたかも知れません。
残念ながら山梨交通は、「正しい」技術を導入しても上手く行くとは限らない、ということを証明する格好の例になってしまいました。
1) 韓国のダウム地図 (http://map.daum.net) では、地図上の停留所をクリックすると、その停留所を通過するバス系統の次のバスがいつ来るか、とか、バス路線図を表示させるとその路線上でバスがそれぞれどこの停留所を通過しているかがリアルタイムに表示されます。
Daum地図におけるバス到着表示例
Daum地図におけるバス位置表示例
日本ですとGoogle地図やNavitimeなどがバスの時刻表データをもとに、どこかに行くならどこで何時発のどのバスを利用すればよいかという情報提供は行っていますが (但しデータ提供に応じているバス会社路線のみ)、リアルタイムデータとの連動は行っていないと思います。
また山梨交通以外にバス・ロケーションシステムを導入しているところもありますが、それぞれのバス会社のバス・ロケシステムのインターフェースがばらばらな点が問題です。
2) この山梨交通のバス・ロケシステムはその後山梨大学工学部の支援で、山梨交通だけではなく、山梨県内のバスを束ねる (但し自治体運営のバスで漏れているものあり) 「やまなしバスコンシエルジュ」というかたちにまとめられています。
「やまなしバスコンシエルジュ」サイト
http://busmaps.jp/yamanashi/
http://yamanashikotsu.co.jp/noriai/20150805pasmo.htm
ただし、子会社である山梨タウンコーチで運行している路線は従来通りの独自ICカード利用になるようですし (但し導入に向けて検討中のようです)、広河原線でも使えないということですので、観光客には当面あまり縁のない話になるかもしれません。
もっとも富士急の中央線沿線の登山バスはすでにPASMO対応になっていますので、山梨交通もようやく... という感じでしょうか。
もともと山梨交通のICカード導入の実績は非常に早く、他社が磁気カードだった時代にバス会社としては一足飛びにICカード導入に踏み切ったのですが、それが逆に災いしてか、他社と互換性のない独自路線を歩むことになってしまいました。
山梨交通はいろいろ意欲的な新技術を導入するのに熱心でしたが、それが消費者の利便性や増客に必ずしも結びつかない試みが多かったように思います。携帯電話を使ったバス・ロケーションシステムの導入もそうでした。
しかし山梨交通の場合はそもそもバス・ロケーションシステム導入より前に、バスの時刻表をネット上に公開すべきでした。バスが頻繁に来て、バス時刻を調べずにバス停に行くお客さんが多ければ、バス・ロケシステムを先に導入するのも良いでしょうが、そもそも一日数本しかないバスに客を乗せようと思ったら、バス・ロケシステム以前に、まずは定刻でのバス時刻表をネットで案内すべきでした。
もちろん、ICカードシステムやバス・ロケーションシステムといった技術自体の「正しさ」はだれも否定できないと思います。ICカードが既に多くの大都市圏で普及しているのは確かですし、またバス・ロケーションシステムが非常に高い効果を上げているのは韓国です1)。
山梨交通の取り組みの「先進」性は、たぶん山梨大学の工学部の先生あたりが山梨交通のアドバイザーとしてついていたのでは 2)、という気がしますが、しかし、ただ技術を導入すればよい、というものでもありません。多分山梨交通がICカードを導入したときは、むしろ首都圏と共通の磁気式バスカードを採用していれば観光客にももっとバスを利用してもらえ、また山梨の人も首都圏のバスも利用できるからともっと積極的にバスカードでバスを利用してもらえたかも知れません。
残念ながら山梨交通は、「正しい」技術を導入しても上手く行くとは限らない、ということを証明する格好の例になってしまいました。
1) 韓国のダウム地図 (http://map.daum.net) では、地図上の停留所をクリックすると、その停留所を通過するバス系統の次のバスがいつ来るか、とか、バス路線図を表示させるとその路線上でバスがそれぞれどこの停留所を通過しているかがリアルタイムに表示されます。
Daum地図におけるバス到着表示例
Daum地図におけるバス位置表示例
日本ですとGoogle地図やNavitimeなどがバスの時刻表データをもとに、どこかに行くならどこで何時発のどのバスを利用すればよいかという情報提供は行っていますが (但しデータ提供に応じているバス会社路線のみ)、リアルタイムデータとの連動は行っていないと思います。
また山梨交通以外にバス・ロケーションシステムを導入しているところもありますが、それぞれのバス会社のバス・ロケシステムのインターフェースがばらばらな点が問題です。
2) この山梨交通のバス・ロケシステムはその後山梨大学工学部の支援で、山梨交通だけではなく、山梨県内のバスを束ねる (但し自治体運営のバスで漏れているものあり) 「やまなしバスコンシエルジュ」というかたちにまとめられています。
「やまなしバスコンシエルジュ」サイト
http://busmaps.jp/yamanashi/